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「調子悪い時見る夢」映画Pt.1

スタジオジブリ新作『君たちはどう生きるか』が中国の映画評論サイトで、「調子悪い時に見る夢見たいだ」と評されていた(多分悪い意味ではない)。それを見て不意に思い出し、ツタヤでレンタル。
この映画を初めて見たのは私が大学1年生の頃。シュールさに唖然とするとともに、「これ映画館で見ればよかった、、、」とめちゃめちゃ後悔したのを覚えている。(その後ちゃんとアニメリメイク版『クー!キン・ザ・ザ』をアップリンク吉祥寺まで見に行ったのにまんまと寝てしまった。)

私にとって「調子悪い時に見る夢」映画の代表作といえばこれ。あとパプリカとパーフェクトブルー。


ーネタバレありー

社会主義批判について
所々に社会風刺が含まれている、と聞いていたので改めて意識して見た。ただ私の旧ソ連時代の知識が乏しすぎて、階級社会?社会主義国の物不足・異常な物価?くらいの朧げなことしか読み取れなかった、残念、、。以下推測。
①PJ=スターリン:惑星プルックにおける為政者で、国民が熱狂的に支持しているところから連想。
②エツィロプ=官僚階級?:当時は結構権力持ってたって聞いた。
③水不足=物不足
あっているかは自信ない。

あと人の本性がとてもよく描写されていると感じた。
まず善。やっと地球に帰れるチャンスが何度も巡ってきてるのに、それを捨てて、自分を幾度となく騙したウエフとビーを助けるマシコフさん、いい人すぎて途中からちょっとイライラしてくる。
あとは欲。ウエフやビーは何回もマシコフさんとゲデバンに助けられてるくせに、騙すことをやめない。「マッチ命」と揶揄されていたように、地球人にとっては低価値なものを血眼で欲するところに滑稽さが滲み出ている。
こう見ると、無欲=善・欲=悪 見たいな構図にもなってるな?と思った。でもこれはどちらかといえば資本主義体制の批判になってるからちょっと違う。

疑問点について
解釈できてないことがいくつか。
①階級制度:なんでプルックに階級を作ったんだろうか?
ただとても印象に残っているのは、ゲデバンが階級制度批判をした際の、ウエフの「緑かオレンジかほど、明確な違いはないじゃないか。」というセリフ。
判別機が緑に光るか、オレンジに光るか、そこに明確な理由がないにも関わらず盲目的に従うところに、区別の滑稽さと無意味さが表現されていると感じた。

②惑星アルファ:わざわざ4人をアルファに連れて行った意味とは?
ここにもしかしたら社会主義批判が隠されているのかもしれない。
惑星プルックは欲望に塗れた「汚い」国だったけど、アルファはその逆でみんな無欲で「きれい」。これは理想的な社会主義が表現しているのではないだろうか。
そしてあえてその不自然さ・人間味のなさ(?)を嫌って星を去ったところに、社会主義体制に見切りをつけているという意味を込めたのではないだろうか。

③PJの建物(?)内で入浴してる男の人たち:これまじで誰?何見せられてるの?

好きなシーン
①「最後の息」:所々地面から風船生えてるなと思ったら、お墓らしい。その人の最後の息を風船に込めて、その人が生きてた印にするのちょっとロマンチック。
②入浴シーン:ほんとに意味がわからない
③囚人収監してる棺桶(?)みたいなのが、ジェットコースターみたいに滑り出てくるとこ:このシーンなんかすごい好き。これこそ調子悪い時に見る夢に出てきそう。

あとシーンじゃないけど、マシコフさんとゲデバン、最初めっちゃプルック式挨拶するの渋ってたのに、最後の方めっちゃ進んでやってるの可愛い。郷にいれば郷に従え?

ーーー


まとめ
世界観もシュールで面白いし、色々考察しながら見るのも楽しい。
最近尾崎世界観さんとラランド西田さんのラジオで、「好きな映画聞かれたら何て答える?」って話してたけど、私もし取材(それこそ面接)とかで聞かれたら、かっこつけてこれって答える。
ほんとはトイストーリーとAKIRAが一番好き。


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