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ピースマインド研修講師インタビューvol.3~グローバル企業のシニアビジネスリーダー経験を活かし、コーチング技術を交えた研修が人気!Mete Yaziciさんの「はたらくをよくする®」研修とは?

こんにちは。
ピースマインド広報の末木です。

コロナ禍で感染抑止のために加速したテレワークは、ニューノーマルな働き方として定着しつつあります。ピースマインドが提供する研修も、従来の集合研修実施が難しい状況下で、オンライン研修のニーズがますます高まっています。
ピースマインドには、変化が大きな中でも柔軟に、それぞれの専門性を活かした研修で評判の研修講師がたくさんいます。

今回は、ピースマインド認定講師で国際コーチ連盟(ICF)認定資格プロフェッショナル・サーティファイド・コーチ(PCC) 、米国CTI認定 プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチ(CPCC) 資格をお持ちのMete Yazici(メテ・ヤズジ)さんにインタビューしました。豊富なシニアビジネスリーダーの経験を踏まえ、コーチング技術を活かしたインタラクティブな研修に定評があるMeteさんに、研修の工夫やモチベーションに感じる事などを、ピースマインド研修部グループ長の石川裕子さんと共に伺いました。
(インタビューは、2021年8月中旬にオンラインで実施しました。)

note_研修講師インタビュー_Mete講師プロフィール

グローバル企業のシニアビジネスリーダーから研修講師に転身

末木:
外資系金融、保険会社のプロジェクトマネージャーやIT企業での役員など、シニアビジネスリーダーとして活躍されてきたMeteさんですが、どのような経緯で研修講師になられたのですか?

Mete:
社会人経験の中で、働きにくさを感じることは誰しもあると思います。私の周りの同僚や友人にも休職している人がいて、「この課題を解決するにはどうしたらいいのだろう?解決方法がわかれば、みんながこんなに辛い思いをしなくてすむのに。」と思うことが多かったんです。40代になった時、はたらく人のメンタルヘルスやコミュニケーションの課題への関心がさらに高まって、自分にできることは何だろう?と考えるようになり、「人間がどういうものなのか」という理解を深めるためにコーチングの勉強をしたり、心理学のマスターを取得しました。「社会をよくしたい」とか「個人の働き方をよくしたい」という目的のために、私が得た知識を社会に還元する手段として、研修講師の道を選びました。

末木:
ピースマインドは、「はたらくをよくする®」会社です。どんな会社も、はたらく人=個の集まりでできているので、「はたらく人」ひとりひとりの課題に向き合い、丁寧にサポートする体制をつくるために、「個=人」の存在を大切にしています。Meteさんの想いとピースマインドのミッション・ビジョンは親和性が高く、「はたらくをよくする®」を共創してくださる心強いパートナーだと感じます。

石川:
お客様のニーズに合わせて創意工夫を凝らした研修を実施してくださるので、本当に心強いパートナーです。

Mete:
ありがとうございます。私はピースマインドのミッション・ビジョンに強く共感し賛同しているので、それをお客様に届け、よりよい影響を与えたいと心がけて研修を実施しています。

末木:
組織の中における働きにくさを解決する手段として、コーチングの勉強から始めたと仰っていましたが、Meteさんのキャリアの中で、実際にご自身が感じていた働きにくさはどんなところですか?

Mete:
あくまで私の経験ですが、外資系企業の場合、主導権は日本にない事が多く、決定権は海外にいる上司にあるので、方向性がコロコロ変わっても自分たちには何もできないという無力感がありました。上司も役員からの要望に応える事や成果をあげる事に精一杯でゆとりがない状態。予算が厳しく人件費の削減を求められることもあり、上司にはプレッシャーがかかります。上司が抱えるプレッシャーを、部下に辛くあたるなどの行為でぶつけてしまうことも増える。そうなると組織にはさらに余裕がなくなってしまいます。
私自身が経営者から「サバイブできない人は辞めても構わない。」と直接言われたこともありますし、同じような環境で働く友人からも同様の話をよく聞きます。

