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ケーキ屋さんをより良くするための100のアイデア【整理整頓編】

ケーキ屋さんをより良くするための100のアイデア。
今回は整理整頓について書いてみます。
お客様のいる店内の整理整頓はできても、バックヤードやキッチンの整理整頓までは中々手が回らないと感じている人も多いのではないでしょうか。

前回書いた衛生についての内容でも同じ事が言えますが、

お菓子の美味しいお店の店内やキッチンは、整理整頓されている印象があります。それは恐らく、仕事の美しさがお菓子の味に繋がるからでは、と思います。
私なりに考えた、整理整頓の方法についてまとめてみました。整理整頓を始めるきっかけになれば幸いです。

41:道具を精査する

道具を探している時間って、無駄ですよね。
探している時間を1年間積み重ねると結構な時間になります。それを防ぐためにも、よく使う道具を精査しましょう。

まずは道具をよく使う順に1軍、2軍、3軍に分類して振り分けます。

【1軍】よく使う道具です。使いやすい位置に配置しましょう。
【2軍】たまに使う道具です。棚の上の方や引き出しの奥など、やや手の届きにくい場所にしまいましょう。
【3軍】年に1度使うか使わないかの道具です。倉庫にしまうか、思い切って断捨離しましょう。

使う道具の精査が終わったら次に、使った道具を同じ場所に戻すルールを作ります。
例えば、機械系の工場では使う工具は写真のように決まった場所に固定して、整理整頓されています。

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ゴムベラやホイッパーなど、道具を置く場所にはラベルシールなどを使い、道具の名前を表示して保管場所を誰が見てもわかるようにしましょう。

整理整頓の「整理」とは「物を減らすこと」。
「整頓」とは、「配置すること」という意味です。
つまり、「整理整頓」とは、物を必要な物と不要な物に分けて不要な物を捨て、必要な物を使いやすい場所に置くこと、という意味です。

①道具の使用頻度による精査
②道具の保管場所の固定

この2つで道具を探す時間を限りなくゼロに近づけましょう。

42:材料の保管場所を固定する

道具と同じように、材料の置く場所も固定しましょう。使いたい時に使いたい材料が最短時間で取り出せるような配置を目指します。

仕込みをする際に効率よく材料がピックアップできる配置にする事が大切です。仕上げの時に使う材料(例えば粉糖やナッツ類など)は、使う材料の数や量が少ないので1つのトレーにまとめるなどの効率化を図りましょう。

材料の保管場所を固定できていないと、作業効率の問題だけでなく、発注時に在庫を見つけられずに過剰に発注してしまうミスにつながります。
材料を発注する時間は限られた短い時間でする場合が多いので、ぱっと見で在庫がわかりやすいように配置しましょう。理想的な材料の保管棚はスーパーの陳列のように並べてしまう事です。

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綺麗に並んでいれば材料が何個あるか、材料の欠品はないかが一目でわかりますよね。(もちろん材料の保管場所の広さの限界もあるかと思いますので、あくまで”理想”です)
また、粉袋など重いものはいろいろな種類を重ねてしまうと下の方の袋が見にくくなります。重いものは重ねないようにし、取りやすいように保管すると良いでしょう。

43:冷蔵庫の中を整える

冷蔵庫の中は散乱しがちですよね。
冷蔵庫の中の整理整頓は、家庭の冷蔵庫の整理方法と同じように、100均のアイテムを活用すると良いかと思います。例えばトレー、引き出し、ブックスタンドなどを使い、安く効率的に整理整頓をしましょう。

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材料の保管方法として、ナパージュやトレモリンが入っていたバケツを再利用して使っているお店も多いかと思いますが、バケツでの管理はオススメできません。

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このバケツ、使い勝手がいいので、つい使ってしまいますよね。
(実際、私自身もよく使っていました)

この類のバケツの欠点は2つあります。
まず色が付いているので中身が見えません。そして丸い形はデッドスペースが多く生まれます。なので、できることならバケツは使わずに、100均でも買える四角い大きめなタッパーやコンテナを使い保存しましょう。

同じようにピューレのタッパーを再利用しているお店も多いかと思いますが、こちらもあまりオススメできません。ピューレのタッパーは四角いのでデッドスペースは生まれにくいのですが、ふたに色がついていて中身が見えなかったり、本当のピューレなのか、別の材料を入れているピューレタッパーなのか混同しやすくなります。発注時に見間違えてしまい、誤発注にもつながりやすいですよね。

バケツやピューレのタッパーを再利用して得られるメリットよりも、保管効率の悪さや衛生面でのデメリットが多いです。タッパーは100均などで安く買えるので、バケツやピューレタッパーを再利用するよりも使いやすいサイズのものを購入した方が良いかと思います。

