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本当のことで話そう4 社会福祉士が言っちゃだめなやつ 入所契約

この記事は、社会福祉士になりたい人に向けて書く。

社会福祉士を持ってて介護医療院で支援相談員をしているので、それについてだけは書ける。

で、できるだけ具体的に書くので、自分の参考になるように飲み込んでほしいという記事だ。

1 申し込み 2 検討 3 判定 4 入所契約 5 生活・請求 6 退所

の順番で書いていく。

今回は 4 入所契約 について書く。

4 入所契約

入所契約は施設ごとに最も特色が現れるコンテンツだ。

必要な書類がなんであり、それが制度に準拠されている内容だとか、施設の種類が違うとここが違うとか、過去に書類の不備でこんな判例があってとか、この段階でターミナルの話しとくとか、加算と関係した書類は別にあって相談員の仕事が増えてて手数料取れないとかいろいろ聞かれるとこだが、全部、どうでもいい

なぜ、契約をするのか?

普通に答える時、施設を使う上での色々を納得したよって約束を証明するため、となるだろうか?

こんだけのものを、これだけの料金で提供するよって約束を証明するためだろうか?

それは確かに契約が持っている側面のひとつで、大切なことではある。

だが、大方の場合それを意識する場面はやってこない。

そして、厳密にはその効力は、契約を交わした同士の目論見次第で如何様にもなってしまう。

つまり、書類に不備を指摘して「 契約に効力はない 」、と主張しようとしたら、どんな内容の書類でも最終的にはその主張が通ってしまう可能性があるということ。

逆に、事業所側が利用者に対して不都合な部分を明確に説明していなくても、「 解釈の仕方が違っていたから 」、とか言い出して事業所側の主張を推す材料にもできてしまう、ということ。

これは分かりづらいが、物事がもつれて契約の『 約束の証明 』を意識する場面では、そいつを覆す努力をお互いにしている状況になるので、結局効力はないのである。

拗れないためのすり合わせ

本当にお互いが約束を守ろうと考えているなら、書類を読んで書くだけで終わるだろうか?

そのために一緒に色々決めとこう、と普通はなるわけだ。

利用者(家族)と事業所がお互いの都合をすり合わせる場面を作ることが、契約という行為の一番大きな効力なのだ。

そのクオリティを上げるために、社会福祉士にできることがあるとすれば、それは契約書を作る段階での努力だ。

もしくは、すり合わせがうまくいってないのであれば、今の契約書を改良するための努力だ。

説明を厳密にとか、わかりやすく明るい声でとか、相手の質問に打てば響くように、とかそんなこと意識しても良い契約には全くつながらない

契約を取るよ、って家族と顔を合わせている段階では、もうできることは殆どない。

そこに書いてあるなんだかもやもやする部分を、なんとなくうまい言い方でふわっとやり過ごすように、工夫して話すぐらいのことしかない。

契約のクオリティはどこでわかる?

お互いに都合をうまくすり合わせるためにはどうしたらいいだろうか?

それがスムーズにできて、かつ入所中には、この時のすり合わせを振り返って使えれば、十分なクオリティの契約ができたと俺は考える。

契約は施設ごとに全て違っている。

でも、同じ部分もある。

書類になんと書いてあるかは知らないが、同じ部分もある。

要は国やら県やらで決まってて、施設の裁量でどうにもならないところがそれだ。

料金でもサービスにかかる費用の自己負担分(1-3割)は点数が決まってて、施設では変えようがない。

他にも、薬代払うから好きなの飲ませてよ、と希望されてもそうはいかない。

薬代は施設が負担することになってて、施設の裁量でそいつは変えられないから、どうしてもと希望なら家で見るか、特養に絞るか、病院と交渉して粘れ、とかロクでもないことを教えることになる。

さて、では施設がコントロールできるのはなんだろうか?

いろいろあるが例を上げる。

1実費でもらう費用の扱い・2病院行くとき

この辺がわかりやすいかもしれない。

1 実費でもらう費用の扱い

施設を使う費用の中で、介護保険に該当するものとそうでないところがある。

そうでないところとは食費・居住費・雑費がそれだ。

コイツラは例外を除いて介護保険は手伝ってくれない。

例外というのは、食費や居住費が特定入所者サービス費を使って減額できる人だ。

こういう人は本来の〇〇円の食費が必要でも、650円/1日や390円/1日まで安くなる。

で、利用者さんが払った650円と給付を合わせて1300円ちょい/1日になるように、給付が介護保険から出るようになっている。

さて、その減額がかからない人の食費についてだ。

俺の施設では1700円/1日であるが、誰が決めたのか?

