見出し画像

日本の福祉の原点、太陽の家、オムロン太陽、ソニー太陽、ホンダ太陽、カムラック、else ifの視察から学んだこと

皆さん、こんにちは。
Gifed Creative、峯上良平です。

2024年2月5日から三日間の成澤合宿の振り返りをしたいと思います。

今から約11年前のことです。
私は、鬱になり、ひきこもっていた際、自分が働けるようになるにはどうすればいいのか、調べていました。

私が住んでいる和歌山県田辺市は当時、ほとんどの作業所が箱折やチラシの封入という単純作業で、月の工賃も一万円いくかいかないかのところがほとんど。
高専を出て、大手IT企業に勤めた経験のあるちっぽけなプライドがあった私には、到底受け入れることが出来ませんでした。
今では、重度の身体、知的障がいのある方にとっては大切な働く場所である
という理解ができますし、精神障がいの方にとってもITを取り扱っている作業所では工賃も高く、素晴らしいところもあります。

また私がGifedの活動し始め、少しだけ認められるようになった頃、地元のある福祉団体から赤字続き経営の見直し相談を受け、私なりに一生懸命調べ、勉強もし、答えたところ、代表の方から

【あなたに福祉の何がわかるのか。私は借金をして、この子たちに居場所を作っているんだ。帰れ!】

今思えば、伝え方が悪かったと思います。ストレートに問題を指摘した結果、キレられてしまったのです。そういった経験もあって、正直、全く期待していなかったのです。

ここから本題です。
整形外科の中村裕医学博士が日本の重度身体障がい者は、ずっと病院でいるのに対し、海外の病院ではたった半年で家に帰って、社会復帰をするということに衝撃を受け、当時リハビリという概念すらなかったところから、スポーツによる身体機能の回復、そしてパラリンピックの開催、その後の外国人選手と日本人選手の大きな違い(外国の方は終わった後、飲みに出かけたり、楽しそうに過ごしたが、税金をもらって参加していた日本人選手はまっすぐ宿に帰らざるを得ない)に愕然とした。

【保護よりも機会を】

我々障がい者は、働き、そのお金で欲しいものを買いたい、みんなと同じ生活がしたいんだ。

そこから太陽の家の活動が始まります。
中村博士は約200社を回り、仕事をもらおうと思いましたが、すべてから断られました。
しかし、オムロンの創業者、立石一真との出会いにより、日本で初めての福祉工場が誕生、初年度から黒字を達成するという快挙を達成。

紹介動画が流れたとき、私は涙が止まりませんでした。
それは障がい者が働いていることに感動したのではなく、自分と同じように違和感があり、それを何とかしようと生涯をかけて社会を変えようとした仲間が居たということが本当に嬉しかったからです。

自具というものを皆さん、ご存知でしょうか?
例えば生産現場で、健常者なら30秒でできる作業も、片方の手しかない方だと60秒かかる。
それを試行錯誤し、作業の効率化を図った結果、健常者、障がい者どちらも5秒でできるようにするのが自具です。

その圧倒的なユニバーサルデザインにより、生産性を向上。

オムロン太陽では

【世に身心障がい者はあっても、仕事に障害はあり得ない】

という信念のもと、論語と算盤を確立しています。

次の世代の我々は、精神、発達障がいの太陽の家モデルを確立させなければいけないと私は考えています。

精神、発達障がいの自具とはいったい何なのか?
考察したいと思います。

精神、発達障がいの方は身体障がいと違って目に見えにくい障がいのため、
①子育ての中で、両親と当事者の間にある理解されないという障がい、育てにくさによる両親の不仲、または離婚、過保護。それにより愛着やコミュニケーションに難しさが出る可能性がある。
②特性による学校や社会でのトラウマ体験による対人恐怖
③自己肯定感の低下による、不安を抱えやすい自動思考と固定マインドセット
④失敗したくない完璧主義、自分に厳しすぎることにより、自罰や脳ストレスによる判断能力低下、及び忍耐力の低下。

これらの問題を解決するには、その人が働きにくくしている思考や、過去の経験による誤ったスキーマ(過去の経験・記憶によって構造化された概念のこと。例えば人に助けてもらう経験が少ないと、自動的に自分一人で何とかしようとする)や認知の偏りの改善、セルフケアの確立と自己理解を深め、自分らしく働ける多様な仕事を見つける必要がある。

身体障がいが働きやすい社会が一定数出来ている事例があるのにも関わらず、何故精神、発達障がい者の働きやすい社会が実現しにくいのには、こういった個人の複雑さ、そしてその人の人間性に問題があるという勘違いや、当事者自身が自具を見つけられていないことに課題があると私は考えている。

身体障がいの方は、自具さえあれば、健常者以上の働きが出来るが、それは試行錯誤と、自身の残っている身体機能の可能性を最大限発揮させたからの結果であり、精神、発達障がい者は出来ない理由を障がいのせいにしてしまった結果、生産性が出らず、給料が上がらなかったり、正社員になれなかったりすることで、継続した成長が見込めず、人間関係のトラブルが起こり、長く働けない可能性がある。
※語弊のないようにすべての精神、発達の方がそうではなく、そこに気づけない方が多くいて、苦しんでいるために記載

また採用する企業側も、見えない障がいのため、とりあえず出社してくれたらいい、居てくれるだけで障がい者雇用率が取れるため、成長するための負荷を与えない、その場で障がい者だからこれで良いという、無意識の差別があったりする。
※もちろん、当事者の課題を伝え、生産性やキャリアを形成している会社もある。一方で、当事者がパワハラだと言って、自分の課題に向き合えない残念なケースもある

どちらか一方のせいではなく、もちろん支援する我々にも問題がある。
バイアスのせいで、依存させてしまい、その結果、自立の妨げになってしまうケースも。

基本的に成長しなければ、人は老化と共に退化する生き物である。

資本主義経済では、常に変化と成長が求められ、競争できない会社は淘汰されてしまう。
社会的権利である保護の元生きるのも、もちろんありだ。
しかし本当の幸せは、自分で自分の人生を生きることだと私は思う。

ぬるま湯につかり、社会がどんどん変化する中で、何も変化しないと、気付いたらゆでガエルになってしまい、ピンチになったら権利と保護を主張する。

それではいつまでたっても真の共生社会は実現しない。

【中村医学博士の足りないところは科学の力で】

精神、発達障がいの場合は

【足りないところは心理の力で】

何とかできると私は思う。

精神、発達障がいの【障害】とは、社会と自分の間にあり、そして自分の思考の中にあるもの。

それに気づき、どうやったら自分らしく働き、生きられるようになるのか。

私自身も向き合いたいし、仲間と共に向き合っていきたい。

この学びを活かし、精神、発達障がいの中村医学博士となれるよう、またコツコツと進んでいきます。
まだまだ未熟者ではありますが、情熱だけは負けないので、皆さんのお力を借りれると嬉しいです。

最期にぜひ、カムラック、else ifを知らない方は、見学に行って欲しいと思います。
ITの領域で既に中村医学博士のように実現を目指しているところは、本当に貴重です。
収入を上げたい、発達、精神障がいのある方はぜひ調べてみてください。
私も、仲間たちに紹介したいと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
成澤さん、里菜さん、いつも素晴らしい学びをありがとうございます。
受け入れて頂きました皆さん、本当にありがとうございます!
勇気を頂きました。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?