見出し画像

理想の仕事

先日古本屋さんに行った。
そこの古本屋はとても素敵で、若く、気さくな店主が一人で切り盛りしていて、こじんまりしたお店だけどとてもセンスが良く、置いてある雑貨や本はどれも目をひく。お店はどの本も素敵に、堅苦しすぎず並んでいる。
照明はシャンデリアや古い小さなものをたくさんダクトレールにつけていて、ぼんやりと明るい。本が好きであれば、店内は本当に夢心地である。
さらには猫がいるのだ。気品高く、人に近付くでもなく適当な距離を取りながらゆったりと店内を歩いている。それは、時代を経てなお手に取られ輝くたくさんの本という背景にこれ以上ないくらい似合う。

どうだろう、ここまで来るとそれは現実ですか?それは小説の世界ですか?と言いたくなる。
こんな理想的なお店を見ていて、若き店主の人生を見ていて、いいなと思う。単純な私はすぐに影響されて、自分もこんなおしゃれに仕事をして生きたいと思う。

学生時代、スキーのインストラクターをしていて、同じチームにもう定年を超えた女性の先輩インストラクターさんがいた。
その方は本当に格好良くて、髪型は潔いベリーショートのホワイト、すらっとしていてハキハキしていた。その方も気さくで周りの皆から慕われていた。
その方とはもう交流がなく、今はリタイアされていると思うが、当時の彼女は、冬はスキーのインストラクターをし、オフシーズンは家の近くの美術館で働いていた。その美術館は冬季は休業するのだそうで、だから二足の草鞋が成り立っていた。
そして、何でもご主人は絵描きだそうだ。

素敵すぎないだろうか、歳をとっても人生を悠々と闊歩するかのようなその姿勢が本当にオシャレで楽しそうで見習いたいと思った。

これが会社員だと、皆同じように働いて、同僚よりも先に出世したい人がいたり、学歴を気にする人がいたり、居室の中のあいつはどうで、こいつはどうで、と噂話に花咲く人がいたり、皆、何かしらブラックな部分を抱えて毎日難題の仕事に取り組んでいる。(本当?)
そしてペーペーの技術力しか持たない新米会社員はいつも内心大慌てでどうしようどうしようできるかなどうすれば、である。(私だろそれ)

それに引き換え先述したお二人の慎ましいながら理想の仕事をする人生は、本当に優雅だと思う。どんなに会社で出世しようとも叶わない心の豊かさを養える仕事をして生きていると思う。

いや、会社員が合っている人もいて、会社は本当に尊敬できる素敵な人がいっぱいいるし、プライドを持って自分の仕事をしている人がたくさんいて、色んな人に囲まれて楽しいこともたくさんあるし、同僚や上司と切磋琢磨して内面も磨かれるし、必死で働ける環境にいることは本当に得難い経験ができることだし、会社員がよくない、という話ではないです。
引き合いに出して誇張しました。すみません。

しかし、私もできれば今後は会社員でなく、そういう自分の好きな人生を自分の思う通りに送りたい。(会社員はもう経験したのも理由の一つです)
だが何が理想か自分で決めきれなくて、そこが決まればなあと、悶々としながら日々の生活を送っている。

昔好きで何度か行ったジャズバー、そうだ、ジャズバーを開くのを目標にしたらどうだろう、と思いついたが私はお酒があまり飲めない。カフェは?と思うがお菓子作りがそこまで好きではない。多分、私にとって料理は畑違いだと思う。

私はいろんな所に住みたい、という目標があるが、正直それを叶えるのにはどうしたらいいか皆目見当もつかないでいる。
多分、売れっ子作家なんかになれたらそういうことができるのかなと思う。もしくはブランドを立ち上げて人気ディレクターになる。とか、他には人気インフルエンサーになったらあちらこちらからオファーが来て一年の半分は飛び回っているかもしれない。
どんな作家になるかとか、何のブランドを立ち上げるかとか、将来やれる仕事に全く想像がつかない今は、自分の周りにある小さなことでいいから、そこからヒントを見出すことが今できることだと思う。
どれも叶えるためには、今できること、小さな一歩を踏み出すことだけだ。そしてそれをし続ける。

本を読む、ピアノを弾く、絵を描く、体を動かす、健康食を作る、掃除をする、いつも機嫌よくいる、自分を大切にする、人を大切にする、ワンちゃんを可愛がる、そういうことから始まるのではないだろうか。
何ができるか探す姿勢でいることが大前提ではあると思うのだが。

これから何ができるか夢の世界を探していこうと思う。
それがやっぱり会社員がいいとなるかもしれないし、全く別のことをしているかもしれないし、今はわからない。
手探りで掴み取る未来を楽しみにしている。
輝かしい将来のために今を楽しみながら働こうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?