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令和4年7月15日の昼飯

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本日、食したカップラーメンはこちら!

acecook
ありそうでなかった
「天津麺 塩」
かにかま入り大判玉子

だぁぁぁぁぁぁ!

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早速! いただきます!
昨日の醤油よりかはこっちの方が好きかな。

醤油ラーメンはなんか、ちょと安っぽさを感じたんですよね。
それに対して、今回の塩は私好み。
だが、やはり中華料理という感じはしない。
うん、塩ラーメン!

醤油にはとろみがついていたけど、この塩ラーメンにはとろみが無いのね……
塩だととろみがあったらダメなのか?
いや、いいんじゃね。
塩でもとろみあっていいんじゃね。
とろみがあれば、味が少々濃く感じるんですよね。
なんか塩味が少なくても増幅するような。
これって、減塩ブームに乗れるんじゃね?

って、もう、ブームは終わっていたか……

ということで、今日は「増幅」つながりのお話を!

俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます【カク11+なろう43合計54万PV】ほのぼのスローライフを想像したあなた残念!コレは親を殺された少年と悲劇のヒロインたちの復讐物語…だと思う。

「誰がアホやねん!」
 すぐさまタカトがビン子の言葉に反応した。
 もしかして、自分の事をアホと認識しているのであろうか。
 それはそれで素晴らしい!
 自分の事を何も知らないアホと知ることから、より良き人生は始まるのだよ。タカト君。

「アホはお前だ! ビン子!」
 タカトはビン子を指さし、なぜか勝ち誇ったかのような大笑いをしていた。
 いや……やっぱりこいつは、自分がアホであることを全く自覚してないようである。

「いやいやいや……アホはアンタよ……」
「そう、アホはお前じゃ……」
 白い目でタカトを見つめる権蔵とビン子は、そろってタカトを指さした。

 咄嗟に後ろを振り返るタカト
「えっ? 後ろに誰かいるのか?」

 ………………
 …………

「「お前しかおらんじゃろが!」」
 お前には幽霊でも見えるのか!
 こんなに天気がいい日に幽霊など出てきたら暑くてすぐさま成仏してしまうわ!
 権蔵とビン子は二人そろって拳を握りしめながら怒りを堪えていた。
 あぁ! 本当にうっとおしい!
 ここまで能天気だと、今日の天気以上に暑苦しいことこの上ない!

 幽霊がどこかにいるはずと木陰や石の下を必死に探すも、案の定、見つけることができなかったようすのタカトは、不貞腐れながら荷馬車の運転席にのぼった。
 ――だいたい、俺はアホやないで! アッフォや!
 A.F.O! それは、オール フォー ワン! 略してアフォ!なのだ。
 どこぞのヒーローアニメで裏社会を支配する究極悪のごとく、この世の全ての女を自分一人のものにする悪のエロエロ大王なのである!
 ワハハハハ! 全てはオッパイのためにある!

 「なにバカ言ってんのよ……」
 もう既にバカにする気すらおきないビン子は、荷物を詰めたカバンを片手にタカトの横に並んで座った。
 どうやらタカトの心の叫びが、口から漏れ出ていたようなのだ。
 ――アハハハハ、もしかして聞こえてた……? 俺ってアホやぁぁぁ! ホンマもんのアホやぁぁぁ!

 荷馬車でいまにも出発しようとしているビン子に権蔵は急いで声をかけた。
「おーい、ビン子、これ忘れとるぞ」
 それは融合加工技術で作ったカラーコンタクト。
 ビン子は権蔵から、コンタクトの入った容器を受け取るとキャップを丁寧に開けた。
「忘れてた。ありがとう」

 タカトはビン子が指先でつまむカラーコンタクトを興味深そうに見ていた。
「しかし、いつ見ても、そのカラコンすごい技術だよな。じいちゃんが考えたのか?」
「まぁ、そうとも言うが、そうでないとも言うかな」
「一体、どっちだよ」
 笑いながら答えるタカト。