末木:
ハードな労働環境の中で、ハラッサーになってしまう上司にも悩みや課題があるということですよね。

Mete:
私自身、若いころは仕事をする上でストレスがたまっていくことも、管理職がハラスメント的な言動をすることも、ある程度は仕事の一部だと思っていたところもありました。しかし、コーチングの勉強をしていく中で、そうした管理職は、実はその人自身もプレッシャーで苦しかったのだろうと気づきました。そこから「人=個にフォーカスしないと始まらない」と考えるようになりました。

コロナ禍で、オフィスワークから自宅でのリモートワークというように、働く環境が物理的に移行しました。一人ひとりの社員が自宅で働く状況は様々ですから、私たちは、仕事が、組織が、会社がどう変わらないといけないのかという課題に直面したわけです。こうした状況の中で、改めて「やっぱりフォーカスすべきは人だった!」と改めて感じました。

コーチング技術を活かしたインタラクティブな研修

末木:
Meteさんの研修は、コーチング技術を活かしインタラクティブなところに定評があります。さまざまな変化に適応できる人材の育成やいきいきとしたチーム・職場づくりを促進するために、研修の進行上、工夫していることを教えてください。

Mete:
私が実施する研修のテーマは、知識をインプットするタイプのものもあるのですが、参加者の方々の理解を深め、研修内容をご自身の仕事や生活の中にとり入れていただくために、まず研修の始めに「いまどんな課題を持っていて、今日の研修で何を持ち帰りたいか」を聞くようにしています。研修の合間にも要所要所で、振り返ったり内省化してもらう時間をつくっています。

末木:
知識はただインプットされても、腹落ちしないとなかなか自分の行動に結びつかないと感じます。自分で考える時間を通して知識を消化し、自分の持っている課題解決の道を探る時間を大事にされているということですね。

Mete:
コロナ禍でオンライン研修がメインの今は特に、メールなど他の仕事と並行して研修を受けている可能性もありますよね。参加感を高めるためにも、「ちょっと今考えてみましょう」と区切って振り返る時間を意識的に取っています。

末木:
内資の企業で参加者が全員日本人の場合、オンラインの研修でも対面の集合研修でも、講師が発言を促してもなかなか意見があがらない事もあると聞きます。Meteさんが数多く対応されている外資系企業の外国人向けの研修の場合には、なにか違う傾向がありますか?

Mete:
外資系企業の多くの外国人の方々には、自分の意見をはっきり伝える文化があると感じます。研修のテキストに書いてあることについても、自分の意見と違う場合には、「これは違うと思います。なぜならば・・・」と、ディスカッションが始まることもあります。議論することが好きで積極的に関わろうとする姿勢の方が多い印象です。

末木:
内資の企業でも、オンライン研修に移行して、講師がチャットでの書き込みを促すと意見が出るようになったと聞きます。Meteさんが感じるオンライン研修ならではの利点はありますか?

Mete:
オンライン研修では、関わり方が変わってきますよね。例えば、研修時間が限られていて、私が説明するパートが多くて参加者に声をかける時間が短い場合は、研修全体の雰囲気もシーンとする。ところが、「他社でもよく聞きますが、こういうことってよくありますよね」とその企業の業種や文化に沿った具体的な事例をあげて話しを進めていくと、「その課題は私も抱えていました」と参加者の方々が自己開示してくれるケースが多いです。

末木:
進行の中で、参加者が共感し意見を出しやすくなるように工夫をされているのですね。

石川:
Meteさんの事例はとてもリアルなので、参加者の方々から「そうなんですよ、そういうことあるんですよ。」と会場が湧いて、質問がどんどん出たり「私はこう思うんだけど、みんなはどう?」と議論が進みます。
オンラインの研修では、マイクをオンにして発言いただきながら進めていくケースもあるのですが、適正な人数というものがあります。参加者が30人ともなると発言しにくくなったり、一部の方の参加に留まったりしてしまうので、チャットの書き込みをよく使います。Meteさんのファシリテートに呼応して、チャットであっても声を出して話しているかのような臨場感あふれる自然なやり取りがなされています。

