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ケーキ屋さんをより良くするための100のアイデア【情報管理編】

ケーキ屋さんをより良くするための100のアイデア。今回はケーキ屋さんの情報管理について書いてみます。お店にある様々な情報は整理整頓してこそ活用できます。前回の【整理整頓編】にも通じる内容です。

また、【分析編】でも書きましたが、分析した情報を的確に、効率的に活かすためには、お店の情報が整っている事が大切です。

今回は私なりに考えた、情報の管理の仕方についてまとめてみました。情報を整え、活用するきっかけになれば幸いです。

57:全商品に商品番号をふる

お店のすべての商品を一覧表でまとめ、商品番号をふりましょう。
商品番号をふっておくと、レジの商品登録や棚卸の時など、商品を管理する時に順番を揃える事ができます。
「商品の並び順に決まりがある。」と言う事が意外と便利です。

ちなみに、私は番号を決める時のルールは以下の様にやっています。
①大ジャンルを作る(例:生菓子、ドゥミセック)
②小ジャンルを作る(例:プチガトー、ホールケーキ)
③各ジャンルに当てはまる商品に000~999の番号をつける
④上記の番号をまとめて5桁の番号を商品番号とする。

このルールで商品番号をふり、管理しています。
商品点数の多いお店の場合はナンバーを1桁増やして6桁で番号をつけて管理するといいでしょう。

58:材料の規格書を集める

お店で使っている全ての材料の規格書をいつでも見れるようにしましょう。
規格書とは、加工食品や原材料など商品情報を記載した書類のことです。
規格書にはその商品の基本的な情報が記載されています。
「商品カルテ」や「仕様書」と呼ばれることもあります。

簡単に言うと材料の履歴書のようなものです。
材料の原産国やアレルギー、熱量やタンパク質などの栄養成分情報が載っています。加工食品のピューレやペーストでしたら、使われている原材料や配合が載っています。これはインフォマート等のサービスや材料の卸業者のページ等からネット上で見れる事もありますが、その手段が無ければ卸業者に声をかけて、すべて取り寄せる事ができます。
紙の書類でももらえますし、PDFのデータでももらえます。紙で管理するのは手間がかかるので、PDFのデータとして保管することをお勧めします。大量の規格書はフォルダ内で検索をかければすぐ見つけることができます。

ちなみに、材料のデータを保管する時の小技として、ファイル名は普段使っている言葉にしましょう。例えば、乾燥クレープはフィヤンティーヌ、フォユティーヌ、フイヤンティーヌ、フィユティンなど様々な呼ばれ方があります。スタッフの誰が検索しても引っかかりやすいファイル名に変更しておく事をお勧めします。

59:規格書の情報をまとめる

規格書が集まったら、アレルギーや原材料、添加物、栄養成分などの情報をまとめましょう。材料のデータベースを作るイメージです。
まとめる内容は以下の項目です。

・材料名
・アレルギー情報(特定原材料)
・原材料名、添加物
・熱量
・たんぱく質
・脂質
・炭水化物
・食塩相当量

商品の情報を管理する時に、材料の情報が整理されているととても便利です。私はこの様に簡単にですがエクセルで管理しています。

60:商品のアレルギーや栄養成分をまとめる

アレルギーや栄養成分情報をまとめた材料の情報を、次は商品毎にまとめましょう。
アレルギーは28品目、栄養成分は熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量を計算します。
Excelを使ってまとめてもいいですし、専用のサービスもあるのでそれを使ってまとめてもいいでしょう。例えば私はこの様にエクセルで管理しています。特にアレルギーの情報はお客様からの問い合わせも多いかと思います。商品情報は誰でも簡単にわかる状態にしておくことが大切です。

また、ケーキ職人(https://www.cake-syokunin.com/)というレシピを管理するサービスを使えば、この様にまとめることができます。

61:賞味期限の一覧表を作る

賞味期限は明確に誰でもわかるようにしておくと良いでしょう。一覧にまとめる時は、製造から何日間か。冷凍保存していて、販売時に解凍している商品がある場合は解凍してからの賞味期限は何日間か。といった基準でまとめるとわかりやすいです。

この様に簡単に表にまとめ、スタッフがいつでも把握しやすい様にしましょう。一部の商品で期限が異なる場合は備考欄に詳細を記載して対応すると表がシンプルになり、見やすくなります。

