農家から見たコオロギ食
ついにやってきた昆虫食
さて、今回は「農家から見たコオロギ食」をテーマに話させていただこうと思います。
ちょっと前から話題になっていたと思うんですけど、昆虫食が注目を浴びています。
特にコオロギ食ですね。
これから増えていく人口問題に伴い、食糧が足りなくなるんじゃないかっていうことが言われています。もうちょいいうと、タンパク質が足りないのでは、と言うことです。
そこで高タンパク質の養殖も容易なコオロギ食を増やしていきましょう!ということです。
タンパク質は基本的には、鶏肉、豚肉、牛肉などを食べることで摂取することができます。
まぁ、でもこの肉を生産するのにはすごいコストがかかります。
牛さんとかは1年間に3tとかいう量の草を食べます。それを数年かけて飼育して、最終的に、食卓に並びます。
そして、この人間に必要なタンパク質をこれから増えていく人口で考えると、単純に不足すると計算できます。
昆虫の中でも特にコオロギ
そこでコオロギ食が出てきました。
コオロギ食がこの食糧不足問題を解決できるかも!?ということです。
ま、なんでコオロギなのかというと、雑種で肉でも草でも食べるという点。他の虫で偏食、カイコとかだと桑という葉っぱしか食べないので、桑の木の生産をしなきゃダメになります。
そして、成虫になるまでのスピードが早い。卵から出てきて1ヶ月半とかで大人になります。さらにこれに必要な餌というのは、フードロスになるような物とかを食べさせて、環境にも優しいというアピールしてますね。
あとは牛さんはゲップとかに温室効果ガスを含んでいて、これが結構無視できないほどの温室効果ガスを排出しているそうです。
また、これが1番注目されている理由なんですが、同じ重さ、例えば牛肉1キロ、豚肉1キロ、鶏肉1キロ、コオロギ1キロと用意して、タンパク質がどれくらい含まれるか計測したところ、この畜産系の方々は、部位にもよりますが、平均して200gくらいのタンパク質が含まれています。それに対してコオロギはそれを上回る250gとなっているそうです。
とにかく、このような根拠があるから、これから増えていく人口の食料問題に対して、解決できるのが昆虫食のコオロギ食です!ってベンチャー企業が言っています。
「日本に昆虫食なんかいらない」
さて、僕の考えを結論から話させていただくと、「日本に昆虫食なんかいらない」ってことです。
理由は3つあります。
1つ目「日本は人口減っている」ということです。
なんか人口増加って言ってますが、私たちの住んでいるこの日本ってどんどん人口減っていますよね。そもそも昆虫食を日本人は食べる必要ないのかなって思います。もちろん、食べたい人は食べればいいと思います。でもわざわざ、ゲテモノっぽいポジションの食べ物になっちゃっているので、食べたい人だけで、どうぞって感じです。
2つ目「健康面」ですね。
動物も植物も自分の体を作っているのは、その生き物が摂取した物です。簡単にいうと、僕らの体って、僕らが食べたもので作られていくんですね。だから、体に優しいものを食べていると健康であることが多いし、偏っていたりジャンクフードばっかりとか、野菜食べない生活ばかりしていると、病気になったりしています。これはわかりやすいと思います。同様に牛さんも同じですね。だから、こだわった飼料で育てた牛さんはお肉が柔らかいんだ!とかいって価値が上がります。
植物も一緒です。まずは植物の体は動物と違うのが、水分量です。品種にもよりますが、60%〜大根だと95%が水分です。その水分はどこからかというと、土の中の水分ですね。なので、水が美味しい土地の野菜は美味しいし、土壌が汚れていると、水も汚れているので味は落ちています。
コオロギ食は養殖されますので、人間から餌は提供することになると思います。放し飼いのコオロギなんて捕まえるだけで大変ですからね。なので、人間が用意した餌。つまりアピールされていたフードロスの食事になると思います。そんな何を食べているかもわからないし、ホルモン剤とか農薬まみれのくさりかけのようなもので野菜くず、肉で育ったコオロギを食べるって、実際に食べるときに自分の体が不安でしょうがないです。大体、餌にする食品って規制がなかったりするので、その辺に遺伝子組み替えの食べ物とか、入れることができます。
なので、冷静になって考えてみると健康面がめっちゃ不安です。まだ食べる必要性、押し進める理由が見つかりません。
3つ目「それよりもやることがあるでしょ」という点です。
もちろん世界で飢餓に苦しんでいる人は8億人いるので、無下にできないという声もあるかと思います。なので、その視点で言うと、まずはフードロスが出ている事実について。
それを飢餓している人たちに届けられない理由があるのでしょう。きっと。
であれば、コオロギをフードロスで賄うんです、って言うことよりも、フードロスはニワトリさんに食べてもらえばいいんじゃないでしょうか?そしたらコオロギ食べさせるゲテモノ食よりもずっと食べやすいと思います。
それでも、コオロギにフードロスを食べさせたいのであれば、養殖したコオロギをニワトリさんに食べてもらうでいいのではないでしょうか?なんでそんなにコオロギを食べさせたいのかわかりません。
昆虫食よりも国産大豆栽培の方が価値がある
最後に、戦争とかで牛肉とか肥料が高騰して飼料が日本に入って来なくて、タンパク質不足になるんだという声もあるかもしれません。
その代わりにコオロギ食を普及させるんです!と言う意見もあるかもしれません。
それだったら、農家の視点で言わせてもらうと、大豆の栽培を増やしませんか?思います。
コオロギのタンパク質、250gでしたが、大豆は360gあります。
温室効果ガス出さないってメリットうたってますが、大豆はむしろ吸収して酸素まで供給してくれます。
国産大豆は自給率7%です。これが輸入できなくなると、大豆からできる、豆腐、納豆、醤油、味噌がなくなります。
そして大豆は肥料いらずの植物として有名で、高騰している肥料も入りません。排水のいい土地なら耕作放棄地でもいきなり栽培できちゃいます。
そして、味噌。これは発酵食品のため、人間の体にめっちゃいいです。保存もききます。
もちろん昆虫食の全てが悪いのではなく、食糧危機に絡めるのがおかしい話なのではと言うことです。個人的にコオロギ食べるのも研究するのも自由ですが、学校の給食に出すはダメだと思います。
だって、子供の気持ちになって考えてください。先生から自分の選択で選んでいいですよ、と言われた徳島県のコオロギコロッケですが、先生が自由でいいと言ったことに対して子供ってそんな簡単にNOを出せないですから。いい子でいなきゃ、食べた方が褒められるなんて空気だったらみんな食べちゃいますし、みんなが食べてたら、食べなきゃって思うのが集団心理です。そんな環境でコオロギを出すのはダメだと思います。
まとめると、コオロギ食を進めるよりも国産大豆増やして、みんなで畑にでて育てて体動かす方が、コオロギ食食べるよりもずっと人間らしく、健康的で未来があるのではないかなって思いました。まぁ農家の独り言です。
と言うわけで「農家が考えるコオロギ食」をテーマを話させていただきました。
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