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Youはどうやって未経験からPMになった?(晩田さん編)

こんにちは。クライス&カンパニーPMチームの菱沼です。
最近、「未経験からPMを目指したいのですが・・」というご相談が増えてきました。いつもお伝えしている通り企業のPM採用ニーズも日増しに強くなっており、弊社がお預かりしているPM求人数は増加し続けてますが、一方でまだまだ即戦力採用のニーズが強く未経験の方にとってはハードルが高めに感じられてしまうのも現状です。(※一部、複数名のPMを組織化できた企業はエンジニア・デザイナー・Pjm・ディレクター経験者まで採用要件を緩和し、「PM候補」の採用を始めている企業も増えてますが)

ただ、よく考えてみると現在PMとして活躍されている方々も、最初はPM未経験だったはずで、世のPMたちが如何にしてPM経験者になったのか?を紐解けば、何らかPMを目指したい方のキャリア構築のお手伝いができるかと考えました。

このシリーズでは、現役のPM経験者に、PM未経験だった当時にどんな経験や苦労をされて、どんなステップでPMとして独り立ちされてきたのか?をインタビューしてみたいと思います。
「これからPMを目指したい方」、あるいは「最近PMになりたてで少し壁にぶつかっている方」に少しでも有意義な情報をお届けできればと思います。

(※こちらの過去記事も参考まで)


YOUはどうやって未経験からPMに??(TakeMe株式会社:晩田さん編)

今回、この企画に賛同いただき、インタビューにご協力いただいたTakeMe社の晩田さんに「どのようにして未経験からPMになられたのか?」をたっぷり聞いてみました。

今回インタビューにご協力頂いた晩田さん

【晩田さんのご経歴】
大学院卒業後、ウルシステムズ株式会社へ新卒入社。金融機関向けの開発案件を主にシステムエンジニアとして経験。2021年よりTakeMe株式会社にプロダクトマネージャー(PM)として入社。新規プロダクトのビジョン策定・開発・UIUX・データ分析など広く担当。2022年からは、担当プロダクトの範囲を全製品に広げ活躍中。

Q. まずはじめにPM職にチャレンジされたきっかけを教えてください。

前職はエンジニアの経験を積みたくて入社したのですが、クライアントワークが中心で、お客様と接している中で徐々に「自社プロダクトがある会社に行きたい」「プロダクトの意思決定をできる環境にいきたい」という気持ちが強くなってくる自分に気づきました。
お客様側でPM職的な仕事をされている方の職種に興味を持つようになり、「あれってどんな仕事なんだろう?」と疑問に思いながらtwitterで検索していたらプロダクトマネージャーという仕事があるんだ!ということを初めて知りました。そこから興味が増して色々調べるようになりましたね。

Q. どうやって転職活動されましたか?

まずは転職サイトに登録したり、LinkedInでアカウントつくったり・・一般的な活動から始めました。最初は面白そうなポジションをみつけてエントリーしてみましたが、正直門前払いも多かったです。面接に進んでも、「やっぱり経験が無いですね」・・と、後半で見送りになるケースも多く。ただ、半年かけて一社一社、振り返りをしながら面接に挑み続けたことで企業がPMに何を求めているのか?自分に何が足りないのか?は見えてきた感じもあり、何となくMVPを回している様な感覚で気づきもありました。

具体的には、PMに求められる要件や動きを今自分がいる職場環境や業務の中でも再現できるんじゃないかな?と思えるようになった点です。面接でNGになっても、足元の自分の仕事にPM的な思考で向き合うことで少しずつ、PM職に近しい発想や思考ができるようになってきたのかもしれないです。例えば、クライアントワークのKPIの見方をプロダクト志向で提案し直してみたり、カウンターパートのお客さんにユーザー目線の提案をしてみるとか、抽象度をあげてプロダクト思考で話す訓練もここで少し積めました。
これを繰り返すことによって、選考の後半は転職活動初期より面接官と話せる幅が広がった気がします。

Q. なぜTakeMeさんを選んだのですが?

最終的には3社からオファーをもらいましたが、現職は私の「エンジニア経験」と「英語力」を評価をしてもらいました。エンジニアに外国人が多く、エンジニアリングの経験を持って英語で開発の会話ができる点は武器になりました。これからチャレンジされる方も、何らか一点突破できるタグがあるとよいかもしれないですね。
現職は過去の経験に固執せず、未来の可能性をみてくれて、チャレンジを応援してくれるのはありがたかったです。ここは面接をしてみないと分からないので難しいところですが、話をしている中で育成のスタンスも見えますし、私は2人目のPMとして入社し、師匠となる先輩PMもいて育成してもらえる環境だったのも運が良かったと思います。


