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本棚に住むコミュニティナースができるまで 後編

前回、数々の運命的な出会いから
駅前本棚を借りたところまで書いたが

その時点で、私はまだコミュニティナースではなかった

↓本棚を借りるまでの話はこちら

R5.10月に駅前本棚を借りてから コミュニティナースになるまでのお話

試行錯誤する日々

借りたてホヤホヤの本棚


好きな本 素敵な本 読んでみてほしい本
ざっと並べただけ

パッとしない


ひとつひとつの本はとても素敵
選んだ理由はそれぞれある
なのに、ただ本棚に並べただけじゃ伝わらない
誰かが手に取るまでにも至らない

これじゃ、何か発信しているつもりになって自己満足してるだけだ

客観的に自分の棚を分析する


とりあえず
生活を看るひとという曖昧かつ、ふわっとしたキャッチコピーを自分につけたが、同業者で興味がある人しか本を手に取らないだろうし

運良く手に取ってもらったところで
関わりしろが謎すぎる
選書の意図もわかりにくい
popが無いとかキャッチが薄いとかの問題じゃない


置かれっぱなしのチラシのようなもので
誰かが手に取ってくれるのを待つだけじゃ何年やっても同じだ


本棚の背景の一部になりたくない
中身のある本棚、中身以上の本棚にしたい

作り直し!

まちの人たちは何をしに本棚を訪れるのか?

面白いこと探し? 暇つぶし? 自分探し?
誰かとつながりたいから?
どんな人が利用する?

この辺のリサーチが必要

やったこと
・本棚にユーザーとして通ってみる
・他のメンバーの活動やお店番に参加してみる
・まちのひとの暮らしの動線、興味を知る

自分自身の持ち味も出す
職場の特性上、本名での活動ができないハンデを背負いつつ、できる範囲で自分を表現する

目標点も明確にして
自分の戦闘力も把握したい

地域で活動されている同業の方にコンタクトを取ったり、会ってみたい人には片っ端から会ってみる、気になる場所には行ってみる

コミュニティナースとの出会い

いろいろ事例を調べていく中でコミュニティナースという活動に辿り着いた

コミュニティナースの概要はこんな感じ

・暮らしの中で地域の人と接点を持ち
楽しい!嬉しい!元気!を届ける地域活動

・コミュニティナーシングという地域看護に着想を得た活動

・保健師や在宅医療がカバーできない領域を看る、資格では無く活動の在り方のことを指す

・戦略的に地域の中で暮らしに溶け込んで、人と人とを繋ぐ

・ガソリンスタンドや温泉や地域の食堂など、人の暮らしの動線上、いろいろなところに活躍の場がある

・住民と関係性を構築しつつ、必要に応じて看護の専門性を出していく

つまりは、まちを上手く回すひと

レコードを途切れなく繋いで自由自在にフロアの熱気を操るDJのような印象を受けた

まちを上手く回す
これだ! と思った

インターフェースが楽しい!嬉しい!というところにもグッときた

私がやりたかったのは これだ

運良く内容が求めていた答えとハマって
夢中になって勉強しコミュニティナースの出発証を手に入れた

ただの施設ナースから
コミュニティナースたまちゃんに進化した

棚をどう使うか

コミュニティナースの活動は100人いれば100通りある。

多種多様で、そこがよかった
マインドさえ押さえれば自由に組み立てて実践できる良さがある

本棚を拠点にしているコミュニティナースはきっと私が1人目

前例がないから作れば良い
お手本になるまでやり切ってみよう 
そう思うとセルフリスペクトで気持ちが上がり、本棚との向き合い方も変わってくる

なにかヒントを得たくて、時間があればシェア本棚や私設図書館を回ってリサーチしていたのもこの時期だ

老舗と呼ばれる本屋から
シェア本棚まで
話題の本屋も
昔よく行っていた本屋も
いろんなところをまわってみる

とある本屋に入った時に、
店内ラジオがかかっていることに気がついた

ちっちゃなスピーカーから、ほんわかゆるゆるっとしたテンションで手作りのラジオ番組が流れていた

(お持ち帰りもできますと書いてある)

ふむふむなるほど、YouTube配信なのか!
QRコードを貼って…
これなら私も作れそうだ

いいなと思ったことはどんどん取り入れたくなる

奥行きのある本棚へ
たまのお店番ラジオ
の誕生である

自分の本棚にラジオのQRコードを置いた
そこからアクセスできる仕組みを作った
(このコードには、ちょっとした仕掛けがしてあるのだが、そこは秘密)

