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「〇〇部」という枠は要らない説『ピートラ』Vol.50

機ちょーまさとですこんにちは。
先日、ここ数年「辞令」を出した覚えがないということを、ふと外部の方にお話ししたら、なんだそりゃっ、と盛り上がりました。

本日は、あまりきちっと制度化されてはいないものの、バンバンと挑戦の数を増やしていくために、ピープルで行われている働き方と今後の展開について書いてみようと思います。


仕事を手上げ制で選べるようにしてみた

それまで細かいことまでトップの承認が必要だったピープルでしたが、明日何が起きるかわからない、正解のない市場で生き残るためには、約50人が自分の頭で考えてベストパフォーマンスを発揮する必要があるんじゃないかと思ったんです。
そのため、一人ひとりが「好き」と「得意」を活かせる仕事を自由に選んでもらって、高いモチベーションで責任を持ってやり遂げられるのが良いはず。だって一番わかってるのは自分でしょ?ということで、ぼくが代表になった4年くらいまえから、突然「仕事はやりたい人のもの」というやり方を始めました

ピープルが考える「責任をとる、とは?」という話もしました。
 × 失敗したら降格されたりクビになったりする
 〇 思った結果にならなかったとき、この後どうするか最後まで考える

自分で選んだ仕事を、責任を持ってまっとうしてもらうことができるようになれば、イチイチ承認をまたずに、スピーディに仕事が進むはず。目的にズレがないなら、やり方は現場に任せた方が結果が良いに決まってるんですから

そして始まった手上げ制、所属部署や職階に関わらず、やってみたい仕事があったら手を挙げて兼務したり、今はないけど会社に必要だと思う仕事があれば手を挙げてメンバーをスカウトしてプロジェクトチームを立ち上げるんです。
こうして部署という枠には収まらない新しい仕事に、メンバーが流動的に取り組んでいく組織がスタートしました。

当初は混乱も不安も弊害も多々ありましたが、続けてみたら徐々に雰囲気が変わって、自分のやりたいことに向き合い、手を挙げる人が徐々に増え、気が付いたら経営チームから「あなたはここで働いてね」と指示を出すことが必要な場面が、ほとんどなくなっていました(もちろん、会社として新しく必要な仕事がある場合、経営チームから「やってみない?」と声をかけてチームを作ってもらうこともあります)。

それでもブレーキがかかる

どんどん新しいチームができて、新しいことをやっていこう!っと思ってはいても、古いしくみが残っているせいで各所でブレーキがかかってしまう、という問題が明らかになってきました。

例えば、経費の精算、承認活動、新しい取引先とつながろうとするとき、などものづくりの本質とは言えないような、細かな事務手続きのところで工数がかかったり、待ち時間が発生してスピードダウンする。そういうのを一つずつしくみを見直して改善していったものの、これにもとても時間がかかる。
パーパスを掲げて新しい仕事が生まれても、しくみも同時にスピーディに変わっていかないと、望む時間軸で新しいものが生み出せないことがわかりました。しくみを変えるのに時間がかかる理由は、部署をまたぐような変更が多々あって、現場がその改善を後回しにするという力学が働くからではないか。つまり、根本的な原因は「部署(企画部とか営業部とか)」単位で仕事が存在していることなのでは?と思うようになりました。

「〇〇部」単位で仕事をする弊害

そこで部署単位で組織をつくることの弊害を整理してみました。
(1)仕事の新陳代謝を妨げる
「部長」や「先輩」が最終決裁者になりがちなので、「今十分できている」から、新しいやり方(アプリなど)を導入する労力を惜しんでしまうという力学が働いてしまう気がするんです。また、先輩や前任者から引き継いだ仕事には、時間が経って目的が失われて不要になっているものがあるはずなのに、カタチだけそのまま続けられていたりしました。これは自分自身も反省がたくさんあって、今思うと笑い話なんですが、なぜか企画部は経費の集計を手書きでやらなければならないとされ、最近まで続けてきてしまいました。
(2)投資予算の優先順序がつけづらい(経営視点)
現在、ピープルはパーパスに準拠した、新しいヒット商品をつくることにリソースを傾けようとしていて、年間の予算を各部署、チームから集計しているところですが、部署という単位で予算申請されるとめちゃくちゃ優先順序がつけづらいんです。新商品Aの投資予算とか、DXの投資予算とか、投資先の単位で優先順序をつけたい。
(3)部署と部署の間の仕事は誰の責任?問題
上記の例のように、部署と部署の間をまたぐようなトラブルや仕事は、だれも手を付けにくいものになってしまい、結果過ごされてしまうことが多々ある。

プロジェクトチーム制にする利点

(1)気軽に立ち上げ、役割が終了したらパっと解散できる
会社の目的の変化や、テクノロジーの進歩に合わせて、しくみをスピーディに更新できそう。
(2)上司と部下というピラミッド構造の解消
新しいことに取り組むとき、部長でもヒラ社員でも、先輩でも後輩でもスタートラインが一緒なのだから、対等な関係でアイディアを出し合って、ベストな案を対話を通じて採用していくしかない。
(3)評価のチャンス!
また、現場の人が新しいチャンスや社内の改善ポイントを見つけた時、手を挙げてプロジェクトチームを作り、実行することで公明正大に、大きく評価をつけられる。
こういうことが期待できるんじゃないかと思うのです。

そう思い立ったので、少しずつ対話をしながら、〇〇部という部署単位の仕事を無くしていくことが、ぼくにとっての重要プロジェクトとしてスタートしました。

おそらく、いろんな混乱・不安があったり弊害も起きると思いますが、数かけてカタチにしていく価値があるんじゃないでしょうか。ちょっとほんとにダメだと思ったら修正したり引き返したりするのは前提です。
このやり方がうまくいくのかどうか。これからも何か動きがあればこちらでレポートしていこうと思います。



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