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コーヒーの味を決める要素

品種

アラビカ種(60-65%)
 ・エチオピア原種(紅茶のような味わいに複雑なアロマと花のようなフレーバーを持つゲイシャなど)
 ・ティピカ(花のようなフレーバー)⇒野生のエチオピア産コーヒーに最も近い。
 ・ブルボン(果物のフレーバー)⇒仏領レユニオン島で突然変異。収量が多い。
 ・カトゥーラ/カトゥアイ⇒ブラジル発・小型のまま成熟する種

カネフォラ種(35-40%)
 ・ロブスタ種(ゴムを焦がしたような味)⇒さび病に強く、高温多湿に順応、低地でも栽培可能。カフェインがアラビカ種の2倍、ほぼブレンドコーヒー用。

リベリカ種(1-2%)

テロワール

気温と標高
・アラビカ種は32℃超になると生産できない。
・同じ栽培地域内では標高が高いほど、品質がよい。
・高地栽培のコーヒーは濃縮されたフレーバーを持つ。低地栽培されたコーヒーは生育が非常に早く、口当たりがソフトでコクが少ない。
・スペシャルティコーヒーに理想的な環境は、年間の気温差があまりなく、13℃〜25℃の範囲に収まるのが望ましい。
土壌
・通気性と水はけがよく、有機物を多く含む土壌が望ましい。
・火山灰土が特に適している。
日照
・日照量が少なくとも十分に生育する。
・日陰は土壌温度の上昇を防ぎ、ストレスを軽減して養分をセーブする助けとなる。

栽培

・種子を苗床や育苗ポットにまき、半年〜9カ月育ててから畑に移植する。
・移植後3〜4年で実をつけ、5年目から商業生産が可能になる。
・健康である限り植物としての寿命に限界がない。
・密集栽培すると1本あたりの収量は減るが、栽培面積あたりの収量は大きく増加する。

収穫

一粒ずつ摘む
・完熟豆だけを揃えられる。
・熟れたコーヒーチェリーだけを選び、残りは完熟まで待つ。
・手間とコストがかかる。

一気にしごき落とす
・75%が熟した段階で、選別せずに枝からコーヒーチェリーを地面や網の上にすべて落とす。
・平地のプランテーションでは機械化されている。
⇒ブラジルのひとつのプランテーション5人の労働者が3日間機械を稼働させた場合の収穫量は、グアテマラの山岳地方で1000人の労働者が1日かけて収穫した量に匹敵する。

精製

ナチュラルプロセス(乾式)
・コーヒーチェリーを乾燥場のコンクリートの床に広げて天日干し。約2週間、定期的にひっくり返す。
・コクと果物のようなフレーバーが強くなり、後味に野性味が生じる
・失敗すると農場臭のようなフレーバーになる。
・コストがあまりかからない。
・品質を保つのが難しく、傷んだコーヒーチェリーが混じりやすい。

水洗式(湿式)
・コーヒーチェリーを貯水槽に入れ、浮かんだ熟していない実や異物を取り除く
・水を吸った実を圧迫し、外果皮と果肉をコーヒー豆から剥ぎ取る
・その後、綺麗な水を入れた水槽に12-14時間浸けて、水中微生物が行う発酵を利用。豆についた粘質物(ムシラージ)を取り除く
・ムシラージ除去後、水分量が11%になるまで機械や乾燥場で豆を乾燥させる。
・なめらかで安定した味で、酸味を持つ場合が多い。

パルプトナチュラルとハニープロセス
・ムシラージがついたままの豆を乾燥場に送る。
・ナチュラルプロセスのコクと水洗式の酸味の量をを持つ。
・あえて湿度の高い環境で時間をかけて乾燥させ、コーヒーが持つアロマの質を高める。

動物による精製
・コピ・アルク(インドネシア産)は、ジャコウネコにコーヒーチェリーを食べさせる。
・消化しないままの豆が排泄され、それを集めて通常と同じ精製工程を経て仕上げる。
・ジャコウネコの消化器官が持つ酵素が独特のフレーバーを与える。
・ベトナムでイタチ、タイで象、ブラジルでジャクーという鳥が排泄したコーヒー豆がある。

レスティング

・脱穀する前に、1〜2カ月、雨風を避けて保管する。
・熟成し、精製したての草っぽい味が消える。

ミリング

・レスティングの後、残っていたパーチメントを脱穀機で除去する。
・人の手や色彩選別機で、未熟なもの、欠けたもの、虫害を受けたものを除去する。
・ジュート製の麻袋に詰める。近年では、スペシャルティコーヒーの生産者はポリエチレン製の袋が主流となっている。
・標準的なサイズは60kg入り。

焙煎

・豆を均一に熱して、最終的に温度を200〜250℃まで上げる。
・生豆の色はまず黄色に、その後明るい茶色に変わる。
・205℃前後で「1ハゼ」(1st crack)、225℃前後で「2ハゼ」が聞こえる。豆の細胞壁が壊れ、豆のオイルで表面がつやつやする。
・そのまま焙煎を続けると残った糖分が炭化して豆が黒くなる。
・余熱で焙煎が進行しないように、できるだけ休息に冷ます必要がある。

カッピング

・焙煎士がコーヒーの品質と均一性を確認すること。
・コーヒーの評価を標準化するための基準として「Qグレード認証」がある。
・Qグレーダーは一定の判定を行えるよう訓練を受け、認証されたカッパー。
・香り/アロマ(ドライかウェット)、酸味、フレーバー、コク、余韻、統一性、クリーンカップ、バランス、甘味、全体的な印象でスコアを出し、その後欠点を引いて100点満点で点数が出される。
・80点以上のコーヒーがQグレードのスペシャルティコーヒー

抽出

煮出し式
挽いたコーヒーと水を一緒に熱するもの。
例)トルココーヒー

浸漬法
挽いたコーヒーを湯に浸す。
例)フレンチプレス

透過法
挽いたコーヒーに湯を通す。
例)フィルターを使用したドリップ式

加圧式
挽いたコーヒーに高圧で湯を通す。抽出のスピードが速い。
例)エスプレッソ

Qグレードの上の89点以上のコーヒーをPグレードと呼んだらどうだろう。

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パクチー(P)コワーキング(C)ランニング(R)を愛する、PCR+ な旅人です。 鋸南(千葉県安房郡)と東京(主に世田谷と有楽町)を行き来しています。