台湾情報 - 台湾政府が配る「振興三倍券」とは？

こんにちは、ペンシルです✍

日本では「特別定額給付金」や「Go Toトラベルキャンペーン」など、政府による新型コロナウイルス感染症に関連する取組みが話題になっていますが、台灣朋守（ペンシルの台湾現地法人で「たいわんぺんそー」と読みます）のメンバーから、台湾政府の取組みに関する情報が。近い国ながら、新鮮な情報が盛りだくさんです。

振興三倍券とは

日本では、新型コロナウイルス感染症対策の特別定額給付金10万円が大きな話題となりました。

同じように台湾では、政府が配っている「振興三倍券」も話題になっています。今回は、その「振興三倍券」の詳細を紹介したいと思います。

「振興三倍券」とは、台湾政府が新型コロナウイルスの影響で大きなダメージを受けた経済の活性化を図るため、2020年7月1日から、消費を刺激する目的で発行しているものです。消費者が台湾元1000元を自己負担で支払うと、その三倍となる3000元の消費をすることができるため、「振興三倍券」と名付けられています。

簡単にいうと、3000元（約1万円）のクーポンが、1000元（約3,500円）で購入できるということです。

現在、台湾国民に「三倍券」という愛称で呼ばれています。

三倍券は紙の三倍券とデジタル三倍券の二種類があり、使用期限は二種類とも2020年7月15日～2020年12月31日です。

紙の三倍券なら、札の構成は200元札5枚と500元札4枚です。

振興三倍券の予約方法

予約の方法は3つあります。

1、公式サイトで予約
https://3000.gov.tw/
上記の公式サイトで身元確認の手続きを済ませたあと、紙やデジタルで出力することを選択できます。

2、コンビニで予約
台湾の4大コンビニ（セブンイレブン、ファミリーマート、Hi Life、OK Mart）のマルチメディア機で予約。

３、郵便局で予約
7月15日以降、直接郵便局の貯金カウンターにいって、引き換えることができます。

また、デジタルの三倍券は、3つの決済方法に紐づけることができます。

１、スマホ決済：PayPayやLINE Payのようなもの
アカウントと紐づけておき、3000元の消費をすると、8日後、2000元をアカウントに払い戻しを受ける、あるいは、直接2000元をATMで引き出します。

２、電子マネー：SuicaやICOCAのようなもの
使うカードを実名登録しておき、3000元消費をすると、8日後、2000元を登録したカードに払い戻しを受ける、あるいは、直接2000元をATMで引き出します。

３、クレジットカード
クレジットカードを紐づけておき、3000元消費をすると、8日後、2000元を次回請求から差し引きする、あるいは、直接2000元をATMで引き出します。

続いては、三倍券にからめた広告や販売促進の状況をレポートします！

政府の紹介サイトがCOOL!!

台湾政府の紹介サイト
https://3000.gov.tw/
販促用のLPですね。とてもわかりやすくイラストや文字で飾ってあります。

振興券が受け取れる郵便局の地図
https://3000.gov.tw/hpgmap/
他にもコンビニなどでも受け取ったり、銀行口座に入金することもできます。

国民が理解しやすいように、このクーポン券が発表されたときから「三倍券」という愛称をつけてPRしていました。

施策は次から次に発表され、制度がどんどん変わるので、追いつくのが大変ですが、様々なバックグラウンドを持つ国民全員にできるだけ理解させるための工夫が多く、マーケティング視点でみてもかなり勉強になります。

振興三倍券に便乗したPR合戦

前回のピンクマスク運動（*）と同様、今回も振興三倍券に便乗した、消費のPR合戦が始まっています。

見つけた広告クリエイティブをいくつか紹介します。

*疫病対策本部に寄せられたピンク色のマスクをして学校に行ったらからかわれたという男の子の相談を受けて、記者会見で対策本部のおじさまがたがピンク色のマスクを着用し「かっこ悪くなんかないよ、大丈夫だよ」と発表したことにより、各台湾企業が同調し、公式サイトのロゴをピンクに変更した運動