Mete:
私も初めの頃は、自己開示することには葛藤があったんです。自分自身の経験を語るのは恥ずかしいし、その例が他の人にあてはまるかどうかもわからない。でも、自分の失敗例も含めて話すと「教科書通りに話している講師」ではなく、「この講師なら話しやすいかも」と親近感を持っていただけると実感しています。共感が生まれると相手も自分の事を話しやすくなり議論が活性化します。

特に、本人の課題にリーチしながら「テキストに書いてあることはこういうことですよね」とダイレクトに話ができた時は、参加者の満足度が高いと感じます。いただく質問の中には即答が難しいものもありますが、「この場で回答できなくて申し訳ないです」という態度で接すると相手も「答えにくい質問をしてすみません」と恐縮してしまうので、「こんな考え方もあるよ」と紹介したり、「この先の相談窓口として、EAPを使う事もできるよ」と、課題解決の手段を示すなど、オープンな気持ちでコミュニケーションを取る事が大事だと考えて実践しています。

末木:
参加者の方々が個々に持っている課題は、研修の中だけで解消しきれないことも当然あると思います。課題解決の手段としてEAPの活用は有効だと思うのですが、EAPを使える環境にいるのに使い方がわからない方も多いのでしょうか?

Mete:
EAPの使い方は知っているけど、「カウンセリングを受ける=弱い・恥ずかしい・不調」といった心理的ハードルがまだまだ根強くあると感じます。「どのシチュエーションでどんな状態の自分がEAPを使うのか」というイメージも含めて、利用することのメリットを研修の中でも紹介しています。

末木:
研修の中での学びに加えて、次のステップに進むきっかけづくりをされているのですね。Meteさんに紹介してもらったら、試しに使ってみようかなという気持ちが自然と湧きそうな気がします。

Mete:
私は自分が完璧な人間だと驕りたくありません。私だって時にはストレスを抱えることもあります。だからこそ、いろいろ悩んだり考えて試行錯誤しながら、ストレスに対処している。私なりにマインドフルになる道をいつも研究しているという感覚です。一人でも多くの人にメッセージを届けたいです。

誰もが発揮できるセルフリーダーシップとマインドフルネス

末木:
はたらく人が自分の課題解決をするために特に大事なことは何ですか?

Mete:
コーチングを勉強する中で気づいたことなのですが、一般的に言われる組織のリーダーとリーダーシップはニュアンスがちょっと違って、役職は関係なく誰もが発揮できるセルフリーダーシップが大事だと考えています。それはどういうことかというと、自分がどうやって先に進むか、自分を俯瞰し理解しながら、自分に働きかけていく方法を考えていくことです。

「周りや状況が変わらないと何もできない。そんな自分はかわいそうだ。」と思ってしまうこともあるかもしれません。そんな時、セルフリーダーシップがあれば、「自分がいま進められることは何か?」を考え、ライトなステップでも少しずつでもできることを探して状況を改善していくことができます。

末木:
「状況をよくしたい」というマインドが課題解決の糸口になるのですね。

Mete:
役職についていない一般職の方だとしても、チームの動きをよくするために自分に何ができるのか?上司に見えていない視点に気づいてもらうために自分に何ができるか?自分主体で考えていくことがリーダーシップです。リーダーシップがテーマの研修ではなくても、誰もが自分の人生のリーダーになってほしいと願っているので、そのメッセージは伝えています。

末木:
日本人は、主役になることが苦手な人が多いように感じます。

Mete:
自己犠牲的な傾向はあるかもしれないですね。必要以上に頑張らないといけないと思いこんでしまったり、周りにどう思われるかを気にしてしまって、自分の事を忘れてしまう方も少なくないと感じます。変えづらいかもしれないけれど、それを確認していく必要はありますよね。

石川:
自分が主体になると、これまでかかってきたプレッシャーやストレスも違った見方ができて、それがストレス低減につながることもありますよね。ストレスマネジメントやキャリアプランにおいて、自分の運転手は自分だという自覚が大事ですよね。

Mete:
本当にその通りです。選択肢を色々出しても決めきれない。決められないと先に進めないので、苦しい。どこかで変化をつけないと行けないという場面は多いです。

末木:
研修の中で見える参加者が持っている共通の課題などありますか?

