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「夏の自由研究」×「まちなかせき」発掘~「ひらめキマイラ」復元プロジェクトの構想

「ひらめキマイラ」とは?

私は以前、オリジナルカード「ひらめキマイラ」を作成しました(まだ販売等はしておりませんが…)。

ひらめキマイラ

「顔の化石」「手足の化石」「歯口の化石」「体の化石」「その他の化石」がそれぞれ10枚ずつあり、それらをランダムに組み合わせてオリジナルの伝説の生き物を表現するというツールです。

↑学童保育の子どもたちと一緒に遊んだ時の様子は、こちらをご覧いただけたら嬉しいです。

最近、この「ひらめキマイラ」を地域探究のためのツールとして活用することはできないか検討しております。今回のブログでは、そんな「まちなかせき」発掘~「ひらめキマイラ」復元プロジェクト構想について紹介させていただきます。ぜひ夏の自由研究にご活用いただけたらと思います。

①街に出て、「まちなかせき」を”発掘”しよう!

「まちなかせき」発掘~「ひらめキマイラ」復元プロジェクトは、まず街に出て、街中にある「まちなかせき」を”発掘”するところから始まります。街中にある様々なものは、かつてその街に住んでいた伝説の生き物「ひらめキマイラ」の化石。街に出て「気になるなぁ!」「不思議だなぁ!」「なんかピンとくる!」というものがあったら、それが「まちなかせき」になります。

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例えば、大きな石や、

きり株

不思議な形の穴が空いた切り株、

葉っぱ

不思議な色や形の葉っぱ、

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道祖神や馬頭観音、庚申塚などの石碑、

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その場所ならではの建造物などが見つかります。

こうした「まちなかせき」を撮影したら、プリントアウトしてカードにしてみましょう。なお、見つけた「まちなかせき」カードに”発掘”した日にちや場所、説明文をまとめると、より地域に詳しくなったり、新しい発見があったりするかも知れません。

ご当地化石カード

↑試しに1枚作ってみました!植物の名前や史跡などは、インターネット等で調べてみると理解が一層深まります。

②「まちなかせき」カードを複数枚組み合わせ、”ひらめキマイラ”を表現しよう!

何枚か「まちなかせき」カードが出来上がったら、いよいよ「ひらめキマイラ」の復元が始まります。気に入った「まちなかせき」を複数枚選んで組み合わせ、その街に住んでいた伝説の生き物「ひらめキマイラ」の想像図を描きましょう。もちろん「正解」はないため、のびのびと表現することができます。私も、先ほど掲載した写真の「まちなかせき」を組み合わせてみました。

完成!ひらめキマイラ

↑胴体の石や羽根の葉っぱ、真ん中のコア部分の「道祖神」は、そのままの形を用いました。一方で、足の形は切り株の穴の部分の形を意識しています。また、顔の形は「謝恩塔」に映った影の形をモチーフにしています。

③”ひらめキマイラ”に名前と説明文を付けてみよう!

②で完成した「ひらめキマイラ」を見て、閃いた名前と生態系や特徴などを表す説明文を考え図鑑を作ってみましょう。私も、先ほど描いた「ひらめキマイラ」に名前と説明文を付けてみたいと思います。

完成!ひらめキマイラ

【名前】バブバブコアトル                        【説明】夜になると現れ、真ん中にある「道祖神」と書かれたコアとカラフルな頭の飾りを輝かせながら街中を飛び回る。ケツァルコアトルに憧れているが、実はまだ赤ちゃんのため、たびたび大声で泣き叫ぶ。夜中にけたたましい叫び声が聞こえたら、たぶんバブバブコアトルのせい。

図鑑化することで、発見した「まちなかせき」や描いた「ひらめキマイラ」を違った視点から捉え直すことができ、新たな想像が膨らみます。

なお今回は私が自分で遊んだ事例を紹介しましたが、例えば

・友だちと一緒に「まちなかせき」を探しに行って、見つけた化石(=カード化された写真)をシャッフルし、引き当てた写真を組み合わせて「ひらめキマイラ」を描く

・親子で「まちなかせき」を探しに行って、お子様の呟きを「まちなかせき」カードや「ひらめキマイラ」の図鑑に載せる(例えば「この葉っぱ、キレイ!夜になると光るのかな?」など)

などの楽しみ方もおすすめです。

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↑自然溢れる公園を舞台に、公園にあるもの全て「ひらめキマイラ」の化石に見立て、その場で拾って復元するワークショップを行なった時に子どもたちが作った図鑑。出来上がったものを改めて見直すことで新たな発見が生まれ、意味を付与する過程の中で想像力が膨らみます。

「まちなかせき」発掘~「ひらめキマイラ」を通して、いったい何が育まれるの?

