絵本『だれでものいえへ』ongoing project vol.18
ひたすら描く(7月)
さて、ここからはほんとうにいよいよ原画を制作します。
ただただひたすら描くだけなんですけど。
編集者 土井章史 さんに、作画制作開始のオッケイをいただきました。
「やったー!」と声を上げたのを覚えています。
まずは絵の具で色のゲージを作ります。
水彩紙に方眼を引き、ラフ画を描き写します。
樹木の緑色を考え中。
今回は夜の物語。
夜空の色を考え中。プルシャンブルーかナイトブルーかで、悩みました。
悩むと言ってもストーリー作りを悩むのとは違って、とにかく手を動かせば良いのだから、悩みは深くありません。
ほとんど全てのページにある、おばけの進む『道』はアイボリーイエローに決めました。
はみ出したりしてもアクリルガッシュは塗り重ねれば下の色は消えるので安心です。
緑の丘→青い町→黄色い町を描きます。
ページをめくったときに読者に驚いて欲しいと思って、力が入ります。
黄色い町には後に登場する50匹のおばけを描きたくて窓をたくさん作りましたが、こんな町、怖すぎる。
塗り重ねて描き直します。
塗り重ねるのをやめて、新しい紙に描き直しました。
原画にトレーシングペーパーをかけて、編集者土井さんに会いに行きます。
土井さんに特に聞きたいことは、全ての町が合体するシーンの描き方についてです。
作家で食べて行くのは茨の道だと思う。
どんなに力を注いでも、売れなければ生活費が稼げないから。
でもどんな職業にも、いいところと辛いところがあって、絵を描くことはそれ自体が最高に楽しいことだから、もうそれで幸せすぎる。
この環境に感謝して、絶対世の中の役に立つ、こども食堂のためになる絵本を作ります。
つづく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2024/10/30
ペレカスブック新井由木子
記事の制作公開は、編集者土井章史さん、クライアントこども応援ネットワークPineさんのご了解をいただいています。
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記事:ペレカスブック店主イラストレーター・デザイナー:新井由木子
ペレカスブックは埼玉県草加市の小さな書店。
実店舗は2023年5月にクローズ。新店舗を持てるように奮闘中です。
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