見出し画像

面接官が、会いたい!と思う職務経歴書を作る~基本的なお作法と黄金の法則~

はじめに

みなさん、こんにちは。クライスPMチームの武田です。

いきなりですが、職務経歴書の作成って、ほんと大変ですよね。。いざ転職活動を始めるぞ!となっても、職務経歴書を作るのが億劫で、なんとなーく先送りにしてしまっている方、実はよくいらっしゃいます。

そこで、今回は「面接官が会いたい!と思う職務経歴書」を作るポイントをお伝えしてきたいと思います。

前半は基本的な書き方のお作法について、後半は過去にうちのPMチームの櫻内(現在、米国ニュージャージー州からフルリモート勤務中)が書いた、大好評note「アウトカムを記載せよ」を、もう少し踏み込んで、職務経歴書作成の「黄金の法則」について解説します。
※お作法は知っているので、PM向けの黄金の法則を知りたい!という方は後半からどうぞ!

※最後に「黄金の法則」書き方の例を記載しています。

※今回も「プロダクトマネージャーになりたい人のための本」から一部(主に第3章の ステップ 3 )引用して解説していきます。


基本的な書き方のお作法について

枚数は多くても4枚まで

「何枚までに纏めれば良いですか?」とよく聞かれますが、一般的にはA4サイズの用紙を用い、2〜3枚(多くても4枚程度)に纏めるのが好ましいと伝えています。理由はシンプルで「少ない枚数の方が読み易いから」ですね。

長い時間と労力をかけて6枚も7枚もある大作を作り上げても、全ページ隅々までは見てもらえないかもしれません。(※それだけではなく「端的に纏められない人」という印象を与えてしまうリスクさえあります。)

限られた時間の中で書類選考をしている読み手に対して、端的かつわかり易く伝わる職務経歴書に仕上げることが最初のポイントです。

職務経歴書の各項目

それでは、職務経歴書を書く際の基本的な作法やポイントを紹介しますが、まず前提として職務経歴書に決まったフォームや正解の型はありません。
基本的に自由記載で問題ありませんが、ここでは一般的によく目にする基本的な形式や構成に沿って、記載すべき主な項目について紹介します。

①職務要約

職務要約とは、これまでの職務経歴のサマリーです。社会人1年目から現在に至るまでどういう経歴で何をしてきたのか、どんな実績を出してきたのかを経歴ダイジェストのイメージで記載しましょう。

書類選考の際、採用担当者は、ここでどういう経験をもっている求職者なのかを大まかに捉え、その下に記載している職務経歴(②のb.)に目を通します。期待感をもって職務経歴を見てもらえるか否かの「つかみ」は、この職務要約にかかっているといっても過言ではないです!
※文字量は5〜7行程度で箇条書きよりも、文章で書く形式が良いですね。

②職務内容

これまで所属した企業を1つのモジュール(まとまり)として、在籍企業ごと(もしくはプロジェクトごと)に詳細な職務経歴を記載していきます。

この場合「逆編年体形式(最新の経歴から過去を遡る順に記載)」がお勧めです。理由はシンプルで、企業が最も重視するのは直近の経歴であることが多く、過去であればあるほど参考にする可能性が低くなるためです。伝えたいことは上(最初)から書いていくほうが良いでしょう。

※モジュール内は下記のように「会社概要」と「職務経歴」に分かれます。

a.会社概要
法人格(例:株式会社、有限会社)、事業内容、設立年月日、資本金、従業員数、売上などを記載します。重要度は低いため1~2行で構いません。

b.職務経歴(実績・役職・役割など)
ここが職務経歴書で最重要のパートです!!ここで合否のほぼすべてが決まります!!職務経歴では主に以下の事柄について記載します。
・期間
・担った役職・役割
・実施業務
・目標達成・ミッション遂行のための工夫
・具体的な数値の記載を伴った実績と成果

個人での実績や成果はもちろん、マネジメントとしての職務を担っている場合は、チームや組織としての実績なども記載してください。

重要なのは、企業側が「その話詳しく聞いてみたい!」と思うエピソードや内容を記載することです。現役のプロダクトマネージャーの求職者に対しては、企業としてはプロダクトマネジメントの実績が一番見たいはずです。

コツとしては、その企業の求人票に記載されている「業務内容」に近しい経歴や実績の記載があれば、「おっ、この人は即戦力になるかもしれない!」と判断されやすくなります。
未経験者であっても、プロダクトマネジメント業務に近いエピソードや、プロダクトマネージャーと関わった業務を記載するのが良いですね。

