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19.【読書記録③】思考の整理学(外山滋比古著)


久々に読書記録をつけていこうと思います。

大学院に在籍して、改めて文献にあたることの大切さを実感しました。
人生の先輩が学んだことを詰め込んだ作品が「著作物」です。
もちろん、本だけでなく、論文やnoteの記事も当てはまります。

限りある人生の中で、本当であれば知り得るまでに時間がかかることを教えてくれる、そんな存在だと思っています。
言わば、人生の近道というところです。
そんなことも、外山滋比古著作の『思考の整理学』では述べられています。


『思考の整理学』の概要

外山滋比古著作の『思考の整理学』は、1986年に筑摩書房から出版され、現在まで発行され続けている名著です。
2019年時点では、240万部を突破しています。
今日では10万部を突破するとベストセラーと呼ばれることも多いので、いかにすごい数字かということがわかると思います。
(もちろん、現代の活字離れや電子書籍化の影響は多分にあるので、一概に比較し得るものではありません。)


本の内容は、一言でまとめると「学びと探究の姿勢」と言えます。
前半は大学生、後半は大学生だけでなく社会人にも有益なのでは?と感じます。




「学びと探究の姿勢」とは

本著では、冒頭に受動的学びと能動的学びについて触れています。
前者を「グライダー能力」、後者を「飛行機能力」と喩え、自力で飛ぶことができない「グライダー能力」を保有する人材の多さを嘆いています。

この文章を読んだときに、文学的かつ論理的に教育の在り方を見直している点が本著の深みの1つだと感じました。
また、1980年代から教育の在り方に対する懸念はあまり変わっていないことを改めて嘆きました。

というのも、40年以上前から学びの在り方については議論されているんですよね。
例えば、Knowles(1980)は、子どもと大人の学びの違いを検証していました。
子どもの学びを「ペダゴジー」と名付け、普遍的な知識を一方向的に教育するように設計されていることを指摘しています。
ただ、大人の学びは、自発的なアイデアのアウトプットが求められ、かつ双方向的な学びである「アンドラゴジー」の重要性を訴えています。

幼少期の母語を学ぶときのように、仕事について教えられるとストレスがかかるのではないでしょうか。
簡単にレクチャーを受けた後、疑問点を質問して解消したり、とりあえず実践してみて改良する方が効率もよさそうです。

ただ、外山滋比古氏は、受動的に学ぶことを得意としている人が多いことを指摘しています。
これは現代も変わらないのではないでしょうか。

能動的に探究する姿勢を身につけて、社会で活躍する人になりたい!
でも、どう動けばいいかわからない!
と思う方は、まずこの本を読んでみてはいかがでしょうか。
600円弱で買えるので、ぜひこの本を基にはじめの一歩を踏み出してみてください!

Amazonリンクも貼っておきます。

『思考の整理学』外山滋比古著










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