サードプレイスのその先へ 立ち上げから3年半フリーランスコミュニティの今
「実践と学びでつながるフリーランスのコミュニティ」として生まれたペンギンガレージ。2021年1月の設立から約3年半が経ちました。その間に、運営や活動のカタチも少しずつ変化/進化し、コミュニティのユニークさもより際立ってきました。そこで今回は、最新の「ペンギンガレージとは?」をお届けします!
本記事を通じて、フリーランスや一人社長として孤軍奮闘されている方に、ペンギンガレージの存在を知っていただきたい!と思うとともに、「サードプレイス」をも超越した新しいコミュニティの可能性も感じていただけるのではないかと思います。ぜひ最後までご覧ください!
"ユニークな個体"が"群れ"をつくることで生存能力を高める
ペンギンガレージは2021年1月1日に生まれました。発起人は30代フリーランスの古澤恵太と松下清隆。二人は語らう中で「仕事の領域や働き方のスタイルは違えど、フリーランスとして働くことの不安や悩みは共通する」と気づいたのです。
「フリーランスって自由なはずなのに、全然自由になれてない!」
「わかるわ〜〜〜!」
「身体を壊したり何かアクシデントがあったらそれでゲーム終了……」
「恐怖だよね〜」
「ひとりだけでできることには限界が……チームがほしい!」
「チームいいなぁ〜」
意気投合した二人は考えます。
他のフリーランスたちも同じような悩みや不安を抱えているのでは?
フリーランスがそれぞれの専門性を持ち寄り、掛け合わせたら、ひとりで活動するより、もっとおもしろいことができるのでは?
そうだ!!フリーランスの仲間を増やして、悩みや不安を分かち合える&解決できる場を作ろう!!!
そうして生まれたのがペンギンガレージです。公式サイトに載せているコンセプトはこちら。
創業の背景は以下のnoteでも詳しく書いているので、こちらもぜひ→
ちなみになぜ「ペンギンガレージ」という名前なのかというと……
ペンギンは、それぞれの生息環境に適応してユニークな形に進化し、複数の種が存在しています。フリーランスも自分の置かれた場所に適応して生存し、一人一人が多様。それが「ペンギン」を選んだ理由の1つ。
また、集まり群れになることで生存力を高めている点も、今回のコミュニティのコンセプトにマッチしました(群れという性質単体で考えると、ヌーも候補にあがったとか(笑))。
「ガレージ」の方は、「やりたい!」と思ったことを自分たちで作り上げたり実行したりできるような場でありたいという思いからつけられました。名だたるビッグカンパニーもガレージから始まった…という話、よく聞きますよね。
「ペンギンガレージ」、以後お見知りおきを。
具体的にはこんな活動をしています
さて、上記のようなコンセプトをもって走り出したペンギンガレージですが、いま具体的にどんな活動をしているのかというと、
【①内省】【②挑戦&外に向けた活動】【③つながり構築】
の大きく3グループにわかれます。それぞれ詳しくご紹介しましょう。
【① 内省】
ペンギンメンバーたちが、自分自身のことを見つめる時間として、月次と年次で「ふりかえり会」を開催しています。
ふりかえり会で使っているシートは、太っ腹にもウェブサイト上で公開しているので、チェック&活用してみてください!
月次のふりかえり会(60分)では、オンラインでメンバーが集い、このシートに各自15分ほどで記入。残り時間でそれぞれ記入した内容+αをシェアします。
この月次ふりかえり会を12回開催して、蓄積された12回分のふりかえりシートを見返しながら、「年次のふりかえり会」を行います。こちらは基本的に対面で。一年でできたこと、できなかったこと、変化したこと、貫けたこと……などなどをふりかえり、翌年の目標やテーマを各自考えます。
企業に所属していると、日報を出すように決まっていたり、定期的な人事面談が設定されたりしていますが、フリーランスになると、よほど意識的に自分で機会を設けないかぎり、自分自身のことを立ちどまって振り返る機会はなかなかありません。
ペンギンガレージでは、みんなと会う楽しみのもとに集まり、その場で内省までできてしまうわけです。しかも、他者にシェアするとなると、それなりにちゃんと言語化して整理もしますよね。加えて、それぞれ独立したフリーランスだからこそ、忖度や気兼ねなく自由に自分の想いを吐露できるのです。一石三鳥!!
