ボランティアの動機
2013年5月2日
目覚めたのは午前1時ころだった。MASTERS AT WORKの「OUR TIME IS COMING」というMIXCDを聴きながら昨日の日記と今日の日記を同時進行で書いている。それと同時にHotmailとFacebookのチェックもやっているので少々忙しい。Hotmailはそうでもないのだが、Facebookでは「Ms」の宣伝もやっている。その点では、ボランティアで「Ms」の営業部長をやっているみたいだ。
ボランティアというと、今から12年前の2001年にインドのダラムサラというヒマラヤの麓のチベット人の町にボランティアでCADを教えに行ったことがある。ダラムサラはインドのヒマーチャル・プラデーシュ州にある町で、ダウンダラムサラとアッパーダラムサラの2つの町があり、アッパーダラムサラはマクロードガンジと呼ばれ、1959年にダライラマ14世が多くの同胞とともにチベットから亡命して以来、チベットの亡命政権が置かれていることで広く知られている。
マクロードガンジから山沿いの道を4kmほど行ったところに、元々、1960年に道路工事に従事していたチベット難民労働者の子供たち51人を預かる乳児院から始まり、今ではインド各地に7校が運営され、乳児から18歳まで約15,000人の子供たちが学んでいるチベット子供村(TCV)があり、そこに建設部門があった。私の仕事は、その建設部門の設計エンジニアにCADを教えるというものだった。このあたりのいきさつは既に「インド旅行記」に書いてあるので、それを参照されたい。
https://note.com/pema68/m/m02a62e940f6c
私がボランティアを始めたのは、チベット本土に行った1998年からである。その当時、私は東京の新宿にあるダライラマ事務所にチベット語やチベット仏教の講座に通うなど頻繁に出入りしており、ダライラマの誕生日のパーティ-や、ダライラマ来日の際の受付業務などをボランティアでやっていた。
それだけではない。同時にロンドンに国際事務局のある国際的な人権団体であるアムネスティインターナショナルのチベットチームのボランティアもやっていた。やっていたことは、定期的に発行されるチベットニュースレターの発行や製本、発送の手伝いをやっていただけである。しかし、その活動をしているときは、私は喜びに包まれていた。
何故、ボランティアなのか?それは恐らく大乗仏教の利他心を学んだからだと思う。それまでは、私はどちらかというと自己主張の強い人間であり、利益に基づいて生きてきた。ところが、チベット仏教に触れてみると、そうした自分本位の利己心が溶解し、他者のために何かをしたくなるようになっていたのである。
利他心とは般若経の「空」の思想とともに大乗仏教のエッセンスである。自身の成仏を求めるにあたって、まず苦の中にある全ての生き物たち(一切衆生)を救いたいという心、つまり大乗の観点で限定された菩提心を起こすことを条件とし、この「利他行」の精神を大乗仏教と部派仏教とを区別する指標とする。私はこの思想に捕らえられた。
行動に金が介在するとそれはもはや純粋な動機を離れて利己心に囚われた心に支配される。人間は本来、動物なので見返りを期待する。ところがその見返りの有無や、見返りの質によって我々は怒りを始めとするネガティヴな感情に支配されてしまう。果たしてそれが幸福な心の状態と言ええるだろうか?
最初の動機は人のためと思っていても、それは次第に自分の幸福に結びついていく。それがボランティアだ。ボランティア活動は、古典的な定義では自発(自主)性、無償(無給)性、利他(社会、公共、公益)性に基づく活動とされるが、今日ではこれらに先駆(先見、創造、開拓)性を加えた4つをボランティア活動の柱とする。また、一方、ボランティア活動がそれに参加する個人の自己実現の場として機能する自己実現性を持つことも知られている。
私の今の自己実現は、経営者でも関係者でもないのに、くだらないかもしれないが、「Ms」という立ち飲み居酒屋を居心地のいい場所、多くの人が憩いの場として利用してくれるように宣伝することであるのかもしれない。頼まれもしないのにFacebookで「Ms」のページを作ってしまったのだもの・・・
ボランティアに取り組むことは、自己成長の可能性が高められるなど、人生を充実する活動の一つでもある。また、アメリカでは、州によって高校生、大学生の時期に5000時間ほどボランティアに従事するとキャリア形成につながるというシステムがある。ボランティアを募集する機関とボランティアをしたことを認定する機関や認定資格者が制度的に確立していて、一定の活動条件を満たした場合に本人にボランティア認定証が発行される。この認定証がホスピタリティの高い人材であることの証明となり、大学への進学や就職活動において、ホスピタリティが必要とされる学部、職種に従事したいものへの能力評価の一定条件となっている。人生に行き詰まっている人はボランティアをすることで、人生の突破口を開くきっかけになるかもしれない。
いつものように午前4時になった。仕事の時間である。帰りにはいつも変わらず「バーリアル(BARREAL)糖質50%オフ」500mlを2缶買って帰る。ありきたりな毎日。私も知らず知らずのうちに人生に行き詰まっているのかもしれない。それを突破してくれるのが「Ms」かもしれない。「Ms」の人間模様はいつも楽しみだ。
今日もまた「グランフロント大阪」に行ってみた。「うめきた広場」の地下にあるマンハッタンで20年続く「THE CITY BAKERY」はアメリカの人気ドラマである「セックス・アンド・ザ・シティ」の舞台になっているだけあって人気で、長蛇の列が出来ていた。ベーカリー&カフェは酔っぱらいには関係ない。興味があったのは南館6階の紀伊國屋書店であるが、だだっ広い店内にしてはチベット関係の書籍が少なかった。その他ファッションには興味がないので帰ることにする。
今里までたどり着いて、「SAKE市場グランマルシェ」で「SUPER PRIME 糖質50%オフ」ml1缶を買って友人の部屋で飲んで、今日もまた「Ms」に繰り出した。
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