１、山田養蜂場

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※每張振興優惠券，限使用一次！

全民拚振興！立馬使用優惠券>>https://pse.is/THT2F

こちらは、山田養蜂場のFacebook広告。
広告文では、優待券での割引だけでなく、優待コードもつけてさらに安くなることをアピールしています。

２、Forest Beauty

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こちらは、Forest Beautyという化粧品ブランドの広告。
優待券をさらりと紹介し、既存の割引に誘導してます。
振興券は、既存の割引と併用できるようです。

３、ペットショップの広告

こちらは、LINE@で流れてきたペットショップの広告。
1500元の振興券を使うと1600元の商品が買えます。
振興券は、合計3000元分を500元のバラで配布されますが、併用して使うことができます。よくあるクーポンと違い、最低利用金額などはなく、本当にお金と同様の扱いを受けます。

三倍券以外のクーポンも発行

台湾政府は三倍券だけではなく、各政府部署と共同で他にもお得なクーポンを出しています。

１、農遊券：
250元でレジャー農場や農協で出品される農産物の購入に利用可能。

２、動滋券：
500元でジムやスポーツ試合、スポーツ用品、そして電子機器などにも利用可能。

３、藝FUN券：
600元で博物館、本屋、映画館、CDやDVD屋、舞台劇やミュージカルのチケット購入で利用可能。

４、浪漫客庄旅遊券：
800元でHAKKA「客家」文化のお店や宿泊施設とお土産屋で購入、利用可能。

以上のクーポンは限定数量で発行しており、公式サイトで登録後、抽選で獲得できます。成果があるかどうかはまだいえないですが、国民の消費意識を上げようとしています。

さらに、電子決済アプリでも振興券関連のコーナーがあり、連携店のクーポンがもらえたりします。

（番外）台湾の電子決済について

台湾国内での電子決済は、大きく分けて以下の4種類。

・銀行系（銀行アプリに通帳やクレカが繋がっているもの）
・コンビニ系（コンビニアプリに銀行が繋がっているもの）
・交通カード系（悠遊卡，一卡通：銀行と繋がっている）
・アプリ独立系（街口，LINEpay，歐付寶，台灣pay：銀行と繋がっている）

外国人でも居留証があれば電子決済に登録できるので、使うようになってかなりお財布が軽くなりました。

例えば「街口支付」
https://www.jkos.com/

使い方は、バーコードを出してレジで読み取ってもらうか、お店のQRコードを読み取って金額を入れて支払います。

また、アカウント間でのお金の送金も可能です。

街口はいろんな会社や商店と連携していて、買い物するたびにポイントが貯まります。

PChomeやmomo、蝦皮商城など日用品を購入する機会の多いモールやセブンイレブンやファミリーマートなどのコンビニ、頂好超市やJasonsなどのローカルスーパーも提携しています。

それぞれのサービスで還元率が違うので、できるだけ還元率の高いところを利用し、多くのポイントを貯めるようにしています。

また、公共料金の支払いにも利用ができ、毎月引き落とし設定も可能。
公共料金でもポイントが貯まります。

さらに良いところは、台湾の宝くじ付きレシートを電子發票（電子レシート）として取り込めることです。

政府に申請した自分のアカウント番号を登録しておけば、決済時に自動で政府のデータベースに情報を連携してくれます。

紙のレシートの場合は、一枚一枚数字のチェックが必要なのですが、この方法だと当たったらメールで通知され、設定している通帳に勝手にお金が振り込まれるので便利です。

UberEatsや配車アプリの機能もあります。

台湾では、同様な作業ができるLINEpay、台湾Payと街口で３分されてる状態。

みんなそれぞれのライフスタイルに合わせて使いやすいものやお得なアプリを使いこなしています。