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親離れしたい子、子離れしたくない親

私と両親の間に入ってくれていた姉から、「もう私には無理。ストレスがかかりすぎて限界だ」と連絡がきた。

私は今連絡をとる余裕がないから、姉を通してくれと話していた。姉も、できる限りは協力すると言ってくれていた。

そのおかげで私への連絡は激減していた。代わりに、事あるごとに姉に連絡がいっていたらしい。

「両親の気持ちも妹の気持ちもわかるから、何も言えなくて辛い」と。板挟みにさせてしまっていた。

姉には無理をさせたくないし、「もう無理だ」と、駄目になる前に伝えてくれてありがたい。両親はやっぱり理解できていないようだから、専門のカウンセラーさんから話してもらった方がいいと思う、とアドバイスもくれた。

姉に見せてもらった母からのLINEには、「一生会えない気がして寂しい」「どうしてこうなったんだろう」「父は泣いていた」「また潰瘍ができるかも」。父は昔、仕事のストレスで胃潰瘍をやっている。

私に来た母からのLINEには、少し理解したような口調があるものの、「様子を聞きたかったけど我慢していた」「時々でいいから連絡したい」。

どうしても欲求をぶつけたいらしい。

こういう感情を、なぜ子供にぶつけるのか。その時点でおかしいんだろうなと思う。きっと、身内にも友達にも、プライドがあって言えないんだろう。そのプライドを子供に向けてほしかった。

父も母も、仕事ではうまくやっている。外面がいい、という言葉に近いのかもしれない。内である家庭内でも、一見平和に見える。けど、確実に欠けているものが多い。

子供を愛しているかどうかではない。愛されているとは思う。そこじゃない。

一人の人として自立していたか、ということ。

感情をコントロールできない二人の間で、大人になるしかなかった私。

外に出れば必ず言い合いをする二人を見続けて、私は一緒に出かけるのが嫌になった。あれこれと理由をつけて、外出も、たったそのへんの外食も避けるようになっていたのを、気づいているはずもないだろう。

私は、「聴覚過敏」を理由にしていたから。

これも嘘じゃない。刺激の多い場所は一人でも避けるし、聴覚過敏があれば、外出は「楽しみ」より「我慢」になることの方が多い。

それを理由にすれば、何も言われないし、誰も傷つかない。

「あなたたちが言い合うところを見たくないから」と伝えたところで、何十年もそれでやってきてる両親はどうにも変わらないし変われないと思う。

父と母の間でそれが成立してるんだから、私が口を出すことでもない。ただ、私はそれに付き合うことはできない。

相性が悪い。たったそれだけのこと。

だから状況を理解している私が距離をとることが一番平和だし、早い。私に余裕ができれば、あなたたちのことも、「この人たちはこういう人だから」と流せるようになるだろう。

それまでの間ぐらい、耐えてほしい。私が27年間耐えてきたより、ずっと短いはず。あなたたちはお互いで支え合えるんだから。夫婦なんだから。

本来夫婦で支え合って乗り越えていく問題を、子供に頼ってきたんだよね。寂しいなんてこと、姉にぶつけるよりも二人で話してくれよ。

子供を愛してくれるのはありがたいけど、子供を生きがいにはしないでほしい。その重荷には、私は耐えられない。

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