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あとがき

クリスマスイブから書きはじめ、先程完結致しました。

いやぁ。

もう、なんか、サウナで超絶に整い散らかした時のような爽快感。


作中の佳那は、作者2 拝啓あんこぼーろがよく通うスタバに現れたり、

作者1のあきやまやすこさんが空港の待ち時間で立ち寄ったスタバに現れたり、

二人の作者を、楽しませたり、時には苦しませたりする存在でした。






今回は、本来、佳那が出会うはずのなかった、大阪の堀夫妻と会うという、ドラえもんの映画の最後の方に、ドラえもんずが登場するボーナスシーンのようなものを描きたかったのですが、それ以上のものを書いちゃったという感じです。書いてて楽しかったもの。



今回のスピンオフ作品の核は二人の交わるシーンと、食事のシーンです。

一緒に何かを食べる。

お互いを口に含む、体内に入れる。


そういうところから、描けるものもあるんじゃないかと思って、書いちゃいました。作中に出てきた料理は、僕が考えたものなので、いずれ作って写真をアップしたいなぁ、と思っております。作中の性交も機会があれ




さて、今回は、佳那の目線からすべてを描きました。

佳那の夢、いったいなんなんでしょうね。

気になりますね。

それは各々が、想像してくださいね!

それではまた!

お読みいただいてありがとうございます!!!!

拝啓 あんこぼーろでした!





























諦めずに、謎の空白をスクロールしたあなたに、特典!

ここからは、作中では語られなかった裏事情を描いていきたいと思っております。

そう!一切誰も求めていなかったとしてもねっ!


そう!求められていなかったとしてもね!!!!


シュウと佳那は、どちゃくそにいろいろぽろろんあったのです。

横浜で行われるボートショーの中の「うみぜみ」と呼ばれる来場者参加型の講座を二人で担当する事になりましたね。

ヨットと風の関係性を子どもたちと模型を作りながら実感出来る体感講座でしたね!

そのうみぜみ終了後、参加者からも、主催者からもかなり評価が高く、佳那たちの会社に、船舶製造連盟の方々から問い合わせが入ります。

実は船舶業界は、下火になっているということもあり、業界全体でこれをもりあげていく方法はないか模索していたのです。まずは船を好きな人間を作らないといけないので、子供を対象にしたワークショップやイベントを、連盟で考えていました。そこへ佳那とシュウの参加型講座が反響があるという情報が彼らの耳に入ったのです。

その後、シュウたちは、さまざまな種類のイベントや講座を企画し、小学校や中学校にも赴き、授業やワークショップを進めていきました。なので、シュウと佳那は、横浜のショーが終わったあとも、「広報部」のような動きを二人でしていたので、距離はいっきに縮まりました。

そして、他の要望があった船舶企業へ出向し、どんな講座をやっているのかをレクチャーしにいくような仕事もありました。シュウも、佳那も、講師として動いていたのです。

そういう経験もあったので、シュウにも佳那にも、営業としてだけではなく、対人スキルとして、かなり自信がついていました。だからホテルでも、シュウは落ち着いてるという演技に長けていたんですね。正直本人は性欲を我慢することや、初めてのホテルで挙動不審を隠すことに精一杯でした。



そして佳那は、東京で働きながら、女性の働き方や生き方についていろいろ思うところがありました。会社で働く女性として、嫁や妻、母として、女性って大変だな、と思うシーンをたくさん見聞きして経験してきたので。

私が人びとに対してできることってないのかな、と考えるようになります。

そんなとき、佳那の岡山県にすむ祖母が亡くなります。だれも住まなくなった、倉敷の古い家を前に、寂しい気持ちのまま、佳那は考えました。

このまま、ここを取り壊さずに、何かに使えないのかな。




その家はこちらの作中に出てくる、佳那が負われていた家です。


「考えてもしょうがない、花は咲くことしか考えない」

という記憶の中のおばあちゃんのことばに、東京で自信を失っていた佳那は勇気付けられます。

だからこそこの家を、なにか世の中に役立てたいと思ったのです。

そして佳那は漠然と、自分がよくいく東京のカフェのことを想いました。佳那はそのカフェでほっと息をつく、ということの大切さを感じていました。カフェっていいな、って思っていました。

そして小学生や中学生への授業に関しても、思うことがありました。つまらなそうな顔をして聞いていた子供も、話を続けていると顔が輝く瞬間があるのです。

学校が嫌いなんじゃない。どうやって自分の好きを探せばいいのか知らないだけなんだと、佳那は思いました。学ぶことが楽しいって思えれば、子供たちは自ずと学んでいきます。目をキラキラさせて。だから、そういう講座をもっともっとやってみたいと思うようになるのです。そうすれば、いろんな事に目を輝かせることが日常になるかもしれない。そんな素敵なことはないって、そう思ったのです。


そこで、堀夫妻の店 ラ・カーサ・フェリーチェを体験することになります。家族になったように感じる店。ずっといたいと思えるような、幸せなお店。なので、イタリア語で「幸せな家」という意味の店名なんです。

そこで、佳那の気持ちがとても大きく動きます。

私もやってみたい!

こんな風に、人の心を暖めることがしたい!