「ワシが作ったものではあるが、その原理は『クロト』様から教えてもらったものじゃ」
 クロトとは、融合加工院ゆうごうかこういんの主任技術者であり、第二の門の騎士でもあった。

「すっげぇぇぇぇぇ! じいちゃん! クロト様と知り合いなのか! 俺も会いたい! 今すぐ会いたい! 会いたい! 会いたい! 会いたい!」
 駄々っ子の様にじたばたするタカトをうっとおしそうに見る権蔵。
「たしか、今でもクロト様は道具コンテストで審査員をしていたはずじゃが」
「よし! 俺も道具コンテストに出る! 絶対、満点とる自信があるんだ!」
「……いや、お前のは確実に0点じゃ……というか、お前、参加できる条件を満たしとらんからな……」

 融合国では、数か月に一度、道具コンテストが開かれるのである。
 その会場となるのは第二の騎士の門前広場。
 そんな広場には新たな道具を見ようと、融合国以外からも多くの人々が集まってくるのであった。
 このコンテスト、一応、歴史がある由緒正しきものである。
 そのため、参加できるのは神民以上。それ以外は神民学校に通う生徒か、騎士または神民から推薦状をもらったものに限られていた。
 でもって、学校にも通っておらず、推薦状も持たない一般国民のタカトは当然に一度も参加できるわけがなかったのである。

 そんな数日前の門前広場には大きめのステージが用意されていた。
 ステージの上では、上半身裸に白いタンクトップだけをまといし男が司会者らしくシャウトをかましている最中だった。
 鍛えられた筋肉によってピンと張りつめられたタンクトップ。見ているだけでも暑苦しい。
 しかも、汗がにじむブ厚い胸板に書かれた文字が、大声を上げるたびに横に大きく伸び縮みしていた。
 というか、なぜその文字が「尻魂しりだま」なのだろうか? 間違いなくアホである。
「さあ、優勝候補筆頭! タコ焼きプレート! 通常12個しか焼けないところ、なんと開血解放によって36個まで同時に焼けるようになった優れもの!」

 そんな「尻魂」と書かれたタンクトップ男の横には、男の腰ほどの背丈の少々小さな少女が得意げにタコ焼きプレートを持ってはにかんでいた。
 ダボダボの白衣の下からは神民学校高等部の制服が見えている。
 ということは、一見、小学生のように見えていても、おそらくその中身は高校生なのだろう。
 その幼顔は眼鏡をかけ真面目そうな雰囲気。
 だが、どうやら身だしなみには全く興味がないようで、髪は少々ぼさぼさであった。
 コイツからは、タカトと同じような技術系オタクの匂いがする……

 そして、ステージの脇には難しそうな表情を浮かべた審査員たちが5人並んで座っていた。
 えっ? このタコ焼きプレートの何がすごいのか全く分からない?
 ちょっと考えてみてよ、12個しか焼けないプレートが36個も焼ける大きな鉄板に広がるんだよ!
 凄くない?
 まさに開血解放によって、鉄板の原子が増幅するんです。
 もうね……物理原則なんて完全無視! って、まぁ、元からそんな原則など関係ありませんけどね。だって、ここは異世界、聖人世界! 何でもありですよ!
 なに? そんな設定ダメだって?
 なら、ビッグライトを持っているドラ〇もんをタコ焼き、いや、タコ殴りにしてから文句を言ってください!

 尻魂タンクトップ男がさらに暑苦しいオーバーアクションで審査員たちに手を向けた。
「さぁ審査員の皆さん! 判定をよろしくお願いいたしまっす!」
 一番左端の審査員が点数の書かれた丸い札を上げる。
 10点!
 どうやら、この審査、一人の持ち点が10点のようである。
 ということは5人いるから満点は50点!

 10点!
 10点!
 10点!

 次々と並ぶ10の文字。
 もしかして、これは満点なのかァァァァ?

