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グリーフケアの継続学習

昨年から続けているグリーフケアの学びですが、今年は「関西学院大学 悲嘆と死別の研究センター」主催の養成講座に参加しはじめました。

センター長の坂口幸弘先生のご本を昨年複数冊読んだことをきっかけに、今春行われた先生のセミナーに出席したのですが、そこで今回の講座を知り参加を決めました。

​先生の言葉によると、喪失とは「その人にとって重大な、何か重要なものを失うこと」で、それに対する様々な反応が「グリーフ」です。
死別に限らず、例えば大切にしているものや環境、立場や職を失うことも喪失に含まれ、そこにはグリーフが存在します。

坂口先生の講座は学術的なことや最新の情報が盛り込まれていて、昨年からの学びをなぞりながらもまた異なる視点で学べることで、理解が深まっています。
様々な研究データや理論も興味深いです。

昨年初めてグリーフケアを学んだのが「グリーフ専門士協会」でした。

グリーフケアを学べる機関は複数ありますが、ここで学ぶことを決めた理由は、理念である「哀しみが打ち明けやすい、あたたかい社会を広げる」に共感したことと、相手を傷つけず大切にする配慮に満ちていると私には感じられたためでした。
専門士として登録し継続学習を続けています。

グリーフ専門士協会の学びの場は、支援者を目指すうえで「自らの体験を語ること、聴くこと」をとても大切にされていました。

心の揺れを感じて語る感覚や、受け止め尊重される感覚を「感じる」ことからスタートする講座でしたので、オンラインでありながら心が揺れる、まさに体験学習でした。

一方で、今回の坂口先生の講座では、心が動くシーンも個人的にはあるのですが、それ以上に「知り理解する」というような側面が強いように感じられました。
先生の語り口調も速めペースでハキハキ系(?)で聴きやすく。

心を動かすからこその学びと、どちらかというと頭脳寄りでの学びとで、学んでいるのは同じ「私」なのですが、異なる体感があり、それにより刻まれる学びの色が変わることが大変興味深いです。

これは私が今後講師業にて、受講生さんに何を残すことがその場において適切なのかを考え工夫する上でも貴重な経験となっています。

グリーフケアを学び始めたことで、自分の体験が特別なものであるように、相手の体験や話を特別なものとして敬意をもって聴く(敬話敬聴)姿勢や、「喪失」は死別に限らず人生のあらゆる出来事の中に存在しているとみる視点などをはじめ、キャリア支援業務を行う際にも役に立つことをたくさんいただいています。

あるご状況を「〇〇の喪失」と捉えた時に、お相手の方の中に何が起きている可能性があり、どのように触れていこうか・・・など理解し関わるときの幅が広がりつつあるように思います。

喪失や哀しみを考えることや哀しむ(悲しむ)ことは、避けられたりネガティブ寄りのことと捉えられることもあるかもしれませんが、
自分のグリーフに触れることで、本当に大切なものや自分にとって大切にすべき存在やものたちに気づきその中心にある愛につながる、価値あることと私には感じられます。

(ただ、そのタイミングは人により本当に様々だと思いますし、「これは絶対」と言えるようなものではないことを補足しておきます。)

グリーフとグリーフケアを知る人が少しずつ増えていったらいいなと思います。
どなたかが哀しみを抱えているとき、目を背けたり蓋をしたりなどせず、そのかたの大切なものに思いを馳せ、そのかたのペースでともに居られたり何かをできたりする人がまわりにいる世界って、あたたかいなと。

そんなこんなで、今年はグリーフケアの継続学習とともに、夏から近い領域で新たな学びも考えています。

また5月からスタートした東畑開人先生のオンライン授業参加も継続中で、前回の授業で紹介された参考図書を読みまくる(と言っても読むのが遅いのでそんなに冊数が進みませんが)今日この頃です。

この調子だとなんだか、私の職業の一つである”キャリア”の領域から離れていくような怪しさもあるのですが、学べる今の環境に感謝しながらポチポチ進めていこうと思います☕

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