また、業務に関わったどのエピソードをどこまで具体的、かつ抽象的に記載するかは非常にセンスが問われる部分ですが、一つのポイントとしては、「企業が欲しがりそうなエピソード」に絞ることです。

※このあたりも含めて、職務経歴書の作成にあたってのアドバイスが必要であれば、喜んで相談に乗りますので、ぜひお問い合わせください。

最後に職務内容の書き方ですが、箇条書きだけでは「何をやったか」は伝わるものの、それ以外の情報(どのような役割でどんな結果・成果を生み出したのか?など)が伝わりません。文章による補足説明を適宜織り交ぜながら記載することを忘れないで下さい。見やすくて具体的な内容に変わります。

③活かせる経験/知識/スキル(及び資格)

募集要項にある「求める経験・スキル(必須条件/歓迎条件)」を満たしている経験だけではなく、希望する業務に関連する資格・スキルを持っている場合は、それらを含めて「活かせる経験」として数行で記載しましょう。但し、より注力してアピールするのは職務経歴の欄とし、ここではあまり文量を割かずに記載することをおすすめします。

※記載するような資格がない場合は「資格」の項目自体設けなくてOKです。
※書き方の例は、最下部の職務経歴書サンプルを参照して下さい。

④自己PR

自己PRをしっかりと書く人は比較的多いのですが、実は自己PRは採用担当者はほとんど見ていないです。残念ながら。。

なぜなら、あくまで自己評価であり、自己をアピールすることを目的に記載された文章なので、実態と異なることが多いからなんです。例えば、「コミュニケーション能力には自信があります」と記載していても、コミュニケーション能力が高いか低いかは、求職者自身ではなく採用側が判断する、というのが企業のスタンスです。

職務経歴書の黄金の法則

とここまでは、一般的な職務経歴書の書き方などについて紹介しましたが、ここからは職務経歴書の「黄金の法則」を紹介します。

まず、黄金の法則ってなに?という話ですが、つまりは「こういう風にしたらきっと良い職務経歴書が出来ますよ」ということです。今回も一部引用している「プロダクトマネージャーになりたい人のための本を執筆する際、この「黄金の法則」の響きが気に入ってタイトルにしていたのですが、編集の方に、意味が伝わりにくい、と指摘されボツになってしまいました(笑

幻となった呼び名の「黄金の法則」をここnoteで復活させていただきつつ、面接官に「是非この人に会いたい」と思わせるための、職務経歴書の書き方の法則を具体的に解説していきます。

絶対に外せない3つの項目

一番のポイントは、下記の3つについて具体的に記載することです。
1)「課題」「打ち手」「成果」の3つをワンセットにして書く
2)プロダクトマネージャー組織での立ち位置について書く
(組織体制・人数、担当プロダクト/1名で担当しているのか、複数名で機能毎にプロダクトを担当しているのかなど)
3)他の職種(エンジニアやデザイナーなど)の人達とどのような仕事をしてるのかを書く

「課題」「打ち手」「成果」の3つをワンセットにして書く


この黄金の法則の中でも【「課題」「打ち手」「成果」の3つをワンセットにして書く】が最も重要なので、ここをもう少し丁寧に説明します。

「課題」

課題はプロダクトの課題です。どんな課題なのかはもちろん、なぜ解決すべき課題となっている(いた)のか、といった理由や背景も記載して下さい。

なぜ解決すべき課題なのか(だったのか)、を丁寧に書くことで、プロダクトの置かれている背景を、読み手がイメージし易くなります。さらに、なぜ複数ある課題の中からその課題になぜ目をつけて着手したのか、の意図も記載するともっと良くなると思います。

「打ち手」

打ち手は、課題に対して実際に行った具体的なアクションです。
例えば、「数値分析/グロース施策の立案を行った」、「●●を▲▲のメンバーと共に■ヵ月の短い期間で改善した」、「ユーザーヒアリングを●●人に▲▲回行った」、「経営会議にて●●の提案を行った」など。

自分が起こした行動と業務内容をより具体的に記載するために、期間や人数などの数・量に関する記載は必須です。

「成果」

そして最後に成果ですね。ここが最も重要、かつ記載するのが難しいパートだと思います。ここでは、打ち手によってプロダクトにどのような価値をもたらしたのか、までを記載して欲しいです。

ここで特に注意して欲しいのは、打ち手=「アウトプット」ではなく、実績や成果=「アウトカム」を記載するようにしましょう、ということです。

プロダクトマネージャーが達成すべきことは、「プロダクトロードマップを作成した」、「開発マネジメントを行った」というアウトプットではなく、そのプロダクトにどう成長をもたらしたかです。
どんなに良いロードマップが書けたとしても、プロダクトが成長しなければ何の意味もありません(多分)。PVやCVRの変化、ユーザー数の変化、チャーンレート(解約率)の変化、売上の変化などのように定量的であればあるほど望ましいです。

