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『こころ彩る徒然草』

先日、恩師がくれた本を読んだ。

『こころ彩る徒然草』

https://books.rakuten.co.jp/rb/15067364/?l-id=search-c-item-text-01

兼好法師の『徒然草』244段のうち66の段を取り上げ、

分かりやすく意訳した本だ。

文学部とはいえ、日本の古典文学に全く興味のなかったわたし。

そんな人間をも引きずり込む、兼好法師の言葉一つ一つは

現代につながる温かく、時に厳しいメッセージだった。

今回は66段のうち、特に心に刺さった言葉を紹介しようと思う。


未来を考える人は、魅力的な人

原文では、未来を「後の世」と書き記している。

後の世、という響きは、自分の未来だけでなく、

自分の子孫や人類、地球に住む全ての生物のことを含めているように聞こえる。

自分の、そして他者の未来を考える人はどんな時代でも魅力的なんだろうな。

わたしも現在の自分、過去の歩んできた道を見直して、

どんな大人になってどんな未来を作りたいか考えたい。


本を開くと、まだ見ぬ古の人と、心の友になれます

本ってすごい、

今じゃ情報技術が発展してすべてをデータで管理できるけど

昔はそれが全部書物を通して行われていた。

本は、過去の人、過去の世界とつながれるツール。

どんなに時間がなくても寝る前の読書タイムだけは大事にしたい。


そんな考えだから、何一つ身につかないのです

「下手なうちは人前に出ないでこっそり練習しよう」

これが私の今までのやり方

けど、これを言う人は何一つ身につかない、と

ストレートに書かれていた。

笑われるのが怖くても、上手な人に交じって一心に稽古に励む

この姿勢が人を伸ばす。

英語を習得する上でこれって絶対大事じゃん、と思った。


一時の判断の誤りが、一生の後悔になります

「一生涯のうちで、やり遂げたいことが、たくさんあったとしても、その中で、どれが一番大事なのか、よく見極めなければなりません。」

自分の果たすべき目的をしっかりと定めること

わたしはやりたいことがたくさん、興味が尽きない人間だ。

一番を決めるなんてまだできない。

だからこそ、一つに絞る、とまでは言わなくても、「見極める」ことは絶対に必要だと思った。



もしかしたら、どれも当たり前のことだと感じる人がいるかもしれない。

けど、当たり前を意識するのとしないのとじゃ

人生の濃度みたいなものってだいぶ変わるんじゃないかなあ。

当たり前だけど大事なこと、

それに気付かせてくれた兼好法師とこの本に感謝している。


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