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四季報を写経?!がむしゃらではなく持続可能性をペンギンガレージで学んだ(PENGUIN GARAGEの生体図鑑#005 植松佑太)

孤軍奮闘しているフリーランスや一人社長たちが、好奇心や課題感を同じくする仲間と出会い、仕事のこともプライベートなことも分かち合える場として、2021年1月に生まれたペンギンガレージ。

メンバー同士が安心してコミュニケーションをとれるように、基本的にクローズドな活動が多いので、「どんな人が集まっているの?」と聞かれることも。

そこで本マガジン「PENGUIN GARAGEの生態図鑑」では、ペンギンメンバーたちを順次ご紹介していきます!

ペンギンガレージの詳しい情報や具体的な取り組み内容などに関心がある方は、以下の記事をご覧ください。

今回ご紹介するのは、ペンギンガレージ立ち上げ期から関わっている植松佑太。現在は会社に勤めていますが、将来の夢は起業。以下、愛称の「まつさん」で呼ばせてもらいます。では、まつさんの「生態」をどうぞ〜!

 植松佑太(Yuta Uematsu): X(旧Twitter)  

◎学習欲で始めた副業が、メンタルバランス維持に

ーーまずはこれまでのキャリアについて簡単に教えてください。

新卒で1社目に就職したのは、アフィリエイト事業やメディアコンテンツ事業を手がける会社です。その後ヘルスケア事業を展開するスタートアップ企業に1人目の社員として入り、約5年ほど働きました。

そして昨年秋からは、食生活の記録や管理ができるアプリの開発・運営などを手がける株式会社askenにジョインしています。askenでは新規事業の立ち上げと既存事業の支援や戦略立案などを担っています。

ーー2社目と3社目のどちらもヘルスケア領域ですよね。何か思い入れがあるのでしょうか?

僕、かつては今より15kgくらい太っていたんです。浪人時代に食生活が乱れ、たばこも吸いはじめ、不健康なライフスタイルになってしまい……。

それが社会人になってからもしばらく続いていたのですが、1社目の時、会社に遅刻しないようにと通勤途中で走ったら、すごい爽快だったんです(笑)。当時ハードワークでメンタルも不調気味だったので、一層、運動がもつ力や意義を強く感じたのだと思います。そんな個人的な経験が、運動や食生活、メンタルケアも含めたヘルスケア領域に携わるようになった原点ですね。

4年ほど続けているロードバイクをはじめ、今では運動が習慣に!

ただ、「絶対にヘルスケア!」とこだわっているわけではなくて、自分が組織の中でどんな役割を担うのかや、どんな人たちと一緒に働くかなども、キャリアを決める上で重視しています。

ーー担う役割といえば、まつさんのLinked inのプロフィールを見た時に、すごい多様なスキルと経験が書かれていて圧倒されました(笑)。

前職はスタートアップ企業だったので、基本なんでもやる、やらないといけない環境だったんですよね。だから結果的に"川上から川下まで"ではないですが、幅広い仕事を経験してきました。

一方で、僕自身「学習欲」が強いんです。性格分析テストなどでもその傾向は顕著に出ます。新しいことを学んだり習得したりすることが好き。分からないことにポジティブな気持ちで取り組める。それは今取り組んでいる新規事業の立ち上げなどにも活きているなと感じます。

ーー副業もいろいろやっていらっしゃいますよね。それも学習欲ゆえですか?

そうですね。最初の副業はSEOブログの運営でした。1社目の会社が、僕は部署が違いましたが、アフィリエイト事業をやっていたので、「ブログでお金が稼げるらしいけど、どうやったら稼げるようになるんだろう?」と知りたくなったんです。もともと文章を書くのは好きだったので、自分で調べたり学んだりしながらブログを運営していったら稼げるようになって、結果的に副業になったという感じです。

以降、YouTubeチャンネルの運営や事業立ち上げ支援なども副業でやってきましたが、いずれも自分が知りたい・学びたいという思いが始まりですね。

一時期学びを深めていたYouTubeチャンネルより(動画の一つのサムネイル)
知りたい!学びたい!で読んでいる本たちの一部(左)と
AIを使った記事"執筆"にチャレンジしたnoteのアカウント(右)

ただ、副業を続けるうちに気づいた意義があるんです。本業はステークホルダーが多いし、自分の思い通りにならないことが多いじゃないですか。でも副業は基本的に自分でコントロールできる。だから副業をもつことによってメンタルのバランスを取りやすくなると気づいたんです。それで今は意識的に副業をやるようにしています。

◎安定志向の進学から心機一転、起業の夢へ

ーー本業と副業のバランスをとって働くまつさん。フリーランスコミュニティのペンギンガレージにジョインしたのはなぜですか?

