円陣

一足飛びコミュニケーションが組織を壊す(1)

 noteマガジン「パートナーシップを磨く」は、日本中の人々が、日ごろの体験に引き当てながら「パートナーシップ」について深められるフィールドです。
 パートナーシップのあるコミュニケーションが日本中に広がり、イキイキと働く人、しあわせに生きられる人が増えることを心から願って、研修・セッションも依頼を受けて提供しています。

 連投101日目。

 一足飛びコミュニケーションってなに?と思われた方もいらっしゃるでしょう。造語ですから、初耳で当然です(笑)

 いわゆる上司を飛び越したコミュニケーションのこと。例えば、平社員なら、係長に言うべきところを、いきなり課長に話をもっていくということですね。

 今日は、飛ばされる側の話をしましょう。

 一足飛びするパターンは2種類あります。

 平社員A、係長B、課長C、と3人の登場人物がいるとしましょう。
 一つは、平社員Aが、係長Bを飛ばして、課長Cにコミュニケーションをとるパターン。要するに、上に一足飛びするパターンですね。
 もう一つは、課長Cが、係長Bを飛ばして、平社員Aにコミュニケーションをとるパターン。こちらは、下に一足飛びするパターン。

 飛ばす側には、それなりの背景や意図があるのかもしれませんし、何の考えもなく飛ばしているのかもしれません。いずれであっても、職場内にパートナーシップのあるコミュニケーションを広げるために、一足飛びコミュニケーションをすると、飛ばされた側にはどんな影響があるのか?を観ておきましょう。

 飛ばされると何がおきるのか?

・「え?なんでわたしを通してくれないの?」と疑問がわく
・「わたしの面目が丸つぶれじゃないの」といら立ちがわく
・「なんか、わたし必要とされていないのかしら…」と疑心暗鬼におちいる
・「わたしに対して不満でもあるの?」と相手への不信感がわく
・「なんかやりづらいな…」と相手とコミュニケーションがとりづらくなる
・「そっちがそうくるなら…」と相手にイヤな思いをさせたくなる
・繰り返し、何度もうらみつらみのように考える時間が増える     等

 もう、こんなことが起きてしまったら、悪循環が始まるのは時間の問題です。だから、なんとしても、こういうことが起きることは避けたいところです。

 また、一足飛びにされる事情も様々です。
(下から上へ一足飛びするパターン)
・いくら言っても動いてくれなかった
・問題提起していることが解決されないので、仕事がしにくい
(上から下へ一足飛びするパターン)
・現場の状況が一向に改善されず、指示が社員に届いている感じがしない
・間接的な報告では状況が把握できないから、直接確認したい

 ただ、中には、「話しやすいから」という個人的な理由で一足飛びすることも考えられます。課長C(平社員A)に言っておけば、係長Bにも伝わるだろうと考えて、悪気なく一足飛びすることもありえます。

 いずれにせよ、上に一足飛びしようが、下に一足飛びしようが、飛ばされた人には飛ばした相手への不快な感情は湧くし、そう簡単に綺麗さっぱり忘れられるというものでもないでしょう。
 この不快な感情の正体って、恐らく、「ないがしろにされた感じ」が大きいんじゃないでしょうか。

 裏を返せば、一足飛びに飛ばされても、日ごろから頼りにされている感じがあれば、一度や二度一足飛びされても、気にならないのかもしれません。

 となると、飛ばされた人が、日ごろから頼られるように、信頼が得られるように、行動を選択をしているかどうかが、カギになると言えそうです。あくまでも可能性のひとつですけどね。

 「直接、わたしに言ってくれたら良かったのに・・・」と飛ばした相手を責めたくなる気持ちがあるのは承知します。それはそれであってOKです。ただ、このことを繰り返し起きないようにするためには、「自分が言いにくさをつくっているとしたら?」という自分に対する質問を、ポケットの中に忍ばせておくことが機能しそうです。

 自分が相手に言いにくさをつくっているとしたら?

・社員が相談に来た時に、顔も見ずにナマ返事を返している
・「もう少し様子を見よう」といって、何度もあがる問題を解決せずに置いている
・上司からの指示を現場につたえきれずにいる
・自分の仕事でいっぱいいっぱいになっている  等

 こう考えてみることで、自分に扱える現実が浮かび上がるでしょう。そのアクションがパートナーシップの源泉になるかもしれないのだから、違いをつくってみる価値はありそうですね。

記事に価値があると認めてもらえることは、何より嬉しいですし、とても力づけられます。いただいたサポートはパートナーシップの価値が大きくなる使い方につなげます。