 0点!

「おーっと! 惜しいぃぃぃ!」
 尻魂男が、わざとらしくオーバーに転がって悔しがっていた。
 そう、いつも0点しか出さないこの審査員こそがクロトなのである。
 18歳ぐらいとは思えないその落ち着いた容姿はまさにクールなイケメン。
 セレスティーノがど派手なイケメンなら、クロトはインテリ風のイケメンなのである。この二人、すべてが正反対。

 そんなクロトに困った表情を浮かべる尻魂男。
「しかし、どうして0点なのでしょう? クロト様! 見てください! ショックでこの子……えーっと、名前、何てったっけ?」
 白衣を着た少女は、恨めしそうに尻魂男を睨み上げていた。
「ちゃんと覚えてください! スグル先生! ローバンです! ローバン!」

 どうやら、この尻魂男の名前はスグルというらしい。
 しかも、先生と呼ばれるように、本職は神民学校の教師なのだ。

「そうそう! ロバ! ロバがヒヒンって泣いてますよ! ヒヒンって!」
「ロバはヒヒンって鳴きません! ヒーホーヒーホーです! 大体、私、ロバじゃないですから! ローバンですから!」
 ローバンと名乗る少女が、ダボダボの白衣をバタバタと鳥の羽のように震わせながら抵抗していた。 

 クロトがそんな尻魂男ことスグルからマイクを奪い取る。
「ローバンさん、いつも言っていますよね。道具作りのアイデアがなんたるかを」
 ……
 急に静かになったローバンがタコ焼きプレートを持ったまま黙ってうなずいた。

「1の性能のものを融合加工によって2や3にしたのでは、それは同次元の強化でしかありません」
「はい……」
「1の性能のものをAやBにする。いうなれば、別次元に遷移させるのがアイデアです!」

 説教されてうなだれるローバンを可哀そうに思ったのか、尻魂男が慌ててフォローに入った。
「そういわれましても、クロト様以上にそんなアイデアをポンポン出せる人なんてそうそういないですよ」
 そう、クロトが作り出すものはどれも斬新であった。
 コンビニの自動ドア。
 そんな入り口に設置されるモーションセンサー。
 タカトが着ているティシャツのプリント技術など、言い出したらきりがない。
 この融合国、いや、この聖人世界はクロトのアイデアによって産業革命なみの変化が起こっていたのである。

「私以上の天才? いますよ……一人……」
 まるでクロトは遠い過去を思い出すかのように、胸のポケットにしまった古いドライバーを取り出し懐かしそうに見つめていた。
「そう……まさに彼こそ、1の性能のものをHにまで昇華できる天才です」

 そんなクロトの名前を聞いて興奮が冷めないようすのタカト君。
「しかも、クロト様って、あの『テン5』の生みの親だろ⁉」
 そう、同じ融合加工職人として、クロトは憧れのまと。いや、昇りつめるべき頂点の目標でもあったのだ。
 そんな道具作りに情熱を燃やすタカトを見つめる権蔵は嬉しそうにうなずいた。
「そうじゃな」

 テン5とは、2.5世代の略。魔物の感覚器と人間を融合させた第三世代の安全性に異を唱えたクロトが独自に開発した技術路線なのである。

 現在主力である第五世代の黒の魔装騎兵は、肉体に埋め込まれた魔物組織を持って肉体変化を生じさせるものである。
 これに対して、テン5は第一世代や第二世代の技術によって融合加工された装甲を体に装着するだけの簡易なものであった。
 そのため、テン5は黒の魔装騎兵と対比して、白の魔装騎兵と呼ばれることが多かった。
 しかし、やはり肉体が直接強化される第5世代に比べると能力は格段に落ちる。
 だが、長所も無いわけではない、外部パーツを使うことによって状況変化に応じた装備の交換や、技術革新によるバージョンアップが可能となったのだ。
 そして、なによりも一番の強みは第五世代のように魔血切れによって人魔症を発症する危険が全くなかったのである。
 そう、魔血切れを起こした融合加工の道具は、ただ単にその能力を発現しなくなるだけなのだ。
 分かりやすく言うならば、先ほどのタコ焼きプレートが12個焼きの元のプレートに戻るだけのことなのである。

