見出し画像

「農業」と「醸造」は繋がっている論。

この酒すごいだろっていう世界もありますけど、美しさじゃないと癒せない心の領域があったり、疲れがあったり、それにそっと手で触れるのが酒で、どういう触りかたをしたいかというと、優しく触れる酒を造りたい。

元杜氏の古関弘さんは農/醸一貫を目指す新政酒造で、無農薬の酒米を作る。

優しい時間が流れていて、その中に哲学や思想が潜んでおり、とてもエキサイティングな記事でした。
そしてものすごく情報の質が高く、消化するのに時間がかかる。

一言で味を表現するのは難しいけど、鵜養そのものを飲んでほしいとは思います。

これは、まさにテロワールの表現ですね。
農業も醸造も微生物らの生命活動によるもの。

これが、農/醸がつながっていると自分も考えている根本的な理由です。

日本酒にしても、ビールにしても、そのお酒の原料から蔵元が作っていく意義を感じられました。その土地を表現したお酒を醸そうとすると「じゃあ自分で原料も作らないとな」ということになるのが自然なんだなと思う。

「自社で原料を作るとコスト削減になるんですか?」
と新聞記者の方に質問されましたが、僕の答えは「逆にコストが上がる」
そもそも目指しているところが違っていて、いいお酒を作りたい。地域を表現したお酒を作りたい。という想いからなので。

自然の中で、自然と対峙しながら農業をしていると、色々な発見があったり、自分の感覚も拡張されると思っています。その日の天候を感じ、その日の匂いや肌感だったり、味覚も敏感になってきます。それがお酒作りにも活きてくると思っています。

そして、うちの場合だけだと思いますが、お酒を作った後に大量に排出される、ビールでいうとビール粕がものすごく欲しい。

自分で麦を栽培し、
その麦から麦芽を作り、
その麦芽からビールを醸し、
そこから排出されるビール粕をまた農園に還元する。

このサイクルを生み出したい!

本来のバイオダイナミック農法である、『一つの有機体としての農園』がこんなふうにビール作りと一緒になって完成するじゃないかなと思います。
一歩づつ、地道な積み重ねですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?