また、冷蔵庫の下段の奥の方にしまう材料は見失いがちです。奥の方のものを簡単に取り出せるようにするためにも収納グッズを上手に使いましょう。

44:冷凍庫の中を整える

冷凍庫の中は冷蔵庫よりも更に散乱しがちです。
月に1度は冷凍庫の中身を棚卸し、その際に冷凍庫の電源を一度切り、冷凍庫の中を拭き掃除しましょう。

また、冷凍庫の中に長い間入れていると霜がはり、タッパーなどは中身がわからなくなってしまいがちです。
そんな時はタッパーや番重に養生カラーガムテープを貼るとわかりやすくなります。表示のラベルの色を分けて一目でなにが入っているかをわかりやすくすると良いでしょう。

例えば、自家製のピューレは赤色、ナッツ類は黄色、乳製品は青色といったイメージです。慣れてくれば、表示の文字を読まなくてもテープの色で探し出せるようになり冷凍庫の開閉時間を短縮することができます。

また、冷凍庫の扉にも庫内になにが入っているかを表示する為に、養生カラーテープや、シートマグネットを貼って管理すると開閉時間が短くなり、霜がつきにくくなります。

ストッカータイプの冷凍庫の中には四角いワイヤーカゴを複数入れて管理し、ストッカーの下のものを取り出しやすくしましょう。
そして、食品は必ずチャック付きの袋やタッパーに入れて管理しましょう。食品を冷凍庫の空気に触れさせないようにし、冷凍焼けを防ぎ、冷凍庫の臭いが移らないよう管理しましょう。

45:名前を統一する

細かい事かもしれませんが、お店で使う道具や材料の呼び方は統一しましょう。人によって呼び名が違うと違和感を感じてしまいます。(私だけかもしれませんが…)
例えば、

・ラズベリー or フランボワーズ
・アントルメ or ホールケーキ
・パティシエール or カスタード
・バニラ or ヴァニラ
・サブレ or クッキー
・クリスマス or ノエル
・ゴムベラorマリーズ
・ホイッパーorフエ

些細な所ですが、こういう所を整理しないとお店の中の「文化」が育たない様な気がしてます。
スタッフの頭の中を整理するためにも、お店の中で使う道具やケーキの材料の呼び名を統一しましょう。

個別の名前だけでなく、お菓子のジャンル(部門)の名前も統一すると良いでしょう。

・生菓子 or プチガトー
・焼き菓子 or ドゥミセック&フールセック
・チョコ or ショコラ
・ギフト or 詰合せ

などです。

さらに細かい話になりますが、焼き菓子などの商品に貼るこのような食品表示のシールの名前も、

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裏面シール、表示シール、成分表示、焼き菓子シール、と言った具合にバラバラに呼ばれている事が多いです。細かいことですがお店で使う1つ1つの言葉を統一してみましょう。

46:洗い物のシステムを決める

よく、新人やアルバイトスタッフが洗い物に入ると、洗い物が終わるのが遅いと嘆く方がいますが、それは人のせいではなく洗い物のシステムが悪い場合が多いと感じています。

洗い物をする場所のレイアウトは大切です。汚れた道具を置く場所と、洗い終わりのキレイな道具を置く場所をしっかりと分けましょう。誰が洗い物をしても、同じ時間で終わる様な仕組み作りが大切です。

また、汚れた洗い物を出す際のルールも大切です。
汚れた道具をシンクの中に貯め込む事がよくありますが、下の方に置かれた道具(例えばホイッパーやパレット)は壊れてしまいますし、洗い物の効率が悪くなります。
汚れた道具を細かいものと、大きなもので置く場所を分けてレイアウトする。洗い物を効率よく回すと、お店としてのトータルの労働時間も短縮できます。たかが洗い物だと思わずにしっかりとしたシステムを作りましょう。

47:文房具の保管場所と数を決める

キッチンで使う道具だけでなく、ボールペンやマジック、ハサミなどの文房具のレイアウトも固定しましょう。

その際に、置く場所だけでなくキッチン内に置く数も決めておきましょう。これは作業効率だけでなく、異物混入のリスクを防ぐためでもあります。キッチン内に持ち込む文房具の数を決めておくと、万が一紛失した際にすぐに気づけるようになりますし、無駄にたくさんの文房具を買いそろえる必要もなくなります。

文房具はいろいろな人が使うので、各自がポケットに入れて持っていたり、コックコートに挿している場合がありますが、これも異物混入のリスクがとても高いのでオススメできません。

また、異物混入の目線で考えると、折り刃のカッターナイフは使わない様にしましょう。刃を折った際にどこかに飛んで行ってしまう可能性とリスクを考えると、カッターは一枚刃のもの一択になるでしょう。

以上で…

ケーキ屋さんをより良くするための100のアイデア【整理整頓編】として、7コのアイデアを書いてみました。ストレスなく美味しいお菓子を作り、物を探す無駄な時間をなくすためにも整理整頓を心がけましょう。

100コ全てを読むのは大変なので、必要な時に読みたい項目だけを読んで活用していただけるような構成で書いています。
まだまだ長いシリーズですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

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