うちの施設が設定している。

裏には地元の施設の事務長が一同に介して毎月行っている事務長会で、「 おたくんとこはいくらにするのよ 」、と話を合わせて大体同じ値段にしてるので、完全に自由とはいかないが、法律では何も制限されていない。

それと、減額を使ってる人たちの事情も合わせて考えると、あまり高い値段を取りすぎると施設は困ることになる。

例えば5000円/1日の食費をとったとする。

すると、3食でおよそ5000円くらいの食事は出さないといけない。

1300円ちょっとしかもらってない人たちにも、同じようにそういう食事を提供しないといけないので、返って損になる。

というわけで無茶苦茶なことはできない。

居住費も数字は違うが同じように考えてもらいたい。

この、「 制度を突き合わせて・他の施設と話を合わせて・不都合のない食費を決める作業 」、これだって契約のクオリティを上げる一因なのだ。

ていうか、この場合は説明する相談員がこれを知ってるかどうかだ。

うちは1700円なんすよ~、だけじゃなく、なんで1700円やねん、というのを説明できるかどうかは、意外と契約に相談員がどう携わっているのかを図る指標になるかもしれない。

もっと相談員にとって身近な、「 契約のクオリティを上げるための努力 」としては、雑費の扱いをどうするかを透明化する作業はわかりやすい。

雑費の中身は、ティッシュやウエットティッシュなどの日用品代・洗濯代・電気代とか、そういうものである。

これらも介護保険では手伝ってくれない部分だ。

さて、雑費代でごちゃっともらって全部施設がしたらいいじゃん、と思う。

俺はそう思う。

だけど、県によっても違うかもしれないが、それはなしなのだ。

例えば日用品についてうちがどう扱っているかだ。

ティッシュなら○円/1日で何枚でも、ウエットティッシュなら△円/1日で何枚でもと、うちで使ってる日用品をリストにして一つずつ確認するようにしている。

この上で、130円/1日を貰えば少なくともこのリストは全部補充できるし、もしリストにないもので必要なものが出たときにも、用意できるかもしれないよ、そこはその時話し合いです、ということになっている。

細かくてセコい感じがするが、実はこれが利用する人と事業所のすり合わせの部分では大いに役立っている。

何故か。

それは、日用品について事業所がどう扱っているか、明確に説明できるからなのだが、利用者・家人に対してではなく、職員に対して説明ができる、ということが重要なのだ。

具体的な例を説明するにはややこしすぎてうまくいかないのだが、とにかく、「今施設で使ってる日用品・これだけは大体必要だよっていうリスト」、これをどう扱うのか、を透明にしていないと、ティッシュ一つでも誰が準備するのかに迷い、職員はその疑問を相談員に持ってきて、相談員は実際決まってないから答えもできず、ティッシュも用意されないという意味不明な自体を引き起こす。

ていうか引き起こした。

そこで、当時精力的に施設の内情を改良しようと動いていた事務次長と結託して、消費税が変わるタイミングで大きく透明化する為に今の形を構築した。

すると、それまで何を管理していても、物がなくなったとき一々どうやって準備するかに困ってた現場に、これだけを管理したらなんとかするぜ、と言えるようなったのだ。

つまり、お金もらって施設補充のひとと、家人が補充の人を分けて管理。

そして、家人補充の人は在庫を管理・施設補充の人は物品請求して出してくれ、というやつである。

さて、ここまで構築できたら後は相談員のやりたい放題だ。

おい、コラ相談員、ティッシュがまだ来てねえぞどういうことだ、と介護の人が怒ってきたとする。

やかましい俺にも家族にも都合がある、全てがうまくいくかバカタレめ、いいから施設補充のやつを一つ出しとけ、家族の損にはならんのだから後から帳尻を合わせろ、ということすらできるようになるのだ!

で、これを稼働させるためには契約でしっかりと説明し、家人にもこのやり方のメリットを伝えることが重要であり、それをすり合わせと言うわけだ。

だが、油断していると寝首をかかれる。

つまり、一日○円でティッシュ何枚でも? 1日130円でこのリスト全部? 高いんじゃねぇか?! というやつである。

たしかに、高いと感じる場合があるし、実際の使い方では家人が補充するより高くなってしまう場合が多い。

だが、手数料が入ってるなんて答えたら、これはだめなのである。

実はそのほうが納得してもらえるだろ、と思わんでもないが、手数料はとっちゃだめなのだから、これは言えないのだ。

そこで、事務の人間に働いてもらったことが効いてくる。

当時、このやり方を一緒に構築してくれた事務次長は、県とメールで何度もやり取りし、この方法、この値段で問題はないか?! ということを確認し、問題なしの回答をもらってから実施に踏み切っている。

