今回もブログをご覧いただきありがとうございます。世界で唯一(おそらく誰も名乗っていないため)の「切貼民話師」、ゆーだいです。
今回は、山梨県市川三郷町にある「表門(うわと)神社」を訪れた際のレポートと、そこで生まれた切貼民話たちを紹介します。
いざ、表門神社へ!
まずは市川三郷町にある表門神社をフィールドワーク。最寄駅はJR身延線の芦川駅。神社は駅から程近いため、車がない私にもありがたい民話スポットです。
こちらが表門神社の鳥居。くぐってすぐのところに2つの石が対になるように置かれていました。神社の文化には詳しくないため何を意味するのか分からなかったのですが、とても興味深く思いました。
こちらは石鳥居。「造られた時代は鎌倉時代と推定される」と記されていました。
神楽殿越しに本殿を撮影。鮮やかな神楽殿と厳かな雰囲気の本殿のコントラストが素敵。
「夜鳴き鴉」
この表門神社には「夜鳴き鴉」という民話が残っているとのこと。切貼民話のフィールドワークで毎回お世話になっている「YAMANASHI DESIGN ARCHIVE」には、次のように書かれています。
実際に「夜鳴き鴉」と思しき彫刻は見当たりませんでしたが、本殿に施された素敵な彫刻を発見。このクオリティーなら、確かに生命が宿っていそうですね。
表門神社周辺をフィールドワーク
こうした民話が伝わる表門神社の周辺をフィールドワークして切貼民話の素材を集めました。自然物・人工物問わず、直感的にビビッときたものたちを撮影していきます。
他にもたくさんの素材が集まりました。
これらの素材を印刷し、おおよそ輪郭に沿って切り取ったら準備完了。いよいよコラージュしていきます。
完成した切貼民話作品の紹介
あれこれ素材たちを組み合わせて並べ替えて…を繰り返し、5つの作品たちが生まれました。
まずは「夜鳴き鴉」に因んだ切貼民話を2つ紹介します。
元の民話は人間サイドに焦点が当たっていたため毎晩鳴き続ける鴉は迷惑な存在として位置付けられ、夜鳴きを鎮めた神主は英雄的な存在として扱われています。
しかし、鴉の側に焦点を当てれば、夜鳴きをし続けた理由について想像する余地が生まれます。そして、人間中心の価値観から、自然との共存へと考えを膨らませるきっかけとなる新たな物語が紡ぎ出されていきます。このようにアナザーストーリーを創ることで視点が拡がり既存の民話の読み取り方に厚みが生まれることが、切貼民話の魅力の1つです。
「夜鳴き鴉」関連以外では、次の2つの切貼民話が生まれました。
「夜鳴き鴉」と「跳ね駒」が共存していたら、表門神社の周辺は毎晩ものすごく賑やかになりそうです😓笑
以上、5つの切貼民話の紹介でした。
まとめ
今回は市川三郷町の表門神社を訪れ、鴉が人間にとって迷惑な存在として扱われている民話のアナザーストーリーを生み出し、新たな視点を紡いでいきました。
次回は、同じカラスが登場しつつ、「夜鳴き鴉」とは対照的に、烏が神事において大切な役割を担ってきたという民話が残る山梨県韮崎市の當麻戸(とうまと)神社の切貼民話をアップ予定です。お楽しみに!
最後までご覧いただきありがとうございました☺️