中毒かも?と思ったら ①
救急外来にいるとそれはそれはたくさんの方が「めまい」で救急搬送されてきます。症状が強い方はゲーゲー嘔吐していらっしゃるのですが、なかなかいい対処法がないのが現状です。仕方ないですねえ、、、といって返すしかなかったのですが、私昨日めまいにおそわれまして、、いやあ、つらい。人間って嘔吐するんだ、、、っていうぐらいぐったりの中、当直でした。患者さんに少し優しくなれた一日でした(笑)
さて、それはそうと、話題につまり気味でして、いや、マニアックに走ればいろいろあるんですが、といってよくある情報ページとも違う話が、、とも思い。。。知りたいことがあれば是非具体的にコメントなりください。引き続きアンケートも募集中です。
ということで、今日からはまたしばらくマニアックに、、、
中毒のお話をしようと思います。
中毒かも?と思ったら、、、
中毒って何を想像しますかね。医療従事者の方は、大量服薬を思い出す方が多いのではないかと思いますが、日本では非常に多いイメージですね。どうやらドラマなどの影響が強いようです。ただ、市販薬含めなかなか死に到ることは少なく、自殺の手段としては「柔らかい」手段と言われます。
中毒、というとどうしても大量服薬、誤飲、と話が続いてしまいますが、化学テロの可能性は必ず頭に置いておかなくてはいけないことです。英語のスライドで恐縮ですが、「中毒」の表現系を図示してみます。
日本での化学テロの先駆けといえば、松本サリン事件、地下鉄サリン事件ですね。
その意味で、中毒の初期対応は下記のようになっています。
まず自分の安全確保、ということになっていますが、そんなの疑わなければ無理でしょ、、、といつも突っ込みたくなる図です。
地下鉄サリン事件の場合、聖路加国際病院の先生方が大変奮闘されたことは有名ですね。
https://www.asahi.com/articles/ASK7V3PJ8K7VULBJ001.html
一方で、密閉された礼拝堂で医療職の二次被害も多く出たと聞いています。そういう意味で、まだ除染とか防護という意識が非常に薄い時代であったともいえますし、除染、防護などの安全確保の重要性を伝える逸話でもあります。
発生状況が明らかではない場合、中毒に特異的な症状は少なく、様々な症状の組み合わせで診断に到りますので、常に頭の片隅に中毒の可能性をおいておくことが必要です。
小児科、小児集中治療室を中心に研修後、現在、救命救急センターに勤務しています。 全てのこども達が安心して暮らせる社会を作るべく、専門性と専門性の交差点で双方の価値を最大化していきます。 小児科専門医/救急科専門医/経営学修士(MBA)/日本DMAT隊員/災害時小児周産期リエゾン