林 亮/Ryo Hayashi_PECCARY BEER

長野県高遠町の標高1000mの山里にて持続可能な循環的暮らしを目指しつつ有機・バイオダ…

林 亮/Ryo Hayashi_PECCARY BEER

長野県高遠町の標高1000mの山里にて持続可能な循環的暮らしを目指しつつ有機・バイオダイナミック農業をしながら、クラフトビールを作っています。おいしいものが大好きです。 インスタ→http://www.instagram.com/peccarybeer/

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有機農家がクラフトビールを作り始めたワケ 〜種まきからのビールつくり〜

僕は長野県の里山にて動物性堆肥(牛糞とか鶏糞など)を使わずに有機野菜(ミニトマト、ズッキーニ)を作っています。そして2018年よりPECCARY BEER(ペッカリービール)としてクラフトビールの製造を始めました。 僕の実家は仙台市のごく普通の住宅街にあり、親は会社員でしたので、22歳になるまで畑や田んぼ仕事をしたことがない自分が、なぜか有機農業を始めてもう十数年になりました。 初めは、自分で食べるものを自分で作りたいなと、無農薬での野菜作りを学び始めました。その時に、自

    • バイオダイナミック農業講座を読み解く 読書会の感想 2023年5月

      「つまり植物中の 混沌状態 となったものに対して補充してやるために必要とされるだけの(家畜の)排泄物を与えるのです。」 (バイオダイナミック)農業講座のP82 2行目    この「混沌状態」とは植物が分解した腐植のことだとほのかに考えていましたが、そうではなく「種子」について言っているんだろうなぁと、ようやく気がつくようになりました。    なぜ動物の排泄物を与えるのか? 何を補充しているのか?    おそらく動物の糞には、植物の腐植や人糞には含まれてない光(宇宙由来)が含ま

      • 「農業」と「醸造」は繋がっている論。

        元杜氏の古関弘さんは農/醸一貫を目指す新政酒造で、無農薬の酒米を作る。 優しい時間が流れていて、その中に哲学や思想が潜んでおり、とてもエキサイティングな記事でした。 そしてものすごく情報の質が高く、消化するのに時間がかかる。 これは、まさにテロワールの表現ですね。 農業も醸造も微生物らの生命活動によるもの。 これが、農/醸がつながっていると自分も考えている根本的な理由です。 日本酒にしても、ビールにしても、そのお酒の原料から蔵元が作っていく意義を感じられました。その土

        • \来月6月2日からクラウドファンディングに挑戦します!/

          昨年から準備はしていたのですが、伸びに伸びてしまいました。    今更ながら、先月に出たばかりのMakuakeさんの本を読んでいて、 -「売れないかもしれない」という気持ちが最大のリスク- と書いてあって、ハッとさせられました。    クラウドファンディングで公開しても売れなかったら・・・ 批判されたらどうしよう・・・ と、ここ毎日そんな不安がつきまとっています。そして行動も消極的になってしまうので、確かに最大のリスクだなと実感しています。    挑戦にはリスクもあるし、その

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        有機農家がクラフトビールを作り始めたワケ 〜種まきからのビールつくり〜

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          「皿以外は全て作りたい」 by kurabe Continental Delicatessen(クラベ コンチネンタル デリカテッサン) オーナーシェフ 渡邊 竜郎さん

          長野県伊那市、中央アルプスと南アルプスの両方を眺めることが出来るこの街に、CONTINENTAL (ヨーロッパ大陸的)な料理や自家製生パスタ、伊那谷ガレット、生ハム、ソーセージ、パン、焼き菓子などを提供されているDELICATESSEN(デリカテッセン)があります。 PECCARY BEERが開業する際、ビールお披露目パーティーをさせて頂いたり、地元のイベントでご一緒したりとkurabeオーナーシェフの渡邊さんにはいろいろとお世話になっています。 渡邊さんはガレット協

          「皿以外は全て作りたい」 by kurabe Continental Delicatessen(クラベ コンチネンタル デリカテッサン) オーナーシェフ 渡邊 竜郎さん