62:材料の賞味期限一覧表を作る

商品だけでなく、ピューレや乳製品などの材料や半製品(副材料)の賞味期限もまとめましょう。自家製のピューレやコンポート、プラリネなどは曖昧になりがちです。また、生クリームやクリームチーズなどの材料も、開封してからの使用期限も曖昧になりがちです。
明確な賞味期限を決めて一覧にし、スタッフ共有するといいでしょう。
材料を開封した際や、半製品を製造した際には一覧表を基に、賞味期限を容器に表示するルールを作ると良いと思います。保健所のチェックが入った際は、この使っている材料にも賞味期限の表示ができているかをチェックされる場合が結構多いです。

63:冷凍・冷蔵庫の温度管理をする

各冷蔵庫、冷凍庫の温度のチェック表を作りましょう。
チェックのタイミングは朝、昼、夜の3回。出勤時、休憩時、退勤時のタイミングが忘れにくくなりおすすめです。温度をチェックする時間も明確に設定しましょう。
各冷凍庫、冷凍庫には番号をふって管理するとわかりやすくなります。チェックし終えた温度管理表は全てファイリングして保管しましょう。細かい話になりますが、霜取り中の場合は再度チェックし正確な温度を記載しましょう。実際の表はこの様な簡単なもので構いません。

温度をしっかりと管理し、そして保管しておく事が大切です。実際にチェックをする作業にかかる時間は短いので、万が一冷蔵庫や冷凍庫が故障していて気づかなかった場合のリスクを考えると、チェックの手間をかける価値はあるかと思います。

64:全商品の写真を撮る

商品の見た目や飾りを覚えておくためにも、全て同じ角度から撮った写真をデータとして保存しておきましょう。写真は以下の3枚を撮ることをルールにすると使い勝手が良いです。

①ケーキの正面もしくは真横
②ケーキの真上
③ショーケースに並べる時、正面になる向き

例えばこのようなイメージです。

①ケーキの真横


②ケーキの真上


③ショーケースに並べる時、正面になる向き

この3つの角度から写真を撮り、保管しましょう。
特に②のケーキの真上からの写真があると飾り付けをする時のミスを抑えることができます。正確なケーキの飾りは忘れてしまいがちです。
写真は各商品のレシピと一緒に保管しておくといいでしょう。
もしくは、お店のLINEグループを作り、そこにアルバムとして保管しておくのも良いかと思います。

65:材料と包材の価格をまとめる

お店で使っている材料や包材の価格をエクセルでまとめましょう。棚卸表をそのまま使っても構いません。まとめる際には、

・商品名
・お店での呼称
・入り数(容量)
・価格
・納品リードタイム
・発注先

この6項目でまとめると発注する時に楽になります。
この様に…

一覧にしてスタッフ全員で情報を共有することで材料や包材をムダにしないような意識づけができますし、過剰発注を防ぐことにもつながります。品目が多い場合には、材料と包材でファイルを分けて管理しても良いかと思います。価格変動などの情報の変更や追加もあると思うので月に1度程度のペースで更新していくルーティンにしましょう。

66:商品の構成図をつくる

スタッフのための情報としてだけでなく、お客様への説明のための資料としてケーキの構成図を作りましょう。お客様はケーキの説明文だけだとイメージがつきにくいものです。ケーキの断面図を描き、パーツ毎にどのような構成で作られているのかをわかりやすく書いてみましょう。
例えばこの様なイメージです。

これは特別なソフトを使う必要はなく、エクセルやパワーポイントの図形機能を使えば作れます。エクセルやパワーポイントならお店で使っているパソコンにも入っている方も多いのではないでしょうか。

67:作り方の動画を撮る

スタッフの教育用として、作り方のコツや難しいポイントは動画で保管しましょう。パティシエの技術を言葉だけで伝えていくのは難しいことです。間違った技術の継承が行われてしまうと、徐々に商品に影響が出てきてしまいます。職人は実際の作業を目で見て覚える事ももちろん大切です。ですが現在は簡単にスマホで動画を撮影できる時代です。目で見て覚えつつ、動画で作業を記録しておいてもいいのではないでしょうか。

動画で撮って繰り返し見てもらうことで教育時間の短縮になります。
言葉では伝えにくいメレンゲの立ち具合や、焼成の焼き色の変化、絞り形など、スマホで撮影をして保存しましょう。

この動画はスタッフの教育用なのできれいな編集や、凝った演出は必要ありません。なので、特別な動画編集ソフトも必要ないと思います。それでも動画を編集する必要がある場合は、スマホの無料アプリで十分です。私のオススメのアプリはvelloです。簡単な操作でテロップ入れや、カットや繋ぎができます。

以上で…

ケーキ屋さんをより良くするための100のアイデア【情報編】として、11コのアイデアを書いてみました。

100コ全てを読むのは大変なので、必要な時に読みたい項目だけを読んで活用していただけるような構成で書いています。
まだまだ長いシリーズですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

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