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酒という選択肢なき青春

2024.04.24
ペギンの日記#24
「酒という選択肢なき青春」


「いいよなぁ高校生。酒に逃げられないんだから」
誰かが言っていた言葉をふと思い出す。

仲良くなりたい奴とは飲みに行けばいい。腹を割って話したいなら飲めばいい。相手の素性を知りたいなら飲ませればいい。辛いことがあったら飲んで忘れてしまえばいい。眠れない夜は酒を眠剤にすればいい。好きな人と飲みに行って、酔ったことを言い訳に告白してしまえばいい。

大人はすぐ酒に逃げれるからさ。羨ましいよ、高校生。酒がないだけで色んなことを苦しめるんだから。

その人は、そんなようなことを言っていた気がする。誰が言っていたことなのか、思い出せないのが本当にもどかしい。

この言葉を初めて聞いたときの私は、一体どんな思いでこの言葉を受け取っただろう。腹が立っただろうか。何を言っているのかわけがわからなかっただろうか。早く大人になりたいとでも、思っただろうか。

今の私は、この言葉をどう受け取ったらいいんだろうか。
急に何の前触れもなく思い出した誰かの言葉。
なぜこのタイミングで思い出すのだろう。

でもきっと、今の私に必要だと思ったから、私の脳が気を利かせて、脳の奥の方から引っ張り出してきてくれたのだろう。
だとしたらやっぱり、これは私への応援メッセージだ。嫌がらせの言葉ではない。たとえそれを記憶したときの私が、肯定の意味で受け取っていなくても、この言葉は今の私にとって、凄く肯定的な言葉だ。

高校生の私。酒に逃げれないなら、その分苦しんでやる。もがいてもがいて、大人が出せないようなカッコイイ解決策を見つけてやる。自分たちしか味わえない青春を、もっとしっかり苦しんでやろう。

酒という選択肢が無いからこそ見える世界を、今はもっと楽しみたい。

大事な言葉、思い出してくれてありがとう、私。



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