Q. PM職になって最初に着手されたことは何でしたか?

まずは新規プロダクトの企画にジョインさせてもらいました。実は新規プロダクトの企画は、ステークホルダーがまだ少ない状態で、企画がシンプルな状況でキャッチアップできるというメリットも有り、先輩にマンツーマンで伴走してもらえたことでキャッチアップが非常に捗りました。主に0→1から、MVPを繰り返しながらリリースを経験ができ、PMの立ち上がりの初年度としてはかなり恵まれた環境だったと思います。そのプロダクトは結果的に大成功とは言えずピボットも繰り返したのですが、その経験でだいぶ動きも体得でき、既存のプロダクトにスイッチしていきました。

Q. PM業務をどのようにキャッチアップしてきたのですか?

ベンチャーなので仕様書がかっちり用意されているわけではなかったのですが、幸いにもSE経験がありコードが読めたので、とにかくプロダクトの中身を見る、知る、を繰り返し設計思想をインプットするところからスタートしました。
また、社外に答えを求めるというよりは、社内にあるノウハウやリソースで使えるものを探しました。特にPMという仕事はステークホルダーも多い仕事ですし、仲間との協業が肝でもあります。エンジニアやセールスのメンバーとコミュニケーションを重ね、彼らの性格や価値観を知ることでこの会社におけるプロジェクトの進め方のコツを探る時間をしっかり取ったのですが、これがとても貴重な時間だと振り返ってます。

Q. 特に苦労したこと(ハードシングス)は何でしたか?

新規プロダクトのベータ版リリース時は大変でした。試しながら作ったものの正解が見えない。本当にこれでよかったのか?がみえず不安で。この経験をしたくて来たけど、それが一番プレッシャーでした。サポートしてくれた上司にも白髪が増えたと言われました。笑
特に難しかったのは手掛けたプロダクトがBtoBtoCで、toCのユーザーに良いと思っても、toBのユーザーによいものか分からない難しさを痛感しました。また、社内のメンバーもそれぞれアイデアや意見があり、当然のことながら最初から全員から応援を得られていた訳では無いことも、しんどかったです。
結果、そのプロダクトは躓きを経てピボットをしたのですが、先ほど述べた通り社内のメンバーとのコミュニケーションを諦めずにディスカッションを重ねたことで関係性、信頼を気づくことができたと思います。その関係構築を重ねながら、PMとしてMVPのプロセス構築や、スピード勝負、軌道修正の的確さなどを学び、少しずつ未経験を脱皮していく実感も得ました。

Q. PMになって大切だと感じたことはなんですか?

私はエンジニアの方々との一体感を大切にしています。これがないといいものづくりなんてできないですし、何より楽しくない。チームが楽しくないのにユーザーに良いものなんて届けられないと思ってます。企画段階ではビジネスサイドと認識は合いやすいのですが、エンジニアとワンチームをつくるのは難易度高く、ここに工夫が必要だと感じてます。
例えば、質問しなくても、社内から意見を出してくれる状況を作った方がよいですね。言ったものを作ってもらうのではなく意見を出してもらう状況をつくるのが重要。「Goal」「Non-Goal」「How」を綺麗に定義するだけでなく、背景や目的を伝えながら、届ける相手に何を伝えたいかを説明する。これができると、意思疎通ができ、相手を知ることもできます。ディスカッションしやすい雰囲気づくりができるだけで、PM職の世界観は変わると思ってます。

Q. これからPMを目指したい方へのアドバイスをお願いします。

どんな職種の方でもなんらかPMにチャレンジするための武器はあると思います。その仕事の中にあるPM職のエッセンスを重ねてみて、PM思考をトレーニングするのはありだと思います。また、先ほどお話しした通り、試しに面接で話してみて何が求められるのか?を肌で感じることができれば、軌道修正も可能です。面接の仕方だけでなく、日々の仕事に活かしてみたり、差分を埋めるためのアクションもできると思います。
名著である「プロダクトマネジメントのすべて」はオススメですが、上司から勧めてもらった「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」という本は面白かったです。プロジェクトマネジメントの話が中心なのですが、コミュニケーションやチームづくりのエッセンスが多く載っていて、今の自分の動きのベースになっている気がします。


最後に

いかがでしたでしょうか?
晩田さんの場合はエンジニアとしてのご経験が一つの強みになったケースと言えますが、社内にヒントを探したり、チームとの関係性づくりに強いこだわりを持つなど、PMキャリアの初期フェーズで参考になるポイントがたくさんあったかと思います。

お話を伺っていると、やはり「PMは一日にして成らず」という奥深さを感じる一方で、未経験者と経験者の間にあるGapを理解し、キャッチアップのプロセスをしっかり把握しておけば、転職前に身につけておくべきことも見えてくる気がしました。また、PM採用に苦戦してお困りの企業も、育成ステップを体系化できれば少し要件を広げながら採用ターゲットを探すことができるのでは?と考えております。
実際に、他社事例を研究されながらPM未経験採用に舵を切るケースも増えてきましたので、是非このシリーズを参考にして頂けたらと思ってます。乞うご期待!

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