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サンキューサウナ!サヨウナラ「サンクコストバイアスくん」

訴えられるかもしれない。

けっ こー ピンチだ。


クレープ店をオープンさせる予定で、昨年末から約4ヶ月弱打ち合わせを重ねてきた物件が、白紙になった。

正しく言えば、白紙にした

もっとちゃんと言えば、「自体、そもそもなかった。

この記事を書いた頃に、遡る。

昨年12月末、僕は弟のクレープ店から離れることを決め、次の身の振り方に迷っていた頃、ちょうど前職(工場)の上司から紹介していただいたのが、この物件と工事業者さま(物件オーナー)。

知り合いの特権でなんと、初期工事費は無料。ついでスケルトン状態だったこともあり、ある程度はコチラの希望に沿った工事もしてくれる、と。

なんなら物件の2、3階も空いててスケルトン状態だから住居用に作って住めばいいんじゃないか? と。

家賃は20万くらいで考えてる、と業者さま(物件オーナー)


マジか…。3階建で駐車場(5台分)付きで20万なら安い…

夢にも思わないような話だった。

とはいえ疑心暗鬼、そんな美味しい話があるのか? いや、普通に運がいい、ラッキー…。いやいや、そんな言葉で片付けて進めていい話であるはずがない。

そこで改めて、電話で条件を確認する。

業者「間違いないよ。知り合いの繋がりって事もあるし。
     でも、他にもう1組、キミ以外に希望している客がおるから、早めに返事欲しいね。」

…焦る。

これを逃せば、めちゃくちゃ後悔するんじゃないか…。


妻に相談する。

妻「子供ら転校させなあかん距離やん。イヤよ。あんた一人で住めよ。」

…大体の返事は検討できていたが、なんとかかんとか、妻を説得して

その物件に住みながら店を営業するという夢の『店舗兼住宅』を、賃貸という形で構えられるかもしれないということで、僕はだいぶ前のめりになった!

しかしまだ、不安は拭えなかったので、業者さま(物件オーナー)に再々再度、例の条件を確認した。

「だからぁ。カウンターを大理石にしろとか、天然木にしろとか大層なこと言わない限り、会社にある材料でできる範囲でいいなら、全部こっちでやるって。」

と電話口で返事が返ってきたので

「そ、そうですか!あ、ありがとうございます!
 じゃあお願いします。そこの物件で店やらせてください!そんで、上に住みます!」

と僕は返事した。

「了解!じゃあ年明けから工事スタートさせようか。3月半ばには店は完成すると思よ。」

と言ってもらい

よぉぉし、準備進めなきゃあ という気持ちでをその年を越した。

紹介してくれた前職の上司にもお礼の連絡を入れ

前職上司「良かったなぁ!まぁ 家賃をちゃんと払っていけるだけの商売できるかだけ、しっかり考えヤァ! お前いろいろ大変なこともあったけど、来年は辰年や。昇り龍やで!大丈夫や!」

と、こっちが吹き出してしまうような景気のいい言葉をいただいた。


年が明け

僕はクレープ店をオープンさせるための準備に取り掛かった。

初期工事費を抑えれるにしても、冷蔵庫等の設備や、最低限の運転資金のことを考えると少なからず融資を受ける必要があった。

融資を受けるには、物件の仮契約書と、店舗の大体の図面が必要になった。

そこで業者(物件オーナー)に問い合わせると

業者「先に2階3階の住居部分造らせて欲しいんやぁ。上ができへんと、下の店舗部分の工事を手つけられへん。」

と言われ、

正直…、住居部分なんかより、店舗部分を先に完成させて欲しい、1日も早く稼げるようにしたい、という気持ちはあったが、

『初期費用が、向こう持ちやしな…』

という部分が頭をよぎり、何も言えなかった。


そうこうしている間に、3月になった。

工事の進捗を時々見にいくが、あまり進んでないようだった。

僕は流石に痺れを切らせて

「仮契約書と、入口扉やり替えの見積もり(車椅子が入りやすい扉を依頼していた)だけ先に頂けませんか?」

と電話を入れた。

業者(物件オーナー)「ウクライナの戦争のせいで物資が入ってこん関係で、上の工事が止まってんのよー、そういう訳で、書類関係もちょっと手つけられへんねわぁ。ごめんなぁ。」

と返事された。

お世話になってる方に謝られるのも辛かった…。


僕は切り替えて、予定の物件周辺のご近所さんに先に挨拶に伺ったり告知活動をするのに時間を当てた。

お隣さんはみんな優しく良い人たちで、『クレープ屋さんができるのが嬉しい』と楽しみにしてくれていた。


それから4月に入り

業者(物件オーナー)から、頼んであった扉のやり替えの見積もりができたと連絡があり、僕は飛んでいった。

どんな金額になったのかは少しばかり不安はあったが、僕自身、店をやるなら車椅子の方も入りやすい引き戸にしたかったので、多少の出費は覚悟していた。

しかし受け取った扉の見積もりの金額を見て、驚いた。

4,000,000円(税込)

扉たけえぇ


…ん? どうやら違う。詳細を見てみると、扉のやり替え自体は、75,000円だ。

あらゆる初期工事費用が込みで、400万だ。


僕「えっつとぉ…」

業者「こんくらいいるで。」

僕「(いや、そうじゃなくて…)」



結局僕はその日は見積もりを持ち帰り
次の日の夕方に、今回の話はお断りさせて欲しいと連絡を入れた。未だ、店舗部分はスケルトン状態だった。

業者(物件オーナー)は

「そうか、しゃあないな」

と、坦々とした感じで答えたが、
最後には

弁護士に相談するわ。こっちは2階3階部分をオタクらのために工事してかなり金掛かっとんねん。どないしてくれんねん。
と言ってきた。初期工事費用を持つとは言ってないと。

言うた言うてない論争はしても意味がない…。

というわけで、

これから訴えられるかもしれません、のフェーズです。


あの時、正直悩みました。

追加400万かき集めてでもやるべきか、
なんなら見積もり削ってもらって、できる範囲でやるべきか、

なんと言っても告知してしまっている近所の方々、楽しみにしてくれているお隣のおじさん、応援してくれてる先輩や友人、両親、妻、子ども達。
何より待ってたこの4ヶ月間の時間…。どうすんねん…。断ったら無駄になるやん。

サンクコストバイアスくんが現れたんですね~。(このまま投資を進めると損失が出ると分かっていても、これまでに投資した分を惜しみ、ついつい投資を継続してしまう心理的傾向のこと。 ファイナンスや経済学でもよく使用されている用語)


そこで僕は一旦、サウナに行くことにした。

サウナにつくなり、もう、サウナの扉を開けた瞬間に「答え」が降りてきた。

「断ろ。 最初の話と違うんやし、むしろそこを選んだ理由が、初期工事費用かからないメリットだけやったやん。」


あとがどうなるか、なんにも分からないのに、サウナで答えがでた僕は呑気なもんだった。

それからしばらく、相手様から
有り金を違約金として払え」とか「店やらんにしても上に住め」とか「ラーメン屋やれ」とか電話が掛かってきた。

そもそも契約書、巻いてないんですよね…。僕はあんだけお願いしたのに…。


でも「口頭契約」とか、「信頼上の契約」とかっていうものが、法的に有効みたいで…。

もしかしたら、めんどくさいことになっちゃうカモだ。

後悔はしない。
サンクコストバイアスくんを倒したのだから!

サウナありがとう!

でも嫁はブチ切れてる!
『これからどうすんねん!』
と。

そりゃそうだよな!

僕? 

僕は今、毎朝 standFMで 歌うたってます!

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