【②挑戦&外に向けた活動】
これは「ラボプロジェクト」と呼んでいます。コミュニティ内で「こんなことをやってみたい!」と声をあげ、それに対して仲間と応援が集まれば、ペンギンガレージの予算を活用してチャレンジできます!ここから生まれたチャレンジを、対外的な発信にも活かしています。
このラボプロジェクトから生まれた1つが、Podcast「ペンギンの団らん」です。もともと営利活動を目的とした団体ではないので、あくまで、それぞれが無理のない範囲で、やりたいことをやっていくことを大切にしています。
一人だけだと踏み出しにくいことも、ペンギンの中では「よし!やってみよう!」となりやすいことは間違えありません。
【③ つながりの醸成】
このパートがペンギンガレージの醍醐味かもしれません。
ペンギンガレージは「ずっと先まで、気心の知れた関係性が生まれる共同態である」ことをビジョンに掲げていますが(このビジョンも立ち上げから1年後に当時のメンバーでのワークショップで更新してできたもの)、この言葉のとおり、心を開いたコミュニケーションが醸成されるような工夫をしています。
● 例1)Slackでの日常的なやりとり
普段ペンギンメンバーたちはSlackでやりとりしています。たとえば「#times_〇〇(名前)」というチャネルはメンバーひとりひとりのつぶやき部屋になっています。「最近こんなことをやっているよ〜」「今こういうことを考えているんだよね〜」など、クローズドなSNSのようなもの。
あとでお話しする「ペンギンガレージならではの関係性」だからこそ、つぶやく心理的安全性が保たれていて、仕事のことも家族のことも赤裸々なやりとりが交わされています。
他にも「#なんでも相談室」チャネルでは、「こういうことを今リサーチしているからオススメ本教えてー!」「旅費規定をつくらないといけないのだけど、みんなどんなふうに作った?」などなど、日常に散らばっているさまざまなお悩みを相談しあっています。
今の時代、インターネット検索にかけたら瞬時に「回答」は出てきます。でも、回答の数が多すぎて正しい情報を見極めるのが面倒くさかったり、自分の境遇をふまえた回答には出会えなかったりしますよね。ペンギンコミュニティでは、個々人の文脈をふまえた、より的確な情報をよりスムーズに得やすいのも魅力の一つです。テクノロジーがどんどん発展しても、やっぱり入り口は「ヒト to ヒト」がいいのかもしれません。
● 例2)合宿&大人の修学旅行
ペンギンメンバーは全国各地を拠点としているため、普段はオンラインでの活動が中心です。……が、やはりコミュニティのつながりを育む上でリアルに会う時間は欠かせません!
ということで、年に1〜2回は小旅行を兼ねた合宿や、視察も交えた「修学旅行」をしています。
オンライン上で普段からやりとりしているからこそ、対面で会うワクワク感はひとしお。そして対面での時間で距離感を縮められるからこそ、オンラインでの日々のコミュニケーションもより円滑に。そんなオフラインとオンラインのめぐりを大切にしています。
ペンギンガレージのユニークさはこんなところ
具体的な活動内容からも「ペンギンガレージらしさ」が浮かび上がってきたかもしれませんが、あらためて、ペンギンガレージならではのこだわりやユニークさをお伝えしたいと思います。
【仕事も家庭も自分のことも、全部を話せる場所】
フリーランスが集まるコミュニティというと、仕事や働き方に関わることだけをシェアする場としてイメージする方が多いのではないかと思います。ペンギンガレージもスタート地点はその意識でした。
でも、運営していくなかで変化していきました。
メンバー一人ひとりの話を聞いていくと、たとえばお子さんが体調を崩したり保育園がうまく決まらないなどといったことがあれば、仕事に注ぐパワーも削られますよね。パートナーとの関係に問題が発生したら、働くモチベーションだって吹き飛んでしまうかもしれません。「仕事のこと」と「家のこと」って本当はきれいに分けられるものではないのだろうと思います。
また、一人で活動し、ある程度決まった領域の仕事をする人が多いフリーランスにとって、「自分の世界を広げる」「新しいことを知る」機会も、自分を成長させるうえで非常に重要です。一見仕事と関係ない本やイベント、時には雑談が、その新しい「芽」になりうるのです。
「職場とも家庭とも異なる場」として「サードプレイス」の大切さが一時期よく取り沙汰されていましたが、ペンギンガレージは「仕事のことも家庭のことも個人のことも全部が染み出た場」であることが存在意義だったのです。
実際、ペンギンガレージのSlackでは、クライアントとの関係構築に関する悩み相談もあれば、子育てに関する情報共有の場としても機能していたり、ワーケーション場所のオススメ情報もあれば、ビットコインについての話題もあがったり……実に多種多様です。
多様なトピックについてやりとりするなかで、一人一人の多面的な「顔」も見えてきて、それがビジョンに掲げる「気心の知れた関係性」を育むのでしょう。
【仕事の関係性も自ずと生まれる、でもそれを目的にはしない】
気心の知れた関係性が育まれていく中で、メンバーそれぞれの得意なこと・苦手なこと、好きなこと・嫌いなことも分かるようになってきて、そこから「仕事を一緒にやる関係性」も生まれてきます。
ただこれはあくまでも、関係性が育まれた結果としての産物。「仕事のチャンスを得たいから」と、結果を目的にしてしまう人はペンギンガレージには合いません。直接的な対価を得ようという姿勢の相手とは、「気心の知れた安心できる関係性」が築かれにくいからです。
ペンギンガレージではこのように、「こうありたい」ビジョンを守るための「これはやめてね」のリストや、「こういう人はこのコミュニティには合いません」というリストも明示しています。
これらも約3年半、いろいろな人がペンギンガレージにジョインしたり、ライフステージの変化で卒業していったりする中で、整理できてきたもの。時間の積み重ねとともに、ビジョンに合うコミュニティへとどんどん進化しています!
そのペンギンガレージの魅力やおもしろさは、とても1本の記事では収められません!今後は定期的にこのnoteも更新していく予定ですので、ぜひフォローしていただいて、“続き”をお読みください!
🐧ペンギンガレージに興味を持ってくださった方は
公式ホームページの「お問い合わせ」からご連絡ください🐧
執筆:アーヤ 藍
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