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地元に戻ってもなんだか寂しい

持病の悪化で、それまで住んでいたマンションを売り、実家近くに家を買った。

生まれ育ったところなので、地元に残っている幼なじみは男女ともに1人ずつ。

男の子は実家が自営業なので、そのまま代替わりで社長になった。今は新しいアイデアをもとに新規事業である筋では有名な人になった。
会うことも難しいぐらいすごい人になっていた。

女の子は、私が今通っている病院の病棟勤務の看護師で、以前は外来の検査室付き添いできていて「やぁー、ぺんちゃん。どうしたん?」と気軽に声をかけてくれた。

最近見かけないなぁと思ったので、受付で教えてもらったのだけれど、コロナ感染防止のために、病棟勤務の看護師さんが外来にくることは制限されているそうな。

その他の仲の良かった幼なじみは、地方へ行ったりしているし、実家へ帰れる距離に住んでいる子は「こっちの方がいいから帰るのめんどくさい」と話していた。

さらにコロナで行き来をしなくなっているし、感染者が増えてきているから、同窓会もできない。

普段は、ほとんどひとりぼっちで私は過ごしていて、たまに実家の両親の体調などを見にいく。両親と喋るといっても、父は前立腺癌の治療でホルモン剤を飲んでいて、副作用でよく寝込んでいる。

母もあまり体調はよくないけれど、家事や料理を作ることで気力を持たせているようなものだ。

このnoteでようやく連絡が取れるようになった、同期と大阪・梅田で会おうかと話が出ていたけれど、感染者増加でちょっとしんどいかもという話になって、LINEで話をするかどうか段取りを決めているけれど、実際に会ってご飯を食べて話がしたい。

実際に会って、ご飯でも食べながら話をして、悩みや面白いことを話せる友達が地元や近くにいなくて、とてもとても寂しいし、しんどい。

ネガティブな話になっているけれど、地元は田舎だし不便だから、みんな便利なところへ引っ越してしまったんだよね。のんびりした環境で、持病も少しは楽になるかと思ったけれど、この寂しさはなんだろう。

地元だから、落ち着くと思ったのに、とても今は心地よくない世界。

気軽に会えない環境になったのだから、順応しなきゃいけないのに、それもできない。

なんて情けない私なんだろうと。

そこへ母はぽそっと言った。

「ペンちゃん、落ち込む必要ないよ。お母ちゃんだって、ここへお嫁にきた時は寂しかったもんよ。ぼちぼちとお友達はできたしね。今は気軽に会えない時期だけど、きっとまたみんなに会えるようになるよ」

そうだった。自宅近くに住んでよくいろいろとお裾分けを持ってきてくれる人がいたじゃないか。今、体調を崩して入院されているけれど、また帰ってきてくれる。

コロナが落ち着けば、また行き来が楽になる。

その時期を今は待とうじゃないか。

そう思うと、気持ちが楽になった。

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