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散文 #3 「遺伝とか都市伝説であってほしい」

年々、髪の毛のボリュームが無くなったのを実感する。髪をかき上げた時の手応えは薄れ、ワックスを付けても以前のように仕上がらない。持続せずペタッとなるのが早い。ドライヤーで髪が乾くのも早くなったような気もする。(そういう小さな時短は嬉しくない。)
家系はどうだろうか。父はもうすでに危うく、母方も見事な感じに仕上がっている。ある意味、優良種。サラブレッドやね。心配というより不安。やっぱり禿げたくないじゃないですか。いつまでもフサフサでいたい。

つい先日、行きつけの床屋の店主に頭皮の状態を見て禿げるのか、もう禿げてきているのかを恐る恐る聞いてみた。
店主「大丈夫、大丈夫。まだ頭皮は無事。毛が細くなってきただけですよ。」と笑顔で答えてくれた。まだ、大丈夫らしい。まだ。大事なことだから2回言われたし、こちらも2回言っちゃう。

まぁでも、いつか来るであろうその日に備えることも大切。それまで(抗うため)今できることをと家族で共有していたシャンプーを辞め育毛効果がある物へと切り替えた。高いのは買えないので、それっぽいやつ。シャンプーする時も頭皮を入念にマッサージ。風呂場の鏡に映る自分を見つめながら「まだ大丈夫。まだ。」と言い聞かせ、今夜も頭皮を労るのであった。

生きろ毛根。
頑張れ!と燃やす闘魂。
どれもこれも小さな抵抗。

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