では、この「まちなかせき」発掘~「ひらめキマイラ」表現を行うことには、いったいどのような良さがあるのでしょうか。

まず1つ目に「街への愛着が生まれる」ということがあげられるかと思います。それまではただ素通りしていた何気ない街の風景。けれど、実はその中にはたくさんのわくわくや驚きが埋もれています。こうした「まちなかせき」=街の魅力を掘り起こすことにより、住んでいる地域への愛着が生まれるのではないかと思います。また、何人かで行なうことにより、例えば「ここは〇〇くんが『まちなかせき』を見つけた場所だ!」「この郵便ポストは昔からあるんだって!うちのおばあちゃんが話していたよ!」などといったような会話が生まれることでしょう。こうした「都市伝説」のローカル版=「まち伝説」が”バズる”地域社会を目指したいという思いは、前回投稿した「まちでん!」と繋がります。

2つ目に「探究的な学びが生まれる」ということがあげられます。「まちなかせき」発掘~「ひらめキマイラ」復元プロジェクトは、実際に街を歩いてピンと来た”ほんもの”と出会うことに意義があります。「まちなかせき」をきっかけに、例えば「この植物の名前は何だろう?」「この石って、どうしてここにあるのだろう?」「こんな形の影がどうしてできるのだろう?」という問いが生まれ「不思議だなぁ!調べたい!」という意欲が生まれたら、きっと何の必然性もなく一方的に与えられる教科書やドリルでの「勉強」を越えて、自分から探究していくような学びが展開するはずです。

3つ目に「これからの社会を創っていく力が育まれていく」ということがあげられます。ダニエル・ピンクが指摘しているように、これからの時代はロジカルで直線的でコンピューターの能力を基盤に築かれた「情報化の時代」から、創意や共感、総括的展望を持つことによって社会や経済が築かれる「コンセプトの時代」になっていきます(ダニエル・ピンク『ハイコンセプト』三笠書房、2005年)。そうなってくると、「固定化された知識」を暗記するような「勉強」からの質的転換が求められ、異質なもの同士を結び付けて新たなものを創造し続けたり、その過程の中で様々な感性を持つ他者と協働・共創造したりするような機会が社会の中に求められてくるはずです。

「ハイ・コンセプト」とは、パターンやチャンスを見出す能力、芸術的で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話のできる能力、一見ばらばらな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力、などだ。「ハイ・タッチ」とは、他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取る能力、自らに喜びを見出し、また、他の人々が喜びを見つける手助けをする能力、そしてごく日常的な出来事についてもその目的や意義を追求する能力などである。(ダニエル・ピンク『ハイコンセプト』三笠書房、2005年)

ダニエル・ピンクのいうところの「ハイ・コンセプト」と「ハイ・タッチ」が大切にされる社会づくりに、この「まちなかせき」発掘~「ひらめキマイラ」復元プロジェクトが繋がっていけばと思います。

おわりに

以上、長々と「夏の自由研究」×「まちなかせき」発掘~「ひらめキマイラ」復元プロジェクトについての構想をまとめてみました。あくまでも「夏の自由研究」というテーマを出発点にして私が持っている引き出しから考えた構想ではありますが、必ず近い将来実現したいと思っています。とはいえ、具体的な実現へのプロセスを考えたり、ツール開発やデザイン、PR動画を作成したりするには私一人では難しく、協力していただける方と繋がれたらなぁと思っています。出来れば東京周辺で、こうしたプロジェクトに興味を持っていただける方がいらっしゃいましたら、下記LINEまでお気軽にご連絡いただけたら嬉しいです。

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最後までご覧いただき、ありがとうございました!

#夏の自由研究

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