          シュタイナーの人間理解からバイオダイナミック農業へ             〜有機農業とは自然なのか、反自然なのか〜

          シュタイナーの人間理解からバイオダイナミック農業へ 自分は高校から21歳くらいまで、悶々としていた時期がありました。 置かれている状況に不満があるのだけれど、じゃあ何がしたいのかと言われると正直よくわからない。とりあえず、音楽にそんなやるせない思いをぶつけていたように思えます。 そんなトンネルを進んでいたような時代、シュタイナーの人間観察で見ていくとその悶々としていた理由がわかりました。 定番になっている11月の竹下哲生のバイオダイナミック農業講座が終わったと思いきや、11

          シュタイナーの人間理解からバイオダイナミック農業へ             〜有機農業とは自然なのか、反自然なのか〜

          「自分」をからっぽにすることで、「自分」が表現されるという矛盾。

          「道常無為、而無不為」 -道は常に為(な)す無くして、而(しか)も為さざるは無し。- 老子  第三十七章 最近、縄文巡りをしています。 その中で八ヶ岳美術館での津田直写真展「湖の目と山の皿」に行ってきました。縄文遺物が美術館に収蔵されていましたが、美術館ということで博物館に比べ

          「自分」をからっぽにすることで、「自分」が表現されるという矛盾。

          豊かな「土」を科学する

          僕は神戸の北に位置する農園で働いていたことがあります。 関西の土は粘土質が強く、乾けばガチガチのひび割れた土になり、その堅さから野菜の苗を植える時にはアイスピックを使って土を砕き、その穴に苗を植えていきました。逆に雨が降るとドロドロの粘土になり、歩くのが困難な程です。 お米やダイズは良く育つのですが(丹波の黒豆、山田錦など有名です。)、野菜となると適切に育っていると言いがたいものが収穫出来ました。 さて、農業の本を読んでいると、さかんに「土づくり」なるものがでてくるけれど

          豊かな「土」を科学する

          可能性 しかない、ローカル・ガストロノミー

          農家の多い地方で、どうやって野菜を販売していくか。現在organic farm88は人口の多い都市部へ野菜を出荷しているのですが、農繁期は毎日せっせと野菜をパッキングしては発送。パッキングしては発送・・・・  たくさん出荷すれば、もちろん売上は上がるのですが、自分は何がやりたいのでろうか?とむなしい気持ちが日に日に増してきました。 その中で、自分とフィーリングの合う取引先を探してきましたが、気がつけば年数だけが過ぎてしまい、一向にむなしさは解消されずにいます。 そこで、も

          可能性 しかない、ローカル・ガストロノミー

          牛糞や鶏糞を使わない理由って何かあるんですか?

          organic farm88では、牛糞や鶏糞などの動物糞の厩肥(きゅうひ)を使っていません。使用する堆肥や肥料はは、地元のムギやダイズ、米ぬか。farmの周辺に生えている竹や雑木などを独自に発酵させたものです。 牛糞や鶏糞などの動物糞を全てを否定しているわけではなく、日本で良質な家畜糞を手に入れようと思うと難しいというのが一つの理由です。 家畜の飼育環境が劣悪過ぎる。北海道での研修中に、牛肉用の牛さんを見に行かせてもらって、その暗い畜舎に閉じ込められて自由に動き回れず、動

          牛糞や鶏糞を使わない理由って何かあるんですか?

          「農業とは、土に生命を与えることです。」

          竹下哲生のバイオダイナミック農業講座 ~静寂ゆえにダイナミックな発酵の世界~ 農業と発酵は全く関係ないようですが、むしろ有機農業とは発酵なくして成し遂げられない農業だと思っていました。   というのも、有機農業では化学肥料を使わずに堆肥やボカシ肥料を使いますが、それらは発酵によって生み出されているからです。   僕が農園で使用する堆肥やボカシ肥料は自分で発酵させて作っているのですが、失敗したこともあります。その時の(文字通り)苦い経験から腐敗してしまった堆肥は絶対に、畑に入

          「農業とは、土に生命を与えることです。」