見出し画像

【時々エッセイ】猫の手ざわりは魔法でできている 55

イエネコ。
それは砂漠に起源をもつ可愛さのポテンシャルが半端なかった生物をもとに人間が作出した、人間と一緒に生きる生き物です。
ネズミ捕りの使役動物を経て共生からペット、そして家族へ。
その後、多くの家庭では家に君臨する、主へ。
で、その主も、3人いると元老院、執政官、小評議会。
といっても、話し合うわけでもなく譲り合うわけでもなく、近代の理想のように三権は分立せず、君主が3人いてオレがオレがのせめぎ合い。
せめて、ストーブの前は老猫優先席だと猫たちに教える術があれば…。

段ボールねこ鍋に要らないひざ掛けで冬仕様

みんな自分優先だから、飼い主の介入もしかたありません。
寒さが大敵の老猫であるジョルジュを温めてあげようとすると、ルネとモネが僕も僕もと寄ってきてジョルジュを押しのけてしまいます。
ジョルジュがケポってしまってお腹がカラになっているからと総合栄養食ちゅーるをあげると、僕も僕もと寄ってきて「お兄ちゃんだけずるい」と取り合いになります。
少し前まで大人で先住猫だからとちょっとは遠慮していたのに、今は
ケンカしたら自分たちの方が強いと確信しています。
いろんなサイトで老猫をいたわることを推奨していますが、他の猫たちにえこひいきと思われずにそれをする方法は書いてありません。
弟たちがジョルジュをナメてかかっていることは事実ですが、ジョルジュも弟たちに寛容なところがあります。
ママの膝にのっているジョルジュの上にルネの前半身がのっかっても、ジョルジュは怒りません。
食べるのが遅いおやつを弟が1個パクッとやっても怒りません。
つまり、ママも寛容になって他の猫たちにもちょっとあげる、優劣をつけずに同じように温める、とやれば解決するわけです。
それをジョルジュは教えてくれたのかも。
元老院ではなく、マルクスアウレリウス帝でしたか。
ははーっ。

何か(おやつ)を待つルネとモネ

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?