見出し画像

動画編集のセオリ                    ジャンプカットはアリ?

動画スクールPAVIOSの講師をしている、大林です。
現役テレビディレクターとして、最近ではNHKの医療番組なども作っています。

今日は、動画編集についてお話ししたいと思います。

動画編集に決まったルールはありません。
こんな風につないだら、ダメなんてことはないわけです。
 
ただ、現場で脈々と受け継がれているセオリーはあります。
YouTubeの登場で、セオリー自体も崩れているので、
かつて、こんなセオリーがあった、という記録も含めて記事として残しておこうと思います。
 
今回のテーマは、『ジャンプカット』についてです。
 
ジャンプカットとは、
同じサイズの画角のショットを連続してつなぐ編集です。

この動画は意図して人が消えるような演出をしていますが、
私たちがよく見受けられるジャンプカットは、
ニュース番組などの報道映像(通行人などへのインタビュー)などではないでしょうか。
報道の性質上、撮影機材や編集時間が限られることに加え、発言を要約する編集がなされるためです。
 
近年では、YouTubeなどの動画投稿サイトにおける顔出し企画(いわゆるYouTuberもの)によく見られます。
 
私のYouTubeでもジャンプカットを使用しています。


動画投稿サイトでは3分以上の動画は好まれないことから会話の「間」を削除してできるだけ時間を縮めようとすることに加えて、固定された一台のカメラで撮影する簡易な制作の結果としてジャンプカットが生じるわけです。

もう、一般的になっているジャンプカットですが、
動画編集においては、元来〝御法度〟とされていました。
ジャンプカットでつなぐことは格好悪いとされてきたのです。
明確な理由は分かりませんが、編集として美しくない、というのが主な理由ではないでしょうか。

だから、ジャンプカット上等なわけですが、
一応、セオリーとしてジャンプカットが邪道であることは知っておくべきですし、その回避の仕方も知っておいた方がよいと思います。

 

① インサート


ジャンプカットを隠すために最もよく行われるのが、インサートです。
インサートとは、インタビューで話している人の声だけを活かして、
別の映像を映す編集手法です。
例えば、シェフが料理の話しをしているときに、その料理の映像が映れば違和感がありませんし、
話しに関連して見たい映像が見られるので一石二鳥です。
映像の裏で音をつないでしまえば、編集したことは気づかれません。

ただ、インサートを多用すると、
話しが頭に入ってこない感じがして、私はあまり好きではありません。
人間の心理として出来るだけ顔を見て、話しを聞きたいと思っているはずだと考えているからです。

インサートも使い方と頻度によると思います。

② 複数カメラ


例えば、インタビューを複数カメラで違うサイズの画角で撮影しておくと、
ジャンプカットを回避できます。

こちらを見て分かるように、必ずサイズに差をつけることが必要です。
せっかく、2カメで撮影したのに、同じようなサイズになって変化がない動画もよく見受けられますので、注意が必要です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?