見出し画像

倫理ってなに?

倫理と聞くと,非常に難しい話しを想像する人もいるかもしれませんが,そんなことはありません。ここでは,倫理という言葉の基本をなるべくシンプルにお伝えしたいと思います。

非常に端的に言うと,倫理学は哲学という分野の一つです。
哲学という分野の中に倫理学が存在しています。

さて,倫理は,ラテン語でethica(エチカ),英語だとethics(エートス)と言われています。そして,エチカの語源はギリシア語のethos(エートス) であり,これは慣れ親しんだ場所や動物の巣・住処を意味します。そこから,人間が住む場所の習俗や習慣を表すようになり,ルールとすべき価値基準を意味するようになったと言われています。

画像1

倫理の語源には,「自分がいまいる場所でどのように住み,どのように生きていくか?」という”問い”があります。

画像3

哲学者の清水哲郎氏は,倫理を以下のように定義しています。

倫理とは,人間が自発的に自らの振る舞いをコントロールする姿勢であって,自分だけでなく,皆がとるべきだと考えるようなもの関わることである。

そして,倫理が日常生活レベルで表現されているのが,法律です。
前述のように倫理の根本には生きることへの”問い”があります。
「どうすれば安心して生きられるか?」→人の物を奪ってはならない
「どうすれば身の安全を守れるか?」→人を殺してはならない
人々の倫理的な振る舞いを文字にしたものが法律なのです。


私たちが,社会で生きていくには他者との関わりが必須です。
倫理を考えるということは,「他者と生きていく上で,どのように振舞えば人のみちを外れないか?」と考えることです。

繰り返しになりますが,倫理とは生き方への問いなのです。
そして,哲学の実践の一つが倫理です。

画像2

【参考文献】
・佐藤 労(著):臨床倫理の原則.現代医学:2017.6
・國分功一郎(著):スピノザ-エチカ
・東京大学 死生学・応用倫理センター≪医療・介護従事者のための死生学≫基礎コース 臨床倫理エッセンシャルズ

#介護 #リハビリテーション #看護 #ケア #臨床哲学 #善き援助者とは何か #ケアのための哲学 #臨床倫理

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?