絵本『だれでものいえへ』ongoing project vol.09
クライアントがやってきた02
ヒアリングを企画にしていく
vol.08では浜園さんと、『こども応援ネットワークPine』について、ざっと説明しました。
vol.09では、時間を浜園さんがペレカスブックの仕事場にやってきた2023年の暮れに戻します。
「明日のこども食堂の準備が終わらなくて」
予定の時間より少し遅れて、息を切らせてやってきた浜園さんは、
両手いっぱいにバームクーヘンとおせんべいを持っていました。こども食堂のおやつになるのね。
ここからじっくりとヒアリングすることになります。
ヒアリングのコツは、相手の目の前で相手に見えるように、ヒアリングの内容をメモや図にしていくこと。これは当たり前のことかもしれないし、ペレカスブック独特のことかもしれません。
今回は浜園さんこと『こども応援ネットワークPine』に熱量があるだけでなく、明確な目的があり、クライアントの輪郭がはっきりしていたので、『探る』ような作業はありませんでした。
早速浜園さんを前にして、ヒアリングした内容を文字や図形にしていく作業が始まります。
さて、メモの取り方ですが。
これはペレカスブック独自のやり方かもですが、全ての仕事も勉強も思いつきも、1冊のクロッキー帳に書き込んでいます。
絵描きの本屋ペレカスブックを始めたのが2016年。
2024年時点でクロッキー帳は7冊になっているので、1冊のクロッキー帳につき、だいたい1年分のあらゆることが書き込まれています。
ほぼ毎日開き書き込み続けているノート。
この記事のために過去のノートを引っ張り出すと、昔某雑誌で企画していた芝犬特集のために、浜園さんに取材したページがパタリと開きました(5年前)。
どんなモノでも使い込むと魂が宿るというけれど、このノートも生きてるのかも、なんて思いました。
そしてこちらが浜園さんとの最初の打ち合わせのメモノートです。
『こどもの幸せを願う』を軸に、『こども食堂』『Pineこども応援ネットワーク』のための制作物をHP・カタログ・冊子の3つに分けたことがわかります。
この冊子が、以降に絵本企画に育っていきます。
ノートは毎日の書き込みで日記のように進んでいくので、その後はペレカスブックで進行中の別のプロジェクトの中に紛れて、新井がPineの制作物について考えているのが、あちこちに散見されます。
実際に制作に入る前の、こういう部分が結構時間がかかります。
また、「さて、考えるぞ」と構えてアイデアが浮かんでくるものでもないので、工数は計りにくいんですよね、、、。
ともあれ思いつきは、その都度浜園さんに時間をいただき、方向性の確認をして進めていきました。
そして最終的に企画書と見積もり書に仕上げます。
企画書と見積書
今回は、Pineをとりまく環境と実現したいものを、まずは文章化してみました。
『自分が全体を理解しているか』の確認作業・Pineとの共有作業でもあります。
次に文章を企画書化します。
この段階では制作してみないとわからない部分も多いんですよね、、、。
見積書化は、町の紙加工工場に応援をお願いしました。
それから浜園さんと『必ず作り上げる』約束を交わしました。
次回は『まずはこども食堂のマップを作る』について書きたいと思います。
つづく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2024/09/25
ペレカスブック新井由木子
記事の制作公開は、編集者土井章史さん、クライアントこども応援ネットワークPineさんのご了解をいただいています。
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記事:ペレカスブック店主イラストレーター・デザイナー:新井由木子
ペレカスブックは埼玉県草加市の小さな書店。
実店舗は2023年5月にクローズ。新店舗を持てるように奮闘中です。
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