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100歳の方から「目新しいマスクを」

 おどろき

100歳の方からマスクのオーダーを受けた。驚きは「不織布マスクに飽きたから目新しいものがほしい」と仰ったこと。
新しい何かを探す100歳。すてき。
 決めた。この方へのマスクはリバーシブル仕立てにする。もちろん同日で裏・表を使わないようお話する。ありきたりでない、"ちょっとした仕掛け"があるものを作って楽しんでいただこう。


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 以下、リバーシブル仕立てマスクの縫製手順です。パターンは自作です。製図をデジタル化できないので「どこをどう縫っているのか分からん」な記事でごめんしてけろじゃ。

これでもかと画像が並びます。まあ、のんびりご覧ください。

表布を控えずに

 通常の仕立ては表布を1〜1.5mm控えて(ずらすの意)本縫いしますが、表布と裏布をずらさず布端を合わせた状態で縫います。

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お鼻側を縫います

 左右のゴム通し口を縫い残し、お鼻側を縫います。
縫い残した部分をアイロンでととのえ、コの字にコバステッチ。

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縫ったらこまめにプレス。
きれいな仕上がりのコツです


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巾着袋の、ひも通し部分の要領です。


あご側を縫います

  ゴム通し口と返し口を縫い残し、あご側を縫います。
 長方形に出っぱった部分はゴム通し部分の見返しです。

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(ほつれにくく)

 ゴム通し部分はゴムが動く・洗濯でこすれることを考え、ほつれ糸が飛びでてこないように縫い代を多く2.5cmとしてあります。ほかの縫い代は1.0cm。

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 お鼻側同様、あご側のゴム通し口をプレスしてコの字にステッチします。ステッチ巾は布端から約1.5mm。

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表布と裏布、どちらから見ても布のはみ出しがないように仕立てます。

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折り紙みたいでしょ


(お肌に優しく)

 タックは表布と裏布とで互い違いに倒します。
 タック山を適宜カットし、更にフラットにします。仕上がったときに肌に当たる段差=肌の擦過ストレスが減り、優しいつけ心地になります。

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両端を縫います

 両端を縫い代2.0cmで本縫い。ここにゴムが通ります。

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あご側の、縫い残しておいた返し口から表に返します。

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 ステッチするときは下糸が鳥の巣にならないよう、引き出しておきます。工業用ミシンは基本的に下糸を針板の上に出すことはせずガンガン縫製するのですが、小さなものを作る時はこのひと手間を経るときれいに仕上がるので好きです。


完成!

 水色系をご希望でした。無地とサッカーストライプ、どちらも涼しげ。ゴム紐はゆるく結んでお届けします。お好みの長さに結び直し、結び目をゴム通し部分に引き込むと肌にあたらずゴロゴロしません。

どうぞお元気で!

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無地…綿100%ブロード(日清紡)
ストライプ…綿100%サッカー

針…オルガン9番

糸…シャッペスパン60番


お読みいただきありがとうございました。完成品をご入用の方、ご入金方法など本当にレトロですがそれでもいいよという方は

Twitter たくまの@夏マスク多め @e0mwzxy5pM2jklp

にてご連絡ください。Mサイズ・Lサイズ共に一枚¥1,000でご用意いたします。送料: ¥180(スマートレター。ポストへのお届けです)

表布はいろいろなご用意があります。男性のビジネス向きのグレー系、さりげないお洒落な細かいハウンドトゥース(ミジン千鳥)、細いストライプなど。


さて、ミシン部屋に戻ります。


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