実は副業がきっかけです。今から6〜7年前、旧Twitter(現X)のフォロワー数をどうやったら伸ばせるかを探求して、その経験を基にSNS運用のコンサルのようなことを副業でやっていたんです。その時、Twitter上で仲良くなったのが、ペンギンガレージの立ち上げ人の一人、きよさん(松下清隆)の奥さんで。

ーーまさかのつながり(笑)!

リアルでも奥さんとお会いしていた中で、ペンギンガレージの構想を聞き、マーケターの視点で意見をもらえないかと声をかけてもらったのがきっかけでした。

僕自身、将来は独立して起業したいという思いをずっと持ち続けているので、フリーランスや起業して最前線で活躍されている方々が集まるコミュニティに惹かれて、メンバーになりました。

ーー起業したいという思いはいつ頃からもっているのですか?

大学生の頃からですね。僕は法学部の出身なんですけど、法学部って周りが弁護士をはじめとした法曹の世界に進むか、国家公務員になることを目指す人ばかりなんです。民間に就職するとしても銀行とか堅いところばかり。入学して数日で自分は法学部に合わないと気づきました(笑)。

ーーええっ(笑)!?

将来の選択肢を広げられるようにとインターンシップなどをやり始めたら、ご縁のある社長の鞄持ちをやらせてもらえるようになって。社長について回る中で500枚ぐらい名刺交換しましたね。

その多くが経営者層だったので、経営者という働き方、生き方への関心が高まりました。会社を興して、社長になってお金を稼ぐってどういうことなんだろうって。

社長の鞄持ちをしていた時代

ーー現在のまつさんからは、たしかに堅実で手堅くいくより、挑戦志向を感じるのですが、法学部を選んだ当時は違ったのですか……?

かつては安定志向でしたね。弁護士になれるならなりたいなとも思っていました。でも実際にそれを目指す人たちの世界に入ったら違和感があった。あの時から新しい人生のフェーズがスタートしたと思います。あれからちょうど10年ほど経って、今ではその「新しくなった自分」の方が自分自身に定着した感覚があります。

◎仕事も家族も失った時に残った居場所

ーーペンギンガレージの話に戻りますが、入って3年半ぐらいかと思います。ペンギンに入ったことでの学びや変化はありますか?

皆さんの働き方が僕にとって目から鱗でした。僕はTHE・ベンチャーな働き方で、とにかくがむしゃら。求められたことには全力で応えたくて、毎日一生懸命働いて寝落ちする……みたいな。

でもペンギンガレージの皆さんは、持続可能性をもって働くことを意識されているんですよね。仕組み化や再現性を考えて、がんばりすぎなくて済むようにしたり、がんばりすぎていないか内省の時間を習慣的につくっていたり。「ひたすらがんばる」という手段だけじゃない形で、結果を出している人たちがたくさんいるんだということに気づけたのは、自分の中でとても大きかったです。

皆さんの暮らしのリズムや働き方のリズムを知りたくて、意識的に話を聞かせてもらうこともありますし、ペンギンガレージの中だと、仕事のことからプライベートなことまで日々共有し合っていて、その人の全体像が見えやすいので、間接的に学ばせてもらっていることもあると思います。

ペンギンガレージのメンバーで一泊二日のワーケーション@川崎をした時。
メンバーのけいたさんを撮る梶沼さんを撮ったまつさん(笑)

