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「聞き取る力」を阻害する要因

  情報を聴き取る力はとても大事。特に人の話を聞く行為は日常生活にダイレクトに影響するので、「聞き取る力」は必要不可欠であると言えるでしょう。。

 しかし、「聞き取る力」を阻害するものがあります。それがテレビで頻繁に使われる字幕やテロップ。字幕やテロップは基本的に文字から情報を読み解いていきます。文字から情報を知るのは決して悪いことではないのですが、日常的に字幕やテロップを見て、人が何を言っているのかを知ろうとすると耳から情報を得る力が衰えていきます。

 字幕やテロップは最初からすべての情報、つまり人の発言内容が書かれています。一方、音声から情報を知ろうとする場合はいったん脳内で言葉を整理して考えていかなければいけません。字幕で情報を理解する習慣がつくと、音声情報のような脳内で情報を整理→理解というプロセスがなくなります。結果「聞く力」がなくなっていきます。

 「おおげさな!」と思う人もいるかもしれませんが、あなたの周りにも話の内容が理解できない人がいるのではないでしょうか。そういう人はテレビやスマホなどで文字から情報を摂取する習慣がついているんですよね。

 人の話が理解できなくなると、日常生活に支障をきたします。労働者の場合、人から指示された内容を理解できず、進捗が滞り、生産性が爆下がりします。学生の場合は授業内容を理解できず、学力が上がりません。「授業が理解できなければ、自分で参考書を使っていいじゃないか」と思う人もいるでしょうが、人の話すら理解できない人間が参考書に書かれている内容を吸収できるでしょうか。教師の話を聞かず参考書で学習内容を理解できる生徒は話を聞けばちゃんと理解できます。ただ進度や受験する大学のレベルの問題があるから、授業をサボって独学しているわけで、「人の話を理解できない」ということはないと言えるでしょう。

 現代はスマホやパソコンの影響もあり、文字から情報を読み取る機会が増えています。しかし皮肉なことにその行為によって「聞き取る力」が弱くなり、結果としてコミュニケーションに難ありの人が増えているように感じます。

 ただ、スマホやパソコンを使う機会が多いがゆえ、どうしても文字から情報を読み取らざるを得ないのも事実だと思います。だからこそ、テレビや動画コンテンツを観ている時は字幕やテロップに依存しないことが重要。

 「聞き取る力」は人生を生きるうえで重要な能力です。

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