これがあるのとないとでは、施設が組み立てている料金の扱いに対して家族が感じる透明度は全く違う。

まあ、説明するときに「県が良いつったんすよ」とだけ伝えては返って角が立つので、県に確認をした上で、施設で日用品を扱う中では、これくらいかかるだろうとの予想をもとに料金を作ってて、現実と予想が食い違うことはあるんです、あたりでお茶をにごす。

さて、契約のクオリティを上げることは、このように家人とのすり合わせをうまくすることだけでなく、施設の内情を改良することにもつながる。

むしろ同義なのだ。

この件は当時まったく乖離していた事務と現場をつなげていくことにもつながっている。

つまり、あれが欲しいこれが欲しいと現場が訴えても、事務はつっけんどんにするばかりで何も動かないという状態が変わるわけだ。

これは事務が意地悪していたわけではなく、組織的につながっていく術を作れていなかったことによる。

話し合いを持つためのお互いのすり合わせが、事務と現場でできていなかったのだ。

だって、日用品にしたって何が一日に使われているのか、最低限のリストすら、持っていなかったのだからだ。

事務どころか現場すらが、持っていなかったのだ。

これでは、物品のためにお金を動かす土台が無い。

で、日用品について事務と一緒に現場の内情をすり合わせたことで、現場も事務が動いていくために用意しなければいけないものがある、ということをなんとなく感じ始めた。

すると、相談の始まりが、これがないじゃない?! という怒りから、準備してもらうためにはどうしたら良いのか、という根回しに変わりだす。

自分の例では、契約書を作る段階、または改良する段階で、クオリティ向上のための情報集めと、問題提起が相談員の仕事になった。

それと、現場と一緒に契約を作るといっても、やはり職員の中にキーマンが出てくる。

またその契約書の文章を編集する人間はどうしても決まってる。

そいつらと仲良くしなければいけない。

厳密に言えば、契約の内容は個人で違ってくる。

それぞれ違う事情を抱えているし、減額を使う、使わないだけでも細かくいったらべつの契約内容になっている。

例えば入所中にほぼ一人だったキーマンが急死することだって有る。

で、こういう時にいくら想定して事前の話し合いをしてても、結局はパーソナルな事情が出てきてその都度契約内容を、関係者で突き合わせて見直しが必要だ。

そういう時には契約の内容を握ってる人、つまり事務長や事務次長、更には理事長あたりと仲良くないと、スムーズにことが進まない。

ていうか、仲の悪い職員が居たら仕事がやりづらくて仕方ない。

演技でも良いからいい人を装って(もちろん俺がいい人なわけがない)、彼らにとって都合のいいヤツになっておいた方が、いざという時に自分の都合もよい。

まあ、これは俺の場合はである

契約書は事務が作り、そこで契約した内容で現場が動くのだから、現場のことを踏まえた内容を事務が作ってなかったら、いくら書類にこぼさずサインを貰っても、その契約は、家人と事業所で何のすり合わせも行えていないわけだ。

2病院行くとき

施設から病院へ行くときには数パターンが有る。

熱とか症状があって、Dr. が必要性を認めたらまず家人へ状態説明と併せて意向確認する。(IC.を段取りする)

で行くことになったら受診になるってのが一番多い。

こうじゃなければ「今行く必要はないけど、予約をとって検査をしたい」という場合。

基本はさっきと一緒であるがもっとゆっくりしたパターン。

予約までの間に何かが有る可能性も有るが。

で、急変・救急対応がある。

いずれも、契約書にこの場合はこうするとか書いてある事は殆ど無いだろう。

でも、このことについて家族と話をするのは、契約書の説明をするときだ。

もちろん事が起こったときにも、どのように対応するかの確認はするのだが、こういうときにはこう動く、というのをある程度伝えておく。

ていうか、ここはよく聞かれる。

緊急の場合とか、熱が出たりして病院行くときなんかはどうするの? という質問は定番だ。

というわけで、俺の感覚としては入所してる人が病院とどう関わるかのすり合わせは、契約行為の一部なのだ。

他の施設ではどうだか知らんけど

さて、ここで相談員が意識しなきゃいけないことはなんだろうか?

病院に行く場面をパターン分けして、それぞれの動き方を把握しておく? 

