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69.エイプリルフールに嘘をつかない、ということ。

4月になりましたね。今日は1日です。
僕は、エイプリルフールだからといって、わざわざ嘘をついた記憶がありません。


近年だと、エイプリルフールにSNS上で嘘をついて炎上した芸能人のネットニュースなんかを目にすることもあります。


そのせいか最近はエイプリルフールにあまり良い印象を抱いていなかったのですが、本来は「4月1日だけは罪のない嘘やいたずらで笑わせてもいい」というハッピーな意味合いが込められているそうです。
(ちなみに日本では2006年に東京新聞が「東京タワーが傾く。原因は足元のオナラ」とエイプリルフール報道をしたこともあるそうです。)


ではこのエイプリルフールは、いつ、どうして、始まったのでしょうか。


実は、はっきりとしたことはわかっていないようなのです。

・3世紀ごろのインドの春祭りにいたずらをし合う風習があり、その風習が世界に広まったという説


・古代ペルシア発祥で、今も行われている「シズダベダール」というお祭りが原型という説


・17世紀にイギリスで行われていた、君主制回復を祝う「オークアップルデー」が起源という説


諸説あるみたいなのですが、民俗学的な分析では、「春の到来を祝うお祭り」が起源だと推測されているみたいです。
まあ、なんにせよ「良い嘘やジョークを言って、楽しみましょう!」という文化なのでしょうね。


さてそんなエイプリルフールですが、1年前のことを覚えていますでしょうか。


実は去年「2020年はエイプリルフールがなくなるらしい」なんて話がありました。


まだ記憶に新しいので、覚えている方も多いかと思います。
2020年4月1日は日本でもコロナウイルスの流行が見られ、緊急事態宣言を出す出さない、など
とにかくコロナに関するニュースが連日報道されていた時期です。(実際に翌週4月7日に東京を含む7都府県に緊急事態宣言が出されました。)

「こんな時期に嘘をつくなんて、周りを混乱させるし、不謹慎だから。」



ただでさえ、嘘か本当かわからない情報が錯誤する未知のウイルスと闘っている最中です。
2020年4月1日のエイプリルフールは自粛されました。
ちなみに1度目の緊急事態宣言が出された4月7日の東京都新規感染者は79名でした。


今になって振り返ってみると、かなり少ない数字のように思います。


それでも「都内で79人が新しくコロナに罹ってしまったというニュースが1つあった」ではなく、

1日の中で「都内で1人が新しくコロナに罹ってしまったというニュースが79つあった」と考えれば決して楽観できる数字ではなかったと思います。


ウイルスの危険度や症状が、徐々に明らかになっていくと「正しく怖がる必要がある」なんて言葉を耳にする機会が増えました。

「わからない」「知らない」という未知な状況が、何よりも混乱と恐怖を生み出してしまったのだと思います。


もちろんコロナのせいで全ての生活様式が悪い方向に変わったわけではありません。
個人的にはテレワークが増え、以前よりかなり働きやすい環境になりました。
妻と過ごす時間も増え、ますます仲が良っていくのを実感しています。(もちろん医療従事者や飲食関係のお仕事をしている方を差し置いて、手放しで喜べる状況ではないですが)


1周回って、またちらほらとZOOM飲み会をするようにもなりました。

妻もたまに学生時代の友人とやっているのですが、この前のZOOM飲み会で、自分でもびっくりしたことがあったそうです。

その日は妻を含め女性3人でZOOM飲み会をやっていたそうです。
そのうちの一人が一度、何かの用事で席を離れ、またすぐに戻ってきた、という瞬間があったそうです。

なんと、妻は画面越しに再び席に戻って来ようとしている友人を見て、泣いてしまったというのです。

話を聞きながら、僕は頭が追いつきませんでした。

泣く要素がどこにあるのか、皆目見当がつかなかったからです。

ですが、よく話を聞いてみると、何となく涙の理由も腑に落ちました。



というのも。



その友人には、昔から歩き方に癖があったそうなのです。
そして、席に戻るために歩いて近づいてくる様が、まさに学生時代のあの頃と、何一つ変わらぬ歩き方だったのです。

その友人の「変わらなさ」を画面越しにでも、はっきりと感じ、妻は涙してしまったのです。

「やばいでしょ。」



妻は笑って言いました。

友達が歩いている姿を見て泣いてしまう。
文面だけ見ると確かに、やばい、です。

でも今のご時世を鑑みると決して、やばい、とは思えません。
何の不安や心配もなく、家族や友人と会えていた時代はすっかり過去のものになってしまいました。

今後、昔と同じように、気兼ねなく会いたい人に会えるかどうかはわかりませんが、もし会えたとしたら、その重みは、以前とは異なってくるかもしれません。

今年も僕はエイプリルフールに嘘を付けそうもありません。

来年の今頃は、誰かが付いた嘘を、「おもしろい」だとか「しょうもない」なんて言いながら笑っていたいですね。


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