リレー小説「不確かな約束」を書いて。
しめじ企画のリレー小説「不確かな約束」に参加させて頂きました。
(*’ω’ノノ゙☆パチパチパチパチンパンジー
ほんの少しだけあらすじをとても分かりやすく説明します。
高校 卒業 カレカノ 別れる
七年 経ったら また会う 約束
別々 の土地で 七年を 過ごす
という内容です。詩っ 詩ができたっ
淀川さんだったら、いやぁ甘酸っぱいですねぇ、とか言うんでしょうか。淀川さんご存じじゃないですか?ほら、さよならさよならさよなら、の人ですよ。
男の子をシュウ編
女の子をユキ編
それぞれを、リレー形式でnoterの皆様と繋いできました
ユキ編は立候補の方々がたくさんいらっしゃったので、さまざまな切り口、さまざまなアタック、さまざまな角度の多種多様な言葉の戦が繰り広げられました。圧巻でした。
対してシュウ編は、立候補者がおらず、僕と、もうおひとりの、あきやまやすこさんと、お繋ぎました。
今回のリレー小説、まだ残り一章を残して終結はしていないのですが、一応はシュウ編が落着したので、今回のこの記事は、シュウ編あとがきのようなものでもあります。
リレー小説。楽しかったですね。たくさんの可能性があるなかで、前の章から引き継ぐ過程で、制約や道筋が生まれ、すこしづつ形が固まっていくような、イザナギとイザナミの国産みのように、液体が固体に少しづつ固まっていくような熟成されていく楽しみがありました。
僕は、聲の形という漫画の作者、大今良時さんが好きなのですが、彼女(女なんです)が言っていたインタビューの時の言葉が心に残っています。今回のリレーでは、終盤でその意味がしっかりと腑落ちしました。
聲の形のキャラクターのなかで、思い入れがあるキャラクターはいますか?という質問に、彼女はこんな風に答えました。
ひとりひとり感情を込めて描いているので、全員に思い入れはあります。でも、誰が好きという感情はあまりないです。作者は、登場人物たちにとって神なんです。だから突然殺すことも出来る。なんでも出来る。だから特に誰が好きとかどうとかはないです。
↑かなりうろ覚えなので、1割くらいの正確性だと思います。
今回のリレー小説を書いていくうちに、登場人物たちが勝手にしゃべっていく現象が起こっていました。なので、場面設定を神(僕)が行うと、あとは登場人物が会話をするのです。これはとても楽しい経験でした。そしてある意味彼らに感情移入はしながらも、どこか距離をとっている視点の僕がおりました。神としての僕です。神様はこんな感じなのか。
ただ、今回、たった一人だけ神様として適切な距離をとれなかった人物がいました。あきやまやすこさん執筆の、シュウ就職編 登場人物 佐伯カナです。彼女は、別の神様が作り出したキャラクターだったので、最後まで自分の支配下には置けませんでした。ですので、あきやまやすこさんが書いた就職編の後の、再会編は、今回のリレー小説のなかで一番難しく感じる回でした。その分、今では達成感がありますっ。
1章から10章まである小説の、9章目である、シュウの再会編ですが、
「あるたったひとり」に読んで欲しいと思って書きました。
その人は、シュウ就職編を描いたあきやまやすこさんです。彼女に読んで欲しくて、あの章を書きました。
シュウには、カナにしたことを謝らせたかったし、カナはカナなりに、勝手な解釈(そんなに真剣に思ってくれてるとは思ってなかった、的な。)もあったりして、実は二人がつながっていない感じがすごくありました。
シュウ就職編に入ってから、テイストが一気に変わりました。テーマも変わったように思いました。就職編からは、コミュニケーションというテーマにずいずいと深く入っていきました。けれどもそのコミュニケーションはうまくいかず、二人が離れる結果になったわけです。どけんかせんといかん、二人をどげんかせんといかん、再会の機会くらいはもう一度与えてどげんかせんといかん、と九州出身の神はそう思ったわけです。
二人の再会の機会をzoomで与えてみました。すると、カナの方がほんの少し、歩みよりを見せ、罪悪感を抱いていたはずのシュウ(お互い罪悪感はあったのだけど。。)は、カナを突き放します。それでもカナは押しのコミュニケーションを繰り広げます。あのときの会話は、神として聞いていると、とても面白いものがありました。別々の神々から生まれた二人がなんとかコミュニケーションをとろうとしている姿。神と神とのコミュニケーションって以心伝心だと思うので、「人間は大変だよなぁ」と、感慨深く見つめておりました。
シュウは、話のなかで、謝ったり、尊敬を伝えたりすることができました。ほんとうによかった。カナも自分の思い違いや勘違いを伝えることができました。
でも、結局は、コミュニケーションってどこまでいっても不全だと思うんです。絶対に不完全だと思うのです。人と人がわかり合えたっていうのは、僕は妄想だと思っています。大まかに何となく分かったような気持ちにはなるけれど、完全にピッタリと一致してわかり合えるわけがないなぁ、と思ってます。
それでもやっぱり互いに歩み寄るというのが、人類のやってきたことだと思うのです。なんとか努力して歩み寄って分かろうとして、歴史が紡がれてきました。戦争もありますが。
就職編での、コミュニケーションがとれていた「つもり」
から、
再会編での、コミュニケーションの、とどの「つまり」
へ。
就職編と再会編は、対をなす、イザナギとイザナミのような、狛犬の阿吽のような、田植えと稲刈りのような、陰陽で対を成しているような気がします。どちらも陰だし、どっちも陽なんですけど。
しめじさんのシュウを引継ぎ、やすこさんに渡し、またそれを引き継いで、シュウ編は一旦終わりました。
読んで欲しい、と思っていたやすこさんから感想のコメントが入りました。「涙を流した」という感想を見て、とってっもっ嬉しくなりました。シュウとカナの、ヨット教室に参加した子供のように嬉しかったです。
ユキ編はまだ完結しておりません。再会した2人が、どんな顔で何を話すのか、。。固唾を飲んで見守っております。
この企画に参加出来て、そして楽しませてもらえて、参加してとても良かったです!
しめじさんありがとうございます!
もしサポートして頂けた暁には、 幸せな酒を買ってあなたの幸せを願って幸せに酒を飲みます。