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又吉原作「劇場」からの演劇の思い出

又吉原作の「劇場」は演劇人を描いた恋愛映画である。

アジフライは、高校生の時に演劇部であった。

高校を卒業し、演劇部の活動が終わった時、演劇部の仲間5人と地元で劇団を旗揚げする。

女優を目指して劇団の入団テストを受験したが見事惨敗し、一般企業に就職した仲間の活動場所を作ってあげたかったからである。その事を本人に伝えたのは、劇団を脱退した時である。

当時、専門学校に通いながら仲間5人と集い練習する日々であった。しかしながら、社会人2人、専門学生2人、短大生1人の5人であるから、スケジュールがなかなか合わず、集まりは悪かった。

アジフライは、高校の演劇部では恵まれた環境の中にいた。

同期が10人を超える大所帯だった為に、なかなか舞台に上がれない同期達のいる中、おじさん役であったが役をいただき、先輩との厳しい舞台練習を経験したので、舞台作りとは、こうあるべきであると言うものを持っていた。

劇団を旗揚げする間に、地元の別の劇団の客演を果たす。

高校では女子高だったために男性役も女子がこなしていたが、客演時には男性と演じる事によって、素のままの女性の自分で表現する事に衝撃を受けたものである。

演劇人の集まりと言うものは、集い深酒をしながらうんちくをだらだらと永遠に終わらないんじゃないかと思うような夜が多かった。それはそれで面白いと感じていたが、それは大人に成りきれない者たちの戯言の様にも感じた。

旗揚げの舞台は、テント公演であった。その時の脚本はアジフライが書いたのであるが、あの頃は熱病にかかっていたのではないかな。難解な世界が美徳と思っていた。

公演を重ねるごとに、チケットをさばく事に疑問を感じた。

前出にもあったが、高校の演劇部で舞台作りとはこうあるべきという思いが強かったからだ。せりふの覚えが悪いアジフライにとって、日々の練習の中で演技をつけながらせりふを叩き込み、演劇を作り上げる事に慣れていたせいもあって、練習量のあまりにも少ない劇団の公演の完成度の低さを感じており、他人に強くお勧めできないチケットを売り裁くことに抵抗を感じていたからである。

商業演劇なるものに、最後までなじまなかったのである。

専門学校を卒業し就職した先での条件は、演劇をやめることであった。

その条件のせいではなく、お金を払って観てくださるお客様に対して、完成度の低い公演を平気で提供する仲間たちが嫌だったのである。

劇団を脱退したあと、劇団の公演を観に行った事がある。

客演の男性が複数当たり前の様に共演していて普通に公演は終った。

女性5人が演じる演劇に価値を感じていたが、普通の演劇をする劇団となっていた。この時、劇団を作ったきっかけを告げる場面となる。

そして、劇団は解散した。

そして、演劇人からの卒業。

未だに表現する立ち場に居たくって、noteを書いている。


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