制作にあたってはプラットフォームを白いハコのマキさんに教えてもらい、
機材については本棚メンバーのTAKEさんに相談した

お試しで収録してみた分が、まあまあ何とかなったので、そのままの収録スタイルで今も続いている

旗をあげろ

R5.11月 申し込んでいた、未来をつくるkaigoカフェのファシリテーター講座に参加した

主に介護に関わる職種の対話の場、集いの場をつくるという趣旨のカフェだ

以前から本棚のお店番企画で何かするなら対話のカフェもいいかも
そう思って参加した

研修はオンラインで2日間
座学から実践までを丁寧に指導される

仕事が終わってから すっぴん+メガネ+パジャマで1リットルのパック牛乳をずびずび飲みながら慣れないzoomと睨めっこ

講義の最後

さあ、2月までに1回でも自分のカフェの場を作ってみましょう!

2月にまた報告会です

との指令が出た

つくる場の形式や内容は自由

これは…
まずはやってみて旗をあげろ
ということだなと解釈した

私以外の受講生は皆んな各地で既に地域活躍されている強者揃い 

これは絶対やり遂げて
3ヶ月後、びっくりするような逆転劇を発表したい!!

やるなら勝ち戦をしたい

そう思った

ここで、何となくの構想であった
お店番保健室につながっていく


みんなの保健室

さっそく、お店番の企画を作った

この街には医療機関がやっている、まちかど保健室的なものはあっても、暮らしの合間にさくっと雑談利用できるような気軽な保健室はまだ無かった

まず旗をあげてみよう結果はそれから
みんなの保健室

暮らしの保健室を立ち上げよう

介護に限定せずに間口を広くしよう
暮らしの保健室なら困りごとの内容を限定せずに対応できる

ここまできたら後戻りできないぞ、と
告知分を作って最後に投稿をタップする手が震えた



本棚に飛び込んだ時を思い出す

やってみたい、じゃ何も変わらない

まずやる

お店番みんなの保健室の告知を出した
3枚作った

開催にあたって、
コミュニティナース研究所と
未来をつくるkaigoカフェの力を借りた

近隣の暮らしの保健室のコミュニティナースさんにも話を聞いてもらい企画を練った

なんとか内容を整理整頓しようと試みたが
どうにも整理がつかなかったので結果、3本柱にした

みんなの保健室→暮らしの保健室的な意味合いもあるが、本棚や、まちの人とリンクさせていく社会的処方の面を持つ。自由でオープンなスタイル

コミナスラボ→まちと人とを良い感じに繋いでいくコミュニティナースの企画室的な役割。専門職の地域活動スタートアップ支援(基本、一緒にやってみるスタイル)

お店番ラジオ→雑談や告知など。本棚やsnsで私を知ってくれた人たちと楽しむコンテンツとして企画。夜勤多めのシフトでライブ配信が困難な状況でも稼働してくれるし、県外のリスナーさんとも繋がることができる

立てた柱は3本とも、とりあえず今もしっかり立っているのでひとまずよかった

いろいろありつつ今に至る

ここまでがざっと、R5.10月から12月である

その後もジェットコースターのような怒涛の日々!

駅前本棚コアキナイに参加させてもらったり
保健室でみんなの意見やアイデアをシェアしたり
トークイベントでnote復活してみたり
本が循環する素晴らしい奇跡を感じたり
絵本づくり教室で表現を学んだり
これもほんと一生の財産
マルシェに遊びに行ったり
新しい企画ではラジオドラマ録ってみたり
県外の人と知り合えたり
やってみたかったこともできた!
走り切った駅前本棚 第1期(途中からだけど)

途中で立ち止まらなくてよかった
駅前本棚と出会えて良かった

人と人との掛け算
ものすごいスピードで展開していく半年間

勝ち戦が結局どうなったかって?
ええもう!最高な価値!
(関係各所に発表もちゃんとできました)

保健室の内容は守秘義務で書けないけれど
私と関わってくれた人たちが元気になっていくのが最近とても嬉しい


お隣さんより凡人、今にも追い越せそうに見える
のが私の関わりしろで持ち味だと思っている

特別な才能や資格や、秀でた何かが無くたって、
私のように、やってみればできることがたくさんある 

やるかやらないかだ

この記事は、ただの私の活動記録のようなものだけれど、自分も何かできるかも!と、ヒントになったらいいな

第2期も 私らしく挑戦と成長し続けたい

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