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「窓際族」になりたがるビジネスパーソンが全く理解できないという話

日本人の中には大企業に勤め、その後は出世をせずに「窓際族」になる人生を目指そうとする人たちがいます。
「出世をしてしまうと、給料はたいして上がらないのに責任が重くなり労働時間が増える。それだったら、『日本企業は簡単に会社員をクビにできない』という『利点』(笑)を生かし、窓際族になる方がコスパの良い」と考え、Windows2000(年収2000万円の窓際族)になるそうです。

確かに、日本企業において出世を目指すのはコスパが悪い。
既に述べたように、出世をしても給料はあまり上がらないですし(というよりも社会保険でしこたま抜かれまくる)、その一方で責任も労働時間も増えます。それだったらゆるい人生で会社にすがっていたほうがいいというのも考えとしては理解できます。

けれども、1日中ほぼ何もしないでオフィスというコンクリートの塊の中に9時間以上拘束され、そのような日々を送り続けるというのはあまりにも拷問すぎるのではないかと思います。
勤務時間中に読書ができるとか勉強ができるとか散歩ができるとかならまだいいですが、もちろん無理で、働いている時間は「仕事してる風」を装わなければいけません。
とりわけ日本企業では、「とにかく忙しくしているフリ」をすることが「優秀なビジネスパーソン」の証明になるので、せわしなく動いていなければいけません。

何もすることがないのに、「仕事をして、忙しい風」を装わなければならない。
これはもう、尊厳の蹂躙なのではないでしょうか。

私的には、「大企業の社員は、貯金はそれなりにあるはずなのだから、投資をするなり、自分のビジネスを始めるなりして、とっとと会社を辞めて自分の時間を得るための行動を起こしたほうがいいんじゃない?」と思うんですよね。
しかし、多くの窓際族ビジネスパーソンは「働きたくない。仕事は嫌い。でも会社を辞めると『社会的地位』を失って周囲にマウントをとれなくなるし、婚活パーティーで肩書の効力を発揮することができなくなるから、会社は辞めたくない」とダダをこねて辞めようとしない。

そのような考えも否定するわけではないですが、9時間以上コンクリートの塊の中に拘束されて、やりたいこともできず、ただ時間だけが過ぎていく人生って果たして幸せなのでしょうか。

「窓際族ビジネスパーソン」になったとしても、得られるのは金だけであり、失うものはあまりにも大きいです。
にもかかわらず、「大企業の窓際族は『勝ち組』」という風潮があるのは本当に不思議でたまりません。

IT技術の影響でこれからライフスタイルや労働環境は劇的に変化していくでしょうが、「窓際族ビジネスパーソン」が「永久に不滅なのか」、とても気になるところです。

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