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こんなふうに P2(リーンの絵)

「あんまり洒落すぎて、来る人が、場違いじゃん俺ら
みたいにならないようにしないとな」

「んっなわけないね。鏡見てる?やばいよ」

「まじ?」

「お店がおしゃれすぎたって言うのはあるけどね」

ギリギリまでメニュー表とカードと食器を用意しながら
一日の流れを予想し合った。

「売れるかな」

「売れるよね」

「俺たちの目的はその先だからな」

・・・♪   ・・・♪   ・・・♪   ・・・♪


「こんにちは。どうぞ」

sayaが入り口付近で顔のパーツを動かす。

それを見てpがjのマスクのゴムを引っ張る

「剃っているよな」

「昨日剃った。ひげがあると結構蒸れるのナ。マスクの中」

「男を無精したからって女にはならないんだからな」


メンバーは来場者にワンドリンクを渡し歩く。

「これ、いいですね」

「初めまして。私も描いているんです」

若い人たちが来てくれて嬉しい。

久しぶりの会話だろう。

笑顔が絶えない。

・・・♪   ・・・♪   ・・・♪   ・・・♪


企業の方来場

「好きな曲弾くって言ってきて」

「yuukiそういうの営業って言うんだよ。出来んじゃん」

「弾いてあげたいだけだよ」

「すげーな」

そう言いながら案内しに行ったのはリーン


説明を聞きながら店内を一周した企業マンsは
偶然にも
「よもやま橋」という絵をレンタル契約してくれた。

「わお。」

「ありがとうございます!

この絵の同じというか・・・」

「あっ、さっきあったね。同じ人だよね」

「はい。ペアーみたいな作品で・・」

「もしかして・・

君が描いたの?」

「はい。」

「そうなのか。すごいね。」

「ありがとうございます」

「この絵は橋の上で毎日のように四方山話をしている奥さん達がいて、あんまり長いことしゃべるので、八百万の神様が知らないうちにベンチを携えてくれたというストーリーです。そしてあちらの絵はやおよろずの神様の世界に架かる同じような橋で、神様達も四方山話をよくするのです。」

「ふんふん」

「するとそこにも、いつの間にか椅子が置かれたというお話です」

「あっちはやおよろずの世界・・・」

「はい。やおよろずの神様たちは、置いてもいないのにベンチが突然現れていて、自分たちは神様なのに、それを見ている神様がいるのかと、時折空を見上げては不思議がり、その疑問は解けないままだそうです」

・・・♪   ・・・♪

「君の寓話?」

「なんとなく」

「・・・面白いね」

「はい」

・・・♪   ・・・♪

「曲をプレゼントさせて頂きますので何がよろしいですか?」

「百恵ちゃんとか聞きたくなったな」

「喜んで」

・・・♪   ・・・♪・・・♪   ・・・♪・・・♪   ・・・♪

「プレイバックが来るとは思わなかったなあ~

ボクはさよならの向こう側とか流れると思ったんだけどね」

sは笑いながら二枚の絵の発送伝票を書いて帰った。

八百万の世界の「やおよろず橋」この世界の「よもやま橋」が
通信会社のロビーに飾られることになった。


                        To be continue...

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