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久里浜式アルコール症スクリーニングテスト

近所のスタンディング居酒屋の「Ms」から帰ってきたらちょうど午前0時になっていた。ぼちぼち9日の飲酒日記でも書こうかと思ったのだが、8日の日記を書いていたらいきなりミスして削除してしまい、もう一度最初から書かなければならなくなった。
「Ms」から帰ってきてからは1杯も酒を飲んでいない。素面である。飲みたいという気持ちはあるが、買いに行ってまで飲みたいとは思わない。そこが重度のアル中とは違うところなのだろうか?疑問に感じることは山ほどある。
特定非営利活動法人アスク(ASK)アルコール薬物問題全国市民協会が発表しているセルフチェック(CAGE)をやってみると、
1.あなたは今までに、飲酒を減らさなければいけないと思ったことがありますか?
2.あなたは今までに、飲酒を批判されて、腹が立ったり苛立ったことがありますか?
3.あなたは今までに、飲酒に後ろめたい気持ちや罪悪感を持ったことがありますか?
4.あなたは今までに、朝酒や迎え酒を飲んだことがありますか?
30代前半までは、このセルフチェックが全て当たっていたのだが、今は違っている。
1.に関してはアルコールの適量がわかっているので適度に飲んでいる。大抵いい感じに酔ってきたらそこで終わりにする。それ以上は飲まない。早朝4時に仕事があるときなどは仮眠したいこともあり、帰宅してビールの500ml缶を2本ほど飲む時があるが、例外である。まあ、焼酎をロックで4杯が多いのかどうかわからないが・・・。
2.については批判されるほど飲んではいないし、腹が立ったり苛立ったりすることもない。大阪に帰ってきた頃、小杉クリニックというアルコール依存症専門クリニックに通院していた時は、ちょっとの飲酒でも責められ、それがとてつもないストレスに感じたものだが、今の主治医は酒を飲むなとは言わない。逆に、少し位の飲酒でストレス発散や抑うつ状態が改善されるなら勧めるほどだ。ただし、飲み過ぎないようにと言われるが・・・
3.については全くない。昔は自宅で一人の時に飲むことが多く、孤独感から深酒してしまって自己嫌悪に陥ったことが数知れずあったが、今はつい飲みすぎた後の二日酔いと禁断症状に悩まされているだけで、飲酒に対して精神的にネガティヴな感情は持っていない。サラリーマンだった頃は酒ほど憎い存在もなかったが、酒ほど愛していたものもなかったのではないだろうか?
4.についてはたまにある。それは寝る前に飲んでいたアルコールが残っている場合に限ってだが・・・
このセルフチェックでは二つ以上該当したらアルコール依存症だという。そうだとしたら今の私はアルコール依存症ではないのか?正常な大量飲酒者とアルコール依存症者を区別するのにコントロール障害が言われているが、今の私は時々失敗して飲み過ぎることはあっても、日頃はコントロールして飲んでいる。30代前半は、毎年のように精神病院のアルコール病棟に100日間も入院していた筋金入りのアル中だったのだが、ここ数年は一度も入院していない。しかも日常的にアルコールを飲みながらである。
かつての私は完璧にコントロール障害に陥っていた。仕事の過労とストレスから泥酔するまで大量飲酒し、朝から焼酎の麦茶割を2~3杯飲まないと会社へ行くのが苦痛で仕方なかったほど精神的に追い詰められていた。また、アルコールが切れてくる頃には発汗、吐き気、手の震え、頻繁な下痢に襲われて仕事どころではなくなり、午後の2時や3時ころに仕事の打ち合わせに行ってくると嘘をついて自宅に戻り、また焼酎の麦茶割を2~3杯飲むということの繰り返しだった。習慣飲酒どころの騒ぎではなく、アルコール依存症末期の連続飲酒を繰り返していた。ところが、会社を辞めてストレスから解放された今では問題飲酒がない。インドに行っていた時には3ヶ月一滴もアルコールを飲まなかった。それについては私自身が驚いている。果たしてアルコール依存症のリハビリテーションプログラムは効果があるのだろうか?よく言われることは、アルコール依存症は、治癒はないが回復できる病気だということである。しかし、どこの病院でも、どこのクリニックでも断酒しなければ回復はないと言われる。私自身、ちょっと飲みすぎてしまうと手のふるえ、発汗(特に寝汗)、不眠、吐き気、嘔吐、血圧上昇、不整脈などの早期離脱症状群が出現するので立派なアルコール依存症者なのだが、断酒はしていない。それにもかかわらず正常な日常生活は送れている。これは一体何故なのか?
本題に戻ろう。今日もまた夕方の17時半ころに「Ms」に行ってきた。今日の酒量はトマトチューハイをジョッキに4杯である。それ以上は飲まなかった。もちろん酔っ払うような量ではない。それでもいつもの習慣で顔馴染みをワイワイ言いながら飲んでいると21時前になっていた。楽しい時間は直ぐに過ぎるもいのである。酒の肴に一品頼んで会計が1100円。生活に支障をきたす金額ではない。1100円で3時間半粘ったのである。昔のジャズ喫茶状態だ。
帰宅してこの日記をまた書き始め、夜食のラーメンを食べて、この日記を書くにあたって資料をネットで調べていたら「独立行政法人 国立病院機構 久里浜医療センター」のホームページにたどり着いた。「アルコール依存症の治療プログラムが新しくなります」と書かれてあったので興味があってみてみると、相変わらず従来の断酒と集団精神療法(ミーティング)、作業療法、自助グループへの参加、認知行動療法である。
認知行動療法だけが目新しかったので調べてみると、
1.わかりやすく、親しみやすくすること
2.実際の断酒生活に役立つことを目的としてアルコールを避ける生活の送り方、酒の誘いの断り方、飲みたくなったときの対処法、止めていたのに飲んでしまった時の対処法など、より具体的で実践的な内容となること
3.断酒することで増える自由な時間の過ごし方、ストレスへの対処法、カッとした時の対処法、楽しい生活の送り方といった生き方そのものを見直していただくきっかけになること
認知行動療法は、従来の行動に焦点をあてた行動療法から、アルバート・エリスの論理療法や、アーロン・ベックの認知療法の登場によって、思考など認知に焦点をあてることで発展してきた心理療法の技法の総称である。認知行動療法は、うつ病、パニック障害、強迫性障害、不眠症、薬物依存症、摂食障害、統合失調症などにおいて、科学的根拠に基づいて有効性が報告されている。また自殺企図を半分程度に減少させる。専門家によって実施されるほかに、こうした技法はマニュアル化できるため、セルフヘルプ・マニュアルのように自身で行うこともできる。コンピューターCBTと呼ばれるパソコンプログラムとの対話も存在する。コンピューターCBTは、施術者の不足する地方で有用である。第三世代の認知行動療法には、マインドフルネス認知療法、アクセプタンス&コミットメント・セラピーなどがあり、うつ病や不安だけでなく、疼痛にも効果が見られている。境界性パーソナリティ障害に特化された技法は弁証法的行動療法であり、これは瞑想の技法と認知行動療法を組み合わせたような構成である。

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