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ビジネスパーソンが地方創生で気をつけること【取材編②】

前回の記事で企業による地方創生の活動でビジネスパーソンが地域の方々から信頼を得ることが難しいことについて触れたが、今回はその理由について深掘りしていきたい。

■ビジネスシーンと信頼関係の構築の方法が違う
まず、信用と信頼の違いについて参考になるブログの記事があったので引用してみる。


信用とは、何らかの実績や成果物を作成して、その出来栄えに対しての評価のことをいいます。そのため「信用」するためには、実績や成果物が必要不可欠なわけです。この実績や成果物といった、過去の業績に対して「信用」するのです。

一方「信頼」は、そうした過去の実績や業績、あるいはその人の立居振舞を見たうえで、「この人ならこの仕事を任せてもちゃんとしてくれるだろう」とか「この人なら私の秘密を打ち明けても大丈夫だろう」などと、その人の未来の行動を期待する行為や感情のことを指します。もちろん「信頼」するためには何らかの根拠が必要ですが、その根拠を見たうえで、未来を「信頼」するというわけです。

https://blogs.itmedia.co.jp/tani/2011/10/post-f5e5.html

地方の方々との信頼関係を構築する為には、自分の土俵で知識や実績をアピールのするのではなく、相手が何を評価するのか、何について興味を持っているのかを徹底的に把握し、その上でこちら側の情報を伝えていく必要がある。

取材においても全く同じで、自分の興味のあることを一方的に聞いても心を開いてくれない。取材相手の過去の原体験の話を寄り添いながら聞いていくことで、今の仕事に行き着いた理由や価値観の話、親兄弟・家族の話、若い頃の夢の話など、表面的には見えない話に本気で共感していくことが重要である。

引用した記事の中に信用とは過去の実績や成果物とある。僕らは1.5hの取材の中で話をしてくれた内容を取材メディアという形で記事化している。

まち冒険(https://machibouken.jp/

取材で話をした内容が、魅力的な記事になっているということが成果物への信用に繋がる。この信用を得ることが地方の方々との関係作りにおける1stステップとして超重要なのである。どんなに素晴らしい自分の実績の話をしても、取材相手が喜んでくれる記事を書くことの方が信用される。

そして、想いの詰まった良い記事を書くことができると信用サイクルが回り出す。取材をさせて頂いた方が、次々と仲間を紹介してくれるようになるのだ。これはどの地域に行っても同じことが起こる。これは僕の仮説だが、取材する側とされる側ではあるものの、一つの共同作業になるからだと思う。文化祭で同じ作業をしていた男女が恋に落ちる関係と同じような感じだと思う。

■取材した方々と持続的な関係へ
記事を作成しメディアに掲載して終わりではない。むしろ、そこからが始まりである。一緒にできる活動を想像し、こんなことができたら良いと思うことを一緒に構想する関係に昇華させることを目指す。

というのも、外部の人間として地方に関わることはどんなに頑張ってもプレイヤーにはなれないからだ。そもそもその土地に住んでいない人間はプレイヤーにはなれない。数日地方で過ごしただけのビジネスマンが地域の活性化に必要なことは〜〜だ。とプレゼンテーションしている現場に足を運ぶ機会があるのだが、地方の方々の冷めた表情は見るに忍びない。

地域の方々との信頼関係を作ることで、お互いの役割を認識し合い継続的な関係を持ちながら活動を続けることが持続可能な関係になると僕は思っている。実際にそれができているビジネスマンは地域で活動を起こしている。

これからのwithコロナ時代を見据えて地方が再注目されてきているが、地方でチャレンジを考えている方々には是非、住民の方々との信用作り→信頼のプロセスを意識して取り組んでほしい。

次回は、地方創生をする上での企画の考え方について書きたい。

続く。

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