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内緒のお話:「人間って、変わらないですよね?」 元々夫との同棲を悩む女性

企画「内緒のお話」は詩人Payaoが、周りの人に話せない人生のあれこれや心の奥底にしまい込んでいた悩みなど、そんな「誰にも言えない内緒のお話」を募集し、電話で直接お話を聞く企画です。詳細↓

今回の内緒のお話は、二度の離婚を経験し、子育ても一段落した元気でハツラツとした素敵な女性。彼女は介護が必要だったお母様を看取ったあと、地元から移住を考えていました。そんな折、かつての元々夫と数十年ぶりに再会します。元々夫との交流を深めるうちに「家の2階の部屋なら空いているけど?」と、つまり、もう一度一緒に住まないかと提案されたのでした。もう一度同じ屋根の下で生活することが、果たして良い選択なのかどうか――

「人間って、そんなに簡単に変わらないですよね?」

こんな言葉と共に、彼女はその答えを探していました。

人はどうしたら変われると思いますか?

「人はそう簡単に変われない」という言葉はよく耳にしますが、正確に言えば「人は変わりたがらない」のだと思います。変わるってことは、自分の醜い場所と向き合うこと。それは、今まで見て見ぬふりをしてきた自分を否定するような、心を割いて手術するような苦しい作業です。では「変わりたくない」と考える人と「変わりたい」と願う人がいたとしたら、ふたりの違いはどこにあるんでしょうか。

後悔の効用

僕は「人生を切実に悔いているかどうか」だと思います。自分のどうしようもなさで誰かをひどく傷つけてしまったり、自分の過信が取り返しのつかない失敗を生んだり。僕にも変われた部分と変われない部分がありますが、自分のせいで誰かを傷つけてしまった経験ほど、後悔し、少しでもマシな自分になりたいと、変わって来られた気がします。

「どうしてああしなかったんだろう、もう戻れない、やり直せない。」「だからせめて、これからは繰り返したくない、変わりたい。」
そんな「切実な後悔」だけが、本当に人を変える力を持っているのかもしれません。

元々夫さんは結婚当時とても封建的で堅物だったらしく、そんな彼が「2階に空き部屋がある」だなんて、不器用にも同棲を提案してきたわけです。「変わった」かどうかはまだわからないけれど「変わりたい」と思っている。うまく変われなかったとしても「やり直したい、変わりたい」と思う彼の気持ちを、共に暮らした経験のある彼女だからこそ、信じてあげる意味があるのかもしれない。

ただ、現実的にも考えて、もし再び一緒に暮らすのだとしたらその前に、お互いが守るべき約束事を決めるように提案しました。新しい人間関係には、新しい約束が必要ですよね。

たとえ変われなかった人間同士だとしても、二人に変わろうとする意志さえあれば、二人の関係はもう昔と同じじゃないんだと思います。繰り返し読んだ本でも、読むたびに新しい気づきがあるように、当時は解らなかったことに注釈を加えながら、その小さなメモ一つ一つが、同じ二人の物語を少しずつ書き換えていくんだと思います。

彼女はこれ以外にも波乱万丈な経験をいくつも越えて「楽しかったことも苦しかったことも、全部あってよかったです!」とすべてを肯定的に捉えていたのが印象的でした。「そんな風に思えたら人生勝ちだよなぁ」と、そんな風に僕も変わっていけたらいいな、と思います。

※本記事はご本人の許可を得て投稿しています。

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