例えば熱が出たら施設でできることをして、効果が無いようなら本人の回復力に期待して安静にするのか、病院へいくのかの相談を家族とするとか、救急搬送することも有るからその場合は事後の報告になることも有るし、できればすぐに搬送先に来てもらって、何があったか聞いてもらって……とか。

一日でも入院になれば退所扱いで、復帰を待つときもあるが大体は埋めてしまう。

だから回復した後に希望してもらえるなら、入院先の病院も無理を押して部屋が空くまで待ってくれることがある、とか、そのへんのことを説明できるようにしとくことだろうか?

それは重要なことだし、家族に説明するのは実質その部分だろう。

だから、これは説明できないと自分が困る。

そして、パターンに当てはまらない時もスムーズに動けるように普段の根回しが必要とか、そういう話になりがちだ。

これはどうでも良くはないが、面白くはない

結局、面白いのは” 金 ”の話だ。

病院とのやり取りについて、施設で巻き起こることをスムーズにするために、相談員が本当に意識しなきゃいけないのは、家人には説明しないようなことだ。

つまり、入院ではなく、受診だけで終わったときの支払いについて。

これが整理されていないと、こじれにこじれる原因になりかねないのである。

とにかく病院にはまず「 受診 」。

で、その結果で必要なら「 入院 」、これが基本中の基本だ。

入院になるときには、「これは入院だな」と大体は分かってしまうものである。

で、「本当は入院でとって欲しいけど、この症状だととってくれないな」というのも分かってしまうのだ。

これは、今日相談員をはじめた人にはなかなかわからないと思う。

俺も、Dr. や看護師と相談しつつでないと確信は持てないし、最終的には受診後の決定である。

でも、入院や受診の場面にそこそこ関わってないと、そういう会話を持つことすらも難しいのではとは思う。

なんで受診だけなのか? 入院なのか? を予想する必要があるのか?

入院になったら部屋が空くから次を考えなきゃ? 確かにそれは重要だ。

でも、それより今は目の前がもっと重要だ。

どうやって動いたら受診できるか? 入院の時に必要な準備は? とかは施設によっても、受信する相手でも違うので、ここではどうでもいい

さらに言えば、「 入院 」になるのなら、面倒はない

入院になった時点でその利用者さんは今日、退所して、支払いも本人・家人で全て持ってもらえば良いからだ。

ところが、「 受診 」はそうはいかない。

ウチは介護医療院だが、老健でも入所者が「 受診 」する場合は支払いの内訳が大変ややこしい。

詳しく説明すると青本や赤本をコピペになるので極限までかいつまむ。

「 受診したと時にやったこと 」にかかった費用のウチ、家族が払う部分と、施設が払う部分が同時に存在する。

一回の受診料金を、施設と家族で分け合って払う、という事態が起こるのだ。

老健の場合、超例外はあるかも知れないが、全ての受診がこの形だと思ってまず問題ない。

でも、介護医療院の場合は、「 受診でやったこと 」の内容によっては、全部家族で払う場合と、施設も混ざって支払う場合に分かれてしまう

だから、相談員の仕事としては、まず受診が決まったら即座にその旨を請求など担当してる医事の人間に伝える。

やつは大抵、「なんで受信するのよ?」と聞いてくる。

お前の知ったことか、と答えたいが、この裏には上記の事情があって、受診の理由によってはその段階で「 全部家族支払い・一部施設支払い 」がだいたい分かる場合があるから、こういうことを聞くわけなので、丁寧に答えとく。

で、受信する。

入院にならなかった場合、支払いについてのあれこれが発生するわけだ。

さて、この受診で何をヤッてたら家族に全部任せるか、施設が一部持つのか、うちの場合は判断を事務長にあおいでいる。

判断基準に触れるなら、さらに裏の事情を話さないといけない。

家族に全部払って貰う場合は、「 その日もらえる施設サービスに関する報酬 」が「 半分 」になる。

所謂、減算が発生して、儲けが半分になるのだ。

「 受診した入所者さんに関するその日の設けが半分になった 」としても、受信料を払っちゃうよりは特になる、という場合に、家族に支払いをお願いする。

受信料がとても安くて、これなら払っといた方が施設の得だ、という場合には施設が払うというわけだ。

つまり、受診が終わってみないとどっちを選択するか決められないのだ。

しかも、この事情は大抵の場合、受診する病院は分かっていない。

もし分かってる人(事務長とか)がいるとしても、こういう理由だから受診料安くあげてね、とDR. と話し合ってる訳はない。

この事情を相談員が分かってないと何が起こるか。

まず相談員に、その受診でどんなことをしたかを意識する心構え、がなければ、案件を終結するまでに「 医事 」が取り持つ工数は格段に増えることになる。

だってこの事情を相談員に説明するところから始まるし、最終的には何をしたのよ、と受診先の医療機関に自分で聞かなきゃならなくなるかも知れない。

相談員がこの事情を把握していて、受診中の段階からなにしとるの、と意識を向けていれば、受診が終わった時におおよその対応は検討し、方針が定まるので、雲泥の差があるのだ。