ーーペンギンガレージは、「仕事でも家庭でもない場所」でありつつ、「仕事のことも家庭のことも、何でもシェアできる場所」であることが、特徴の一つですもんね。

僕、2023年上旬に人生のどん底を経験したんです。離婚し、離職し、うつ病になり……。詳細はnoteで記事に書いているのでそちらでお読みいただければと思いますが。仕事も家庭も失って、何もない自分に残った数少ない心の支えの一つがペンギンガレージでした。

自分でもメンタルが落ちてやばいなって思う時はある程度わかるので、そういう時にペンギンガレージのSlackでアラートをあげると、皆さんが反応してくださいましたし、普段はオンラインでのやりとりが中心ですが、対面で会って話を聞いてくださったり、ちょっとした旅行に連れて行っていただいたりしたこともありました。

仕事のこともプライベートなことも共有しているからこそ、深いところまで話ができて、聞くだけじゃなくて一緒に考えて相談にのってくださる。そういう関係性って本当に貴重でありがたいなと、あの時痛感しました。

ーーペンギンガレージという居場所の力に支えられたまつさん。大変だった時期から1年ほど経ちましたが最近はいかがお過ごしですか?

新しい仕事に就いて、新しいパートナーもできて、メンタル面も悪い状態に落ちることはなくなったなと思います。あそこまで沈んで孤独を味わって、それでも復活できたことが自分にとって一つの自信になっているんです。こうしたら落ちる前に回避できるとか、こうしたらうまくいくっていうのがある程度わかったので、良いサイクルを回せているなと感じます。

もちろんミクロに見れば落ち込んだり反省したりすることもありますが、マクロで見たら上昇できているなと感じます。だから今振り返ると、1年前の経験は自分がすべきことだったんだなと思いますね。今がよくなったからこその結果論ではありますが。

◎次の10年をかけて新たな1つを形にする

ーー最後に、直近の目標であったり、最近こんなことを頑張っているよ、といったことがあれば教えてください。

いろいろあります。仕事に関する直近の目標は、今取り組んでいる新規事業をちゃんと立ち上げまでやりきること、つまりゼロからイチをやり抜きたいというのが一つ。自分はマネージメントに一度失敗しているので、どこかでリベンジして結果を出したいなと思っています。

もう少し長期目線で取り組んでいるインプットが2つあって、1つは行動科学です。「人はなぜその行動をとるのか?」を考える、言い換えれば「どんな前提状況があって、それを人はどう解釈して、どんな行動をとるのか」を分析する科学です。どうしたら人間の行動をハックできるのかを考えるのが面白いですし、仕事にも活かせると思います。

もう1つは、最近四季報の写経を始めました。

ーー四季報を写経(笑)?!

ある人がやっているのを知って、自分も真似してみようと思って。最初はよく分からなかったですが、続けているうちに「儲かっている会社はどういう原理や戦略で動いているのか」「同じ業界でも、利益率が高い会社は何をやっていて、赤字ばかり出している会社はどうして失敗しているのか」といったことが読み解けるようになってきました。

こんな風に"打ち込み写経"をしています

そうやって多くの会社の戦略と結果をインプットしていったら、自分で事業をやる時にも「こういう時はこういう手を打つといい」という仮説を立てやすくなるだろうなと思っています。素振りと同じで、コツコツ続けていくつもりです。

ーーコツコツ積み重ねて育まれる基盤は強靭だと思います!

大学時代に「新しい自分」を歩み始めて、10年かけてそれが一つ「形」になったと感じているので、これからの10年で、次の新しいことを1つ形にできるだろうと思っているんです。

ペンギンガレージの皆さんのおかげで、猪突猛進でただ頑張るのではなく、持続可能に続けるためのコツやヒントをたくさん教えてもらったので、焦らず気負わず、地道に次の10年を積み重ねていこうと思います。

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以上、PENGUIN GARAGEの生体図鑑 第5弾でした!このマガジンでは、今後もユニークなペンギンたちの”生態”をご紹介していきます。ぜひアカウントをフォローいただいて、またお読みいただければうれしいです!

🐧ペンギンガレージに興味を持ってくださった方は
公式ホームページの「お問い合わせ」からご連絡ください🐧

インタビュー&執筆:アーヤ 藍

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