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リクエストミニエピソード(1期)

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2022年7月の記事一覧

クロの日

クロの日

著:宮沢龍生
お題:伊佐那社が日頃の感謝を込めて夜刀神狗朗に手作り料理

「母の日と父の日があるんだからクロの日があってもいいんじゃないだろうか」
 そんなシロとネコの言葉に“また変なことを言い出したぞ”とクロは思ったが、とりあえず彼らに任せることにした。
 二人は相談しあって、九月六日(安直にクロと読めるから)を“クロの日”と勝手に決めた。そしてこの日、クロに感謝の意を表明するため、クロが普段こ

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RED HOT VACATION

RED HOT VACATION

著:来楽零
お題:《吠舞羅》の夏休み

 川のせせらぎが耳に心地よく届く夜、草薙たちはテントの前で焚き火台を囲んでいた。
 赤熱する炭が組まれた焚き火台の網の上では、草薙がダッチオーブンで炊きあげたパエリアと、丸一本のフランスパンに切り込みを入れ、ベーコン、トマト、タマネギ、オリーブ、チーズを挟み込んでアルミホイルで包み炭火で焼いたホットサンド、スキレットの中でクツクツ煮える、ニンニクのきいたオリ

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BBQ in the 《jungle》

著:鈴木鈴
お題:磐舟天鶏主催BBQ

「BBQ、やろうぜ!」
 磐舟のその一言から、すべては始まった。
「……いきなりなにを言い出すの? イワさん」
 お肌の手入れをしていた紫が、訝しげに問う。磐舟はビールを一口飲むと、口の端の泡を拭きながら言った。
「いやあ、もうそろそろそんな時期だろ? 川べりに出て、お日さまの下で肉を焼きながらビールをグイっと――ああ、考えただけでたまらねえ!」
「あのなあ

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不均衡な福利厚生

不均衡な福利厚生

著:宮沢龍生
お題:セプター4の健康診断

 セプター4の重要性を警察庁や総務省、財務省などの国の諸機関は熟知していた。なにしろ他にストレインによる異能犯罪を取り締まれるアビリティを持った組織が存在しないのだ。
 火事や泥棒、急病人が発生すればそれに対処するための訓練を受けた消防隊員、警官、救急隊員などの公務員が日本全国に万の単位で存在する。
 しかし、ひとたびストレインが問題を起こせば、首都に存

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合い席

合い席

著:あざの耕平
リクエスト:八田伏見が小洒落たバーに行ったお話

「ったく。なんだよ鎌本の野郎。最近つき合い悪くねえか?」
 一軒目で早々に引き上げた鎌本に、八田はグチグチと文句を言った。明日早いという事情は聞いている。とはいえ、終電まではまだ時間があるのだし、もう一軒ぐらいと思っていたのだ。
 正直、まだ少し飲み足りない。いつもなら草薙のいる《HOMRA》に戻るところだが、生憎と本日は休業だった

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なにもしない日

なにもしない日

著:鈴木鈴
リクエスト:とある日の平坂道反

 平坂道反の日常は、危険と多忙をきわめている。
《jungle》のuランカーとして任務を行うときもあれば、平坂道反個人として仕事を請け負うこともある。そのいずれもが、潜入や破壊工作といった、非合法かつ一歩間違えれば命を失うこともある危険なビジネスだ。
 平坂はプロフェッショナルでありながら、組織に所属していない――平坂に言わせれば、《jungle》は

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草薙出雲の入院

草薙出雲の入院

著:宮沢龍生
リクエスト:《吠舞羅》と病院

 草薙出雲が入院した、というニュースはひどく錯綜して吠舞羅内を伝わった。翔平が聞いたのはハードワークによる過労で、出羽が聞いたのは付き合っている女性から二股の疑いをかけられて腹を刺されたというもので、鎌本はバーで出すカクテルの研究をしすぎた結果(主に大量のあんこ)というものだったが、実際のところは交通事故による骨折だった。

二人の若造

二人の若造

著:来楽零
リクエスト:2期後の伊佐那社と宗像礼司

 全人類が一時的に異能を得た事件――皆が『一月の異能騒ぎ』と呼ぶ事件以来、人々にとって異能の存在はひどく身近なものになった。
 もはやそれは都市伝説の中のものでもなんでもない。《非時院》と《セプター4》、それと繋がる政府と警察が内々に処理できるものではなくなり、現在は異能関連の情報の共有と法律の整備が急務となっていた。
「今月の異能関連事件のレ

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One night in the dark

One night in the dark

著:壁井ユカコ
リクエスト:伏見猿比古と八田美咲の停電の夜in伏見邸

『大型で非常に強い台風が今夜遅くから未明にかけて関東地方に上陸する見込みです。帰宅時間帯の鉄道ダイヤが乱れるおそれがあります。不要不急の外出は控えるよう気象庁は注意を呼びかけています……』
 強まる風雨の中を根性で自転車を漕いで伏見の家にたどり着いた八田は強風に半ば背中を突き飛ばされて玄関に転がり込んだ。
「ふいー、ひでぇ目に

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代理店長十束多々良

代理店長十束多々良

著:宮沢龍生
リクエスト:十束が店を経営したら

 草薙出雲の骨折によって、バーHOMRAの入り口に臨時休業の張り紙が貼られて数日。十束多々良は一つの決心をした。
「いやあ、ここは俺がちょっと頑張らないといけないかな。草薙さんにはいつもお世話になっているし」
 彼はほぼ日課となっている草薙出雲のお見舞い(お土産・手作りカレー)に赴いた際、切り出した。
「草薙さん。いつまでも店を閉めているのは良くな

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風雲! 礼司城

風雲! 礼司城

著:鈴木鈴
リクエスト:アイドルK《プロモーション・セプター4》の番組『秒読み解散、疾夢隊』で高視聴率だった回

 ロケバスの中には、重苦しい沈黙が立ちこめていた。
 車内にいるのは、《プロモーション・セプター4》の人気ユニット、《疾夢隊》の面々だ。ライブのときには華やかに照らし出される彼らの表情は、しかし一様に暗く沈んでいた。あるものは目を閉じ、あるものは天井を見上げ、あるものは足下を見つめてい

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流刑と贖罪

流刑と贖罪

著:高橋弥七郎
リクエスト:ヒンメルライヒ号と御柱タワーから見える星または月

 佳月を空に認めた時、二人の《王》は互いの話を思い出す。

 研究所を兼ねた教会の前で、彼らは冴えた月夜を見上げていた。
 アドルフ・K・ヴァイスマンは、視線を月に据えたまま、首をグリグリ回している。どうやら、目に映る凹凸模様の印象を変えようと試みているらしい。
(仮にも『天才』と呼ばれる科学者のすることか)
 そう、

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みんなでカラオケ

みんなでカラオケ

著:宮沢龍生
リクエスト:もしも白銀のクランのみんなが菊理たちとカラオケに行ったら

 雪染菊理をカラオケに誘って快諾を得た時、三科草太は心の中で特大のガッツポーズを一つした。朝の情報番組で牡羊座の運勢は、特に恋愛運は最高だと言っていた。
〝好きな子には押しの一手だよ〟
 信じて良かった朝の情報番組。ラッキーカラーが青だと言っていたので青いシャツを着てきた甲斐があった。告白をして盛大に玉砕して以来

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