似合わない憧れを諦める、誓い。

 私は、オンリーミネラルの『ココア』という名のマルチパウダーを、眉パウダーとアイシャドウの締め色という二つの用途で使っている。わざわざ眉はこれ、目元はこれ、と専用で揃えるのが煩わしかったし、同じアイテムを使った方がメイク全体で色味も統一され、むしろ良い感じだったのだ。
 この度、『ココア』を使い切ったのを機に、この眉パウダー&アイシャドウの締め色を果たすアイテムを買い替えた。『ココア』より少し赤みがかった色味で、マットのアイシャドウとして販売されていたものだった。そのお値段、880円!かつての自分は、大学生の頃からスキンケア、メイク用品ともにデパコスで揃えており、いわゆるプチプラ化粧品なるものは使ったことがなかったのだが、肌断食を始めてからはメイク用品への羨望もすっかり冷め、よほどときめきがない限り食指が動かない。だって、最近のデパコスって高すぎない?アイシャドウパレットが一つ6,000円也〜なんて…。でも、肌断食で目が覚めてなかったら普通にそういう値段のコスメをドカドカ買っていたと思うので、他人事でも笑い事でもない。

 さて、実際、880円の効能はどうだろうか?発色もモチも申し分なかった。私は赤ら顔なので、一般的な茶色やベージュより、やや赤みがかったものの方が肌馴染みがいいような気がしていたのだが、その予想がドンピシャリだったようだ。『ココア』よりさらにナチュラルに、かつエレガントな感じで目元に陰影がつく感じがするではないか。最近はナチュラル志向だったので(蒼井優化への憧れはなかなか消えないどころか、ゾンビのようにしばしば波となって押し寄せてくるのだ…)ほとんど化粧をしてなかったのだが、今日はウキウキで眉もしっかり描き、目元にはラメも乗せ、ダークローズ系の口紅もしっかり塗った。

 出来上がった自分の顔を鏡でまじまじ見て、思った。
 自分で言うのもなんだが、…ナチュラル志向の時の自分より、しっかりメイクでアーバンモードの時の自分の方が、断然美しい…。はあ、やっぱりな…。私はこっちが似合ってる。そう、頭では分かってる…。

私が好きな要素はこんな感じだ。

  • すっぴん(具体的には、ボサナチュ眉毛、まつ毛ギュンギュンにあげない)

  • 天然素材を草木染めしたみたいな生地の、たっぷりしたシルエットの服装。体型がほとんど見えない。

  • 職業のイメージでいうと、田舎のパン屋さん、お惣菜屋さん、個人で手作りしてるアクセサリー作家さん、nest robeの店員さん(直球(笑))みたいな感じ。

 …そもそもこういうテイスト、雑誌やインスタの中にこそ素敵な人がたくさんいるが、街ゆく一般ピーポーの中で「わ!あの人おしゃれ」とか「素敵〜」と思う人に出会ったことがあるだろうか?私は、ない。私見だが、こういうテイストは、背が高くて小顔で首が長くて、すらっとしたモデル体型か、たぬき顔の美女でしか“素敵”にはならないんじゃないの?と思うのだ。

 では、こんな感じのテイストを、例えば、米倉涼子さんとかがしてたらどうだろうか?彼女は見紛うことなくモデル体型だ。
 しかし、失礼ながら(?)キャラ違いというか、絶対似合わない!!と思う。米倉さんは、やっぱり田舎のパン屋じゃなくて孤高の女医であり、弁護士だろう。眉はキリッと美しく整えられ、まつ毛ギュンギュンばっちり目力、細い御御足をバン!!ヒールをババン!!がとてもよくお似合いだ。

 
 私は156cmしかないし、どちらかというときつね顔だ。ゆるゆるナチュラルが似合う要素が一つもないわけである。
 しかし逆に、多分アーバン系のメイク、服はそれなりに映える。しっかりメイクして、体のラインが見えるニットなんか着た日は、背筋もしゃんと伸びるし、人に会っても、心なしか自信を持って立ち振る舞っている自分がいる。逆に、ナチュラル〜♪と思って支度した日は、外に出た瞬間「あぁ、ちゃんとお化粧してくればよかった…」「わ、この人すごく綺麗に眉毛整えてるな…」と、自信を無くしたり、他者に対して怯んでしまうことが多い。

 正直、まだまだ私の中のナチュラル欲を完全に追い出すのは難しいと思う。だけど、頭では分かってます、ちゃんと自分に似合う私になります、という、決意の備忘録を、ここに記す。。

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