Mete:
これから世の中どうなってしまうのか?という不安の声はコロナ禍でよく聞くようになりました。コロナ禍でもそれ以前からもいつもあるのは、上司や同僚との関係など職場のコミュニケーションの課題が圧倒的に多いです。タイムマネジメントに関する相談もよくあります。リーダーシップの話につながるのですが、「働く時間が長くて、土日も働いています。いつも疲れています。どうしたらいいですか?」といった相談を受けることがありますが、人に回答を求めるのではなく、自分で回答を導き出す発想に転換しないと根本的に解決できない課題ですよね。

末木:
自分の人生を自分でデザインしていく発想があれば、課題解決の道が見通せるように思います。

Mete:
自分が感じているプレッシャーの元には何があるのか?を掘り下げていくことも大事です。タイムマネジメントがうまくなりたい、よい部下になりたい、同僚に迷惑をかけたくない・・アレコレある課題も優先順位をつけて整理する必要があります。
自分で全部やりきろうと真面目に向き合い過ぎて自分をどんどん追い込んでしまう。だから他人に解決方法を求める傾向があるのかもしれません。

石川:
Meteさんが考える、これからの時代に必要な研修には、どんなものがありますか?

Mete:
現在もマインドフルネスの研修を実施しているのですが、このテーマをもっと業務や生活に落とし込んでいきたいと思っています。マインドフルネスとメンタルヘルス、仕事の効率を掛け合わせて統合できるような研修です。

石川:
なるほど。Meteさんに行っていただいたマインドフルネス研修でのワークは、正に、仕事の会議と会議の合間の時間にできますよ・・・というもので、目から鱗でした。一般的に紹介されるマインドフルネス呼吸法とか、マインドフルネスウォーキングとかって、特別に時間をとって取り組まなきゃいけないのかな、と思ってしまうところがあります。それはそれで一つの方法だと思いますが、Meteさんのワークは、例えば、今、手元にあるものを順番に五感を使って集中して感じ取る、といった、日常のちょっとした時間にゲーム感覚でできそうなものでした。そのわずかな集中する時間にカオス状態から気持ちを静めて、自分を準備して、次の仕事に向かう。マインドフルネスの本質をよくご存知だからこそ、こうしたワークができるのだな、と思いました。

Mete:
はい。現在も勉強を続けて、マインドフルネスの理解を深めています。

「はたらくをよくする®」とは?

末木:
Meteさんにとって、「はたらくをよくする®」とは、どんなことですか?

Mete:
研修で参加者の方々に「あなたは何のために働いているの?」と問いかけることがあるのですが、「家族のためです。」と答える方がとてもたくさんいます。「家族のため」という理由は最もだけれど、それだけだと業種や仕事内容は何でも構わないということになるので、よいアウトプットが生まれないと思います。中には、何のために働いているのかなんて考えたことがないとか、仕事はそもそも楽しいものじゃないとおっしゃる方もいて驚きます。

楽しく仕事に取り組めて高いモチベーションがあれば、仕事にもよい影響があるはずです。そういう状態になることが当たり前でウェルビーイングな状態を保つことが「はたらくをよくする®」ことだと思います。誰かのために一生懸命頑張る事も大事だけれど、まずは自分自身がセルフリーダーシップを発揮して、自分自身の人生のリーダーとして好きなように楽しく仕事ができる人が増えることを願っています。

末木:
ありがとうございました!

参考情報

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◆ピースマインドのカウンセリングサービス紹介動画

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