 だが、いまさらながら自分にコンテストの参加資格がないことに気付いたタカトはガクッと肩を落とした。
「しかし、マジかよ……じいちゃんって、クロト様と知り合いだったとはな……」
「まぁ、大昔、出場した道具コンテストでしのぎを削っているうちに、仲良くなっての。クロト様から、いろいろと教えてもらったのじゃ」
「いいなぁ……じいちゃんだけ、ずるいなぁ……」
「もう、大昔のことじゃて」
 って……クロト様って18歳ぐらいだったはずだよね?
 大昔っていつの事ヨ? もしかして、赤ちゃん?
 権蔵じいちゃんは、赤ちゃんから教えてもらったていうのだろうか。
 いや違うのだ。クロトは騎士である。そして騎士は不老不死なのだ。
 権蔵が年を重ねても、クロトは永遠に18のままなのである。

 タカトは、うらやましそうに頭の後ろで手を組んだ。
「俺も、いつか必ず道具コンテストで優勝して、融合加工院に行くんだ!」
「融合加工院に行ってどうするんじゃ?」
「そしたらさぁ、爺ちゃんの知らない技術も学べるだろ! そうすれば、この道具屋にも、お客、わんさか来るじゃん!」

 その言葉に、目頭を熱くする権蔵。
「お前……そこまで考えていたとは……」
 何か胸の奥から熱いものが込み上げてくる。
 ――アホじゃアホじゃと思っていたのに、いつの間にか立派な男になったもんじゃ。
 権蔵は今ほど道具屋をやっていてよかったと思ったことはなかった。
 ――こんな立派な後継者に恵まれて、ワシは本当に幸せ者じゃ……
 権蔵はあふれ出しそうな涙を隠すかのように目頭をギュッと押さえた。

 そんなタカトが笑いながら続ける。
「お客さんがわんさか来るってことは、綺麗なお姉ちゃんたちも来るってことだろ。そしたら、そのお姉ちゃんに超有名道具屋が作るダイエット薬ってことで、『妖精の蜜』で作った薬なんぞを飲ませたら、これで簡単ハーレムのできあがりや!」
 そう、妖精の蜜とは妖精たちが集める生気が濃縮された蜜の事で、それを人間が飲むとたちまち発情し、超強力な惚れ薬になるのである。
 それをダイエット薬として飲ませるって……どこのエロ漫、おっと、ムフフな本やねん!
「これこそ俺の求めるオール フォー ワン! 真のアフォや! エヘヘヘ」
 すでに妄想に浸っているタカトの顔はだらしなくにやけ、よだれがボトボトと垂れていた。

 …………
 ……
 そんなタカトを白い目で見つめる権蔵。
 先ほどまで込み上げてきていた感動の涙が、あっという間に干からびていた。
 自分の後継者が育ったと喜んでいたのにエロエロ大王が育っていたとは……
 権蔵の心はすでに空っぽ。虚無という脱力感に包まれていたのであった。
 ――コイツに期待するのがアホじゃった……

 だが、こんなやり取りはいつもの事。
 我かんせずのビン子は慣れた様子でコンタクトを両目につける。
 すると、とたんにビン子の目が金色から黒色に変わったではないか。

 それを確認した権蔵は言う。
「ビン子。くれぐれもそれを外すなよ。神とバレたら神の恩恵を求める人々が集まって来るからな」

 ビン子は神であることは間違いなかった。
 しかし、タカトと共に権蔵の家に来る前の記憶がないのだ。
 自分の本当の名前も、また、どのような神の恩恵を持っているのかさえも覚えていなかったのである。

 第15話 いってきま~す(1) より

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