それを、シュウに、白いベットの上、朝の光の中、語るんです。

女性が母や妻じゃなく、1人の女性に戻れるような場所。

学校や塾じゃなくても、子供が学びたいと思えるような楽しいことを教えてくれる場所。

そんな場所が作りたい!って。


あの大阪の日から、三年後、佳那は会社を辞め、祖母の住んでいた家に戻り、改装を始めます。

シュウは広島本社勤務なので、車で佳那に会いに行き、週末はその改装を手伝いました。佳那はもともと広島本社の営業だったので、岡山で佐伯ちゃんがカフェやるらしいよ、と聞き付けた関係業者さんたちも、彼女の店の改装工事に顔を出すようになります。夏場にポカリを持って来てくれたり、おにぎりを差し入れてくれたり。

佳那と付き合いのあった船舶の職人達も、

佳那ちゃんの店ならタダでいいよっ!やるよ!

と言ってくれて、内装はほんとにタダで出来ました。その代わり職人達には、月に一度2年間、タダで食事が振る舞われるチケットが渡されました。驚くべき低予算で、佳那の店が出来上がったのです。




昔、子供たちが通った「寺子屋」と、

昔、女性たちの唯一のシェルターだった「駆け込み寺」をコンセプトに、

「喫茶 tea ra co」 は誕生しました。

オープン前日、プレオープンのイベントがあり、働いていた会社の同僚や、東京支店の上司、両親、友達、船舶関連の職人さんたち、その家族、たくさんの人たちが集まりました。佳那はなんども涙ぐみましたが、なんども笑顔になりました。

そしてなんと大阪からは、堀夫妻も駆けつけてくれました。手土産に、卵色のかわいい湯飲みを10組、そして沢山の小山園のほうじ茶を持って。

もうその頃には、シュウと佳那の二人の婚約は公然の事実でしたが、まだ結婚はしていませんでした。

イベントの終盤、オーナーである佳那が人々の前で感謝の挨拶を述べようとしましたが、号泣してしまい、一言もしゃべれませんでした。シュウも、泣いていましたが、シュウが代わりに挨拶をしました。


みなさん、本日は、このお店のために、そして、佐伯佳那のためにお集まりいただいて本当にありがとうございます。あの、僕はオーナーでもなんでもないんですが、ちょっと、こいつが、これなんで(一同笑)、僕がちょっとこいつが泣き止むまで、間を繋ぎます

(めちゃめちゃおもろいこと言えよ!シュウ!と堀さんが声をあげる。佑子さんが真顔で堀さんの肩を殴る。一同笑。)

佳那は、僕が言うのもなんですけど、自分のやりたいことに精一杯、時間と、想いをかけてやってきました。僕は佳那を、こいつを、ほんとに尊敬してます。この人は僕の先輩ですが、入社の時からずっと背中を追って来ました。今も、こんなにたくさんの方々に愛されて助けられているこいつが、ほんとに憧れです。羨ましいです。だって、船舶関係の方々、僕がお店やるって言ったら手伝って頂けますか?

(職人達は、全員鼻をほじったり時計を見たりして誤魔化す。一同笑。そこまでなんすか?!!何かしました?!ぼく?!!とシュウが言う。一同笑。)



いや、ほんとに、みなさん、ほんとうに、いろいろな場面で佐伯佳那を、このお店を助けていただいて、ほんとうにありがとうございます。ほんとうに、ありがとうございます。

(シュウは深く深くお辞儀をする。10秒間。)

(あまりに長かったので、堀さんがなにか、ちゃちゃを入れるかもしれない、と思って祐子さんは堀さんを見ましたが、堀さんは庭に出て星空を見上げて号泣していました。)

みなさま、今日は、あの、誠に恐縮なのですが、皆さんの1分間を、僕にいただけませんでしょうか。ちょっと今日は、佐伯佳那に、伝えたいことがあるんです。

(シュウは、まだ号泣している佳那の前に立ちます。一同静まりかえります。祐子さんが、ハンカチを口に押し当てます。)

佳那、前に大阪で、婚約指輪渡した時、「佳那がもっともっと輝いた日に結婚してください」って、言ったよね。覚えてる?

(佳那は、2度頷きます。)

俺は、今がその日だと思ってる。

だから、この指輪を、嵌めてほしい。

今日は、いい?って聞かないよ。

(佳那は号泣しながら辛うじてうなずきます。)

(白い指に、前の指輪よりも少しだけ石の大きな指輪を、シュウが嵌めました。一同拍手して、なぜか堀さんが胴上げされました。堀さんは胴上げされながら、なんでやねん!を泣きながら連呼していました。)

結局、佳那は、最後に泣きながら、感謝しかありません、と言うのが精一杯でした。でも、涙でずぶずぶの顔で、来店者ひとりひとりにお辞儀と握手とハグをしました。前に、佑子さんが佳那を抱き締めた時みたいに。

だれもいなくなった喫茶「teraco」でシュウと佳那は黙って星を見上げます。

秋風が吹き、虫たちが草むらの中で歌って踊っています。

どうやら、ふたりなら、なんだか、だいじょうぶそうですよね。

そう思いませんか?





ここまでお読みいただいて、

ありがとうございました!

拝啓 あんこぼーろでしたっ!

しめじさん!

水野うたさん!

読者のみなさん!

あきやまやすこさん!

ありがとう!

楽しかった!

  




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