実はこの成果パートの記載に苦戦する方が非常に多いです。打ち手はスラスラ書ける一方で、「成果・実績は何ですか?」と問われると筆が止まってしまいます。日頃から「自分のやったことはどんな成果・実績につながっているのか」を意識して(記録して)おくと良いかもしれませんね。

具体的な数値を記載する

この成果についても、第三者が客観的に判断できるように、できる限り具体的な数字を記載してください。定量的なものが一切なく定性的な表現ばかりになってしまっては、やってきたことは伝わるにしても、どれだけ力量があるのかは判断ができません。

よって、よほど魅力的な経歴の記載がなければ、具体的な数字の記載がない(どれだけ力量があるのかは判断できない)職務経歴書では、なかなか面接の機会を得ることはできません。

採用担当者は「何をしてきたか」の確認もしていますが、「何をどれくらいやってきたのか」という定量的な確認も当然しています。なので、「どれくらい」については、期間はもちろん、規模や人数、成長/削減率などもについて確認されている、と思って記載すると良いですね。

例えば・・・
・主な体制について人数まで記載する(例:プロダクトマネージャー1名、UXディレクター1名、エンジニア2名、その他事業部関係者2名)。
・取り組みと実績について期間や達成率まで記載する(例:サービスMAUグロースの為の新機能開発/機能リリースから〇ヶ⽉でサービス内最多利⽤者数の機能に成長。MAUは+35%で上昇し、広告収益源として大きく貢献)

上記のようにできる限り数字で表現すると「何をどれくらいやってきたのか」が、読み手に取って非常にわかりやすくなります。

※最下部に、「黄金の法則」で記載した具体例の一部分を紹介しています。あくまでほんの一例ですが、是非参考にして下さい。

まとめ

さて、ここまで基本的なお作法から、黄金の法則について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?この「黄金の法則」で職務経歴書を作成するのは、多少時間と労力が必要となりますが、ここまで十分に記載できればきっとどの企業からも「会いたい!」と思われるような結果をもたらしてくれるはずです。

このnoteを読んだけど、まだイマイチどうやって書いて良いかわからない!という方がいらっしゃいましたら、喜んでアドバイスしますので、是非ともお気軽にお声掛けください。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

最後に「黄金の法則」書き方の例

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2020年〇月~2022年〇月〇〇事業部
〇〇向け〇〇サービスのプロダクトマネージャー(スマホ、Web)

【課題】
POCから先に進まず、本格導入企業数が増えない
プロダクトの訴求が“〇〇との連携ができる”、”業務にかかる時間を削減できる”など、課題ベースではなく機能ベースの訴求になってしまっていた。そのため顧客に導入の理由を聞いてもデジタル化を進めたい、新しい取り組みをしたい、など、課題解決に繋がっていないことが明らかで、POCから先の導入に進まなかった。
⇒(※注意点):
担当プロダクトやプロジェクトのタイトルだけの記載にならないようにしましょう。なぜそのプロジェクトを行うことになったのか、などの背景を踏まえて課題を記載してください。

【体制】
プロダクトマネージャー1名(自分)、エンジニア4名、デザイナー1名
事業責任者(代表取締役)
⇒(※注意点):規模感などを示せるように、具体的な人数なども記載しましょう。

【打ち手】
導入企業の中でも熱心に取り組んでいただいている会社にヒアリングを実施。主なユースケースに分けた上で、プロダクトチーム全体で顧客企業に対するプロダクトの価値を再定義した。
⇒(※注意点):
・ヒアリングの実施
・プロダクト勝ちの再定義
などのように「箇条書き」のみにならないように記載しましょう。

【成果】
導入時には追うべき成果とセットで顧客に訴求を行うことで、機能開発に対する明確な優先度の判断軸ができ、月次の導入ペースが2.5倍に上昇した。
また、プロダクトの価値が顧客に再認識されたことで過去導入に至らなかった顧客のうち、25%程の顧客への再アプローチが実現。
⇒(※注意点):
「機能開発に対する明確な優先度の判断軸ができた」「プロダクトの価値が顧客に再認識された」に留まらず、課題がどのように解消されたのか、その結果どのような成果を生み出したのかを具体的な数値を交えて記載するようにしましょう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

職務経歴書サンプル 1/2
職務経歴書サンプル 2/2

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?