まあ、大抵受診察すると、最低でも血液検査、レントゲンあたりは取ることになる。(これらをしないと病院もあまり設けがないという事情も)

こうなると受診料は高くなり、普通は家族に払ってもらうことが圧倒的に多いが、検査をしてたかどうかが全くわからないのでは話にならないし、もし医事が最終確認で先方へ連絡するにも話のスムーズさがだいぶ違うわけだ。

さて、事情を加味せずただただ受診をしちゃった場合に、医事からどんな不快感を向けられるかなんとなく分かってもらえるだろうか?

果たして問題は医事との人間関係だけであろうか?

そんなことはない。

ウチのDr. はこの事情をしっかり把握している。

ていうか、介護医療院のDr. でこれを知ってない人はあまり居ない。はず。

ウチの場合はDr. は管理者でもあり、儲けを生み出す責任を持っており、つまりは受診にしたって何にしたって、とにかく色々を安くあげたい

これはマイナス面に見えるが、この人が「 儲けなんて良いや 」と考えた時に、ウチの施設は終わりを迎えることになる。

だから、利用者さんの利益と同時に物事を安くあげようとしてるDr. を、俺だけは攻めるわけにいかないのだ。

たとえ時々やりすぎて人道に反するのでは、と感じることがあってもだ。

そういうことはないけど。あくまで例えばだ。

という訳で、俺が受診の裏で動いてる事情を知っていて、「 医事と関わって安上がりな方をそこそこきちんと選択している 」というのがDr. に分かってもらっているかどうかは、スムーズに必要な受診を準備することに直結するどデカイ材料なのだ。

さて、今回は受診の仕方ではなく「 入所契約 」についてである。

確かに、入所契約時にはこんな事は説明しない。

実際、受診があったとしても家人にはこんな事は説明しない。

でも、入所中に熱が出たり体調不良で病院と関わる場合には、どういう動きになりますよ、というのを契約の時に説明する。

その時説明した動きを実現する為には、ここで説明したことは絶対に抜けない話になる。

例えばDr. と受診相談をして、「 正当な理由はあるけど、要は、受診料もったいなから受診させたくない 」とDr. がごねたとする。

俺がここで書いた事情を把握していないなら、何だそれはいいかげんにしろ、と言い合いになって、受診の相談はまとまらず機を逸し、最悪の場合はどれほど時間が立っても受診ができない、というのも有り得る。

すると悪化していく症状を施設でみる事になる。

家人への説明はDr. からのIC. も入れるので、施設でできる範囲でと設定できたとしても、職員たちには負担が大きいし、どこまでを施設で見るのが普通なのか(究極、見れない症状はあってはならない。あくまで普通は、という話)を感じているので、納得は到底得られない。

そのまま亡くなったとして、家人はどうしてあの時受診を提案してもらえなかったのか、と考え出すかも知れない。

IC. を受けたキーマンは良しとしても、違う家族がそのあたりを言い出すかも知れない。

それを知った職員は気持ちの良いはずはないし、自分たちが不当に家人の意にそぐわない支援をしてしまった、と理不尽なトラウマを作りかねない。

更に言えば、「 ウチの施設は受診させるのをアウトなくらいしぶる 」という感覚を職員が持っていたとすれば、それはこの一回のことが問題ではなく、継続的で大きな不信感を職場にもたらすことになる。

かなり大げさに言ってるが、無いとは言い切れない。

こんな事になっては「 契約の時に家人と、病院受診や入院になるときのすり合わせ 」をしてても、そこで約束した通りにできるはずがないのだ

まとめ

今回書いたのは、契約の本当の役割についてだ。

お互いの都合をすり合わせる場面を作ってくれることが、契約の最も重要な効力なのであるが、その場面を活かすためにやっとくべき努力こそが、相談員の仕事としては具体的な部分だと分かってもらえただろうか?

結構書いたがこれはほんの一部だけである。

契約時に申し合わせるいろんなすり合わせを、スムーズに動かすためには、つまりは仕事の全部がそれに関わってくる。

今回は契約書の法的な束縛力より、すり合わせをする場面を作ることが、契約において重要なことだと感じてほしくて、例をあげて書いた。

まあ、これもあくまでウチの場合は・俺の場合は、である。

契約については施設ごとに本当に事情が違ってるので、今回も自分でしっかり